ビートたけしと広葉樹


2月27日のニュースキャスター7 daysという番組の若者の転職というコーナーで、林業が紹介された。
内容は、熱海市の熱海キコリーズや東京チェンソーズを出て独立した山武師など、若者たちの色々な生き方やコメントが紹介されていてVTRとしては良かったなと思う。

良くなかったのは、VTRが終わった後の、ビートたけしのコメント。
「花粉症になるんだから、針葉樹は伐って広葉樹を植えた方がいい」
「日本の農業政策は間違ってる」
というトンチンカンな発言が出たのだ。他のコメンテーターが「だから若者が変えていくんですよね」とフォローするも同じような言葉を繰り返し、そのコーナーは終わってしまった。

まあ、針葉樹よりも広葉樹のほうが良いイメージを持つ人は実際のところ多いと思う。花粉症は言わずもがな、「手入れされてない森林が荒廃している」という多方からのネガティブキャンペーンで針葉樹はその暗い立ち位置を不動のものにしている。



でも、広葉樹だって手入れしていないと大きくなりすぎて困るし、いわゆる「どんぐりを植えよう」って言っても照葉樹だとやっぱり森は暗いままだし、ナラ枯れは使わないから大発生しているところもあるし…広葉樹だって荒廃しているところは全国に沢山あるのではと思う(特に人里に近い場所)。

森林には「多面的機能」と言って、土砂災害防止から二酸化炭素吸収まで超マルチな能力があるわけで、でもそれは手入れをしていかないと十分に発揮されないのは針葉樹も広葉樹も同じ(もちろん、「手入れ」の形が場所や森林の成り立ちから違ってくる)。それなのに針葉樹ばかり悪者にするって、個人的には意味がわからない。

一定の影響力のある人が、イメージだけで一側面だけを発信するのはよくあることなんだろうけど、さすがにちょっと残念な気持ちになったので、だからこそ私たちのようなポジションの人が少しでも発信していかないといけないなと思ってこれを書きました。続けられるといいな←小声。

しかし一般の人は、森林とか林業でどういうテーマを知りたいものなのかな……



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