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童話

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自作童話ですが、習作です。上手くなるためには書くしかなく、投稿生活を乗り切るための土台となる作品を集めました。未熟なものもありますが、ご一読いただければ嬉しいです。
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#日産童話と絵本のグランプリ

童話『風の岬の小さな灯台』後編

 森が静かに眠りについた時、ろうそくが言いました。 「さっきはありがとう。でも、なぜ一緒にお願いしてくれたの?」 「自分でも分からないけど、よかったね」  山風は本当は分かっていたのです。ろうそくの火があんまりきれいだから、ずっと見ていたかったのです。 「そうだ。ちょっと待ってて」  山風は森を抜け、野原の花畑の上を通り過ぎて戻ってきました。 「なんだかいいにおいがする」 「うん。花のにおいを集めてきたんだ」 「じゃあ、お礼にいいものを見せてあげる」  山風はろうそくに近づい

童話『風の岬の小さな灯台』前編

作品について 2022年『日産 童話と絵本のグランプリ』童話の部に応募した作品です。400字詰め原稿用紙5~10枚の規定のところ、10枚フルに使いました。一度に公開すると長いですから、前後編に分けます。よろしくお願いします。  海に面した岬に灯台がありました。昔はこの灯台の光が船の目印になったのですが、別の場所に新しい灯台ができてから、光が灯ることはなくなりました。今ではもう古くなり、ひっそりと立っています。  人間は知らないことですが、灯台の場所が変わってから困ったことが