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あったか山の物語

西の空に大きな太陽が沈んでいく
陽を受けて山が赤く染まる
その温かい色から 
あったか山と呼ばれる山には
多くの動物たちが暮らしている

あったか山のふもとに
木が生い茂り 昼でも暗く
誰が住んでいるのか分からない家があった
山の動物も 町の人間も
その家を訪ねるものはいない

出たらしいよ
そんな噂が聞こえてくる
家の前を通る人や動物がいると
風もないのに木が揺れ
枝が伸びてきて捕まりそうになったそう

「ぼく 行ってみる」
キツネのこん太は友達のくま太と一緒に
その家に出かけてみることに……


以前、キツネのこん太を主人公にした童話をいくつか公開していましたが、
彼の話をまた書いてみようと思っています。今度は習作ではなく、今年の新美南吉童話賞に送るつもりです。
動物を主人公にするって賛否あると思うんですよね。今回の話ですと、人間の子供でも書けないことはないのです。でもあったか山を舞台に温かく、ほのぼのと人間と動物が交流する物語にしたいと思います。僕自身がそういう昔話風ファンタジーが好きですから。

賞に合うのか、今の時代に合う話なのかといろいろ考えてしまいますけど、自分が好きで、書きたいと思う話に一番力が入ります。僕は気持ちを大事にした物語を書いていきたい。動物でも人間でも違いはありません。それで受け入れてもらえなければ……考えても仕方ないですね。

賞に落ちると、その作品だけでなく今まで書いてきたものまで見たくなくなります。みすぼらしく、価値がないように思えて、公開していることが恥とすら思います。落選してもやる気を削がれることはないですが、受けるダメージは結構大きいです。でも日を置いて読み直すと、そこまでひどいか? と思いますし、やっぱり愛着もあります。そこで下書きに戻していた作品をいくつか公開に戻し、他にも落選作ではありますが、少しずつ公開していこうと思っています。
お手隙の際、お読みいただければ幸いです。

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