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詩『Empty』

ぼくの庭には誰もいない
花が咲いていても
涼しい木陰があっても
誰も訪ねてこない

ぼくの部屋には誰もいない
テレビが笑っていても
音楽が流れていても
誰の耳にも届かない

ぼくの言葉
誰も聞いてない
誰の元へも届かない
こだまになって響くだけ

風よ 聞いておくれ
太陽よ 沈まないでおくれ
夜の帳が下りて
ぼくを包んでしまうから

夢にも誰も出てこない
霧の中で道を見失い
方向も分からずに
さまよっているだけ

家には誰もいない
時折ノックが聞こえるけれど
風の姿はぼくには見えない
扉が揺れて 音を立てるだけ

ぼくの心にノックの音
やっと来てくれたんだね
もうからっぽじゃないよ
話したいこと 聞きたいこと

いっぱいあるよ
さぁ 入ってきて

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