童話習作『こん太と赤いバラ』後編
森に戻ったこん太は、友達のクマ、くま太にバラのことを話しました。
「ぼくもバラの言ってることはひどいと思うよ。でもね……」とくま太は少し考えてから続けました。「野原の花はたくさんいるよね。バラはどう? 一人で咲いてるんだろう? もしかしたら寂しいのかもしれないね」
「でも、だからといって誰かを悪く言ってはいけないと思うんだ」
「もちろんそうさ。でも何か理由があるのかもしれない」
「うーん。そうなのかなぁ」
くま太にそう言われて、こん太はバラのことが分からなくなりました。