童話『おたまじゃくしの歌』
『第34回新美南吉童話賞』に応募した作品です。
少し長いので目次つけました。
前半
水の張られた田んぼに雨が降ってきました。おたまじゃくしのおたまは、落ちてきた雨粒がたくさんの丸を描くのを、水の中から見上げています。
ざざー。雨が強くなってきました。するとカエルが次々に歌い始めます。
歌は田んぼ中に広がり、夜空高く、遠くまで響きます。おたまも水から顏を出して、大きく息を吸い込みました。尻尾はまだあるけれど、足は四本生えてきました。水から出て外で暮らす日も近いようです。