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長編詩 男女6人恋物語2回目

僕の名前は三島純一。この夏、ペンションのアルバイトに来ている学生だ。
ほかのバイト仲間は同じ大学の同級生、宮崎奏。
ペンションのオーナーは前に書いた、清川翠。
客が会社員カップルの寺島吾郎と長谷川杏子。
そして、謎の男X。

梅雨がいつのまにか明け、夏がやって来ていた。
その日僕らは客をもてなす為、食材を買い出しに行き、薪を割り、客室を掃除した。暑い日だった。
じっとしていても汗ばむほどだった。

寺島吾郎と長谷川杏子が着いたのは午前11時を回った頃だった。黄色いスポーツカーだった。
「あら、早すぎたかしら?チェックインは何時だったかしら?」助手席から降りた杏子が言った。
「寺島様ですね、大丈夫ですよ。ほかのお客様もいませんし、これから昼食のご用意もできますので」僕は言った。
「翠さん、お客様見えました!」キッチンでパンを焼いていた翠に声を掛けた。

翠がエプロンで手を拭きながら奥から出てきた。
この時、僕はなんとも言えない嫌な気持ちがしたのを覚えている。「いらっしゃいませ!オーナーの清川と申します。お待ちしておりました」
翠はふたりに挨拶すると部屋へ案内した。

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