童話『そらになった雨つぶ』
雲の上はいつも晴れた空が広がっています。地面にいくら雨が降っていても、空は雲より高い所にあるのですから。昼間はどこまでも青く、夜はたくさんの星が輝きます。
黒い雲は小さな雫の集まりです。その雫が、ぽつり、ぽとぽと雲から落ちて、雨になるのです。雨粒は透き通っていますが、地上に降ると色がつきます。どんな色にもなれるのです。それが雨粒たちの楽しみでした。
雲の中で空を見上げている雨粒がいます。
「きれいだなぁ。あんなきれいな青になりたいなぁ」
それを聞いて他の雨粒たちは笑い