見出し画像

詩『インコ』

小さな傷でしかないよ
ほんとにちっちゃな でも
どれもふさがっていないんだ

いいなって
他人を見てつぶやく自分がイヤ
痛みのない人はいないはず
他人に見せないだけなのに

いやになってしまうな
そんなつぶやきばかり洩れる
ここをどうやって乗り越えるのか
答えのない問いを繰り返す

どうして人の痛みまで感じるんだろう
つらい思いを悲しく思うのだろう
自分だけで精いっぱい
もう持てないほど背負ってるのに

帰っても誰もいない
今日も暗い部屋に灯りをつける

ピーヨ ピー ピー
インコが呼んでる
止まり木を行ったり来たり
遊びたくて仕方がない様子

ゲージから出して飛ばしたら
くるっと向きを変えて
ぼくの肩に乗ってつついてくる
指に乗せるとじっとぼくを見てる

チッ チッ チッ
そうか? そうだな……
お前がいたな
笑えてきて 

泣けてきた


このショート動画を元にした詩です。インコは出てきませんけど。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?