「菅政権CV対策の根本欠陥とCV禍克服の本道」

9月3日、菅首相が次期総裁選には出馬しないと自民党の臨時役員会で言明したことにより、菅政権は菅首相の任期一杯の1年で終了することになりました。菅首相降板の最大の理由はCV(Corona Virus、コロナウィルス)対策の不人気であり、CV対策の失敗にあったと思います。以下では菅政権のCV対策の根本欠陥を明らかにし、合わせて、CV禍克服の本道について私見を述べることにします。

菅首相は、9月3日、9月29日に投開票される自民党総裁選に出馬しない意向を明らかにした。その結果、菅政権は退陣することになる。何がその原因だったのか。

1. 成果を挙げた菅政権だったが・・。
菅政権は、1年間の寿命だったが、1年という政権としては短い期間に、多くの政策を推進し、いくつも重要な成果を残した。大きい政策としては、2050年にカーボンニュートラル(温暖化ガス実質排出ゼロ)を達成すると国際公約をし、そのために、多面的に政策を定め、法制化を実行し、制度の改革を行った。またDXを進めるために政府の主要機関としてデジタル庁を発足させた。民間人も登用し500人体制の新しい組織を発足させるのためには莫大な行政努力が必要だったが、菅首相の指導力でそれが達成された。

その他にも生活者目線で、多くの政策が実行・実現された。たとえば、携帯電話料金の引き下げ、社会保障財政を支える一助として一定以上の所得のある高齢者の医療費負担を2割に引き上げ、不妊治療の保険適用など、多くが実現した。

これだけの実績を挙げた菅政権がなぜ降板しなくてはならなかったのか?菅首相の国民へのアピール力不足を指摘する向きもあるが、最大の理由はコロナウィルス感染対策の失敗だろう。国民のほとんどは専門家ではないが、菅政権のコロナ対策が機能していないことを直感した。

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