限界集落の“主観的”課題について。

とてもシンパシーを感じた出会い

先日、友人からの紹介で、ある大学の教授とお会いしました。
その方は研究内容が「地域の看取り」と「個人の看取り」ということで。

「まちの終活」つまり「地域の看取り」を考えたい私としては、
『シンパシーーーーーー!』ってなりました。笑

今回は、実際にお会いした時に感じたことを、書いてみようと思います。



「地方は医師不足」というイメージ

現在起きている“医師不足”。

「医師が不足している地域というのは、往々にして人口の少ない地域」というイメージ、ありますよね。
わたしもあります。

ここで、神奈川県の医療資源を見て見ますとね。


人口規模が大きいので、医療機関や医師・看護師等の総数(絶 対数)は当然多いです。
◆人口: 約915万人 (全国2位)
◆病院の施設数(総数): 341病院 (全国7位)
◆病院病床数(総数): 73,964床 (全国5位) (精神病床等含む)
◆医療施設従事医師数(総数): 18,784人(全国3位)
◆就業看護師数(総数): 62,794人 (全国3位) 実数は、第7次保健医療計画改正素案(H29.12)

しかし、人口10万人あたりの医療資源で見ると、、、
◆病院の施設数(人口10万人あたり): 3.7病院(H27) (全国47位)
◆病院病床数(人口10万人あたり): 810.5床(H27) (精神病床等含む) (全国47位)
◆医療施設従事医師数(人口10万人あたり): 205.4人(H28) (全国39位)
◆就業看護師数(人口10万人あたり): 686.6人(H28) (全国45位)

http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/915592.pdf


医療施設従事医師数、全国39位。ですって。

“医師不足”という現状は、人口の少ない場所にも、多い場所にもあるんです。
ではなぜ、「医師不足は、人口の少ない地域で起きている」というイメージがあるのか。

これは、「客観的な医師不足」ではなく「主観的な”医師不足感”」が強いからではないかと思います。


今解決するべき課題は”医師不足感”を軽減することなのでは?

「近くにお医者さんがいない不安」「すぐに頼れる人がいない不安」

という”医師不足感”が強いと、当然、地域住民さんは安心して生活ができるとは言いがたい。

そう考えると、今解決するべき課題はただ単に”医師不足”を解消すること(医師の絶対数を増やすこと)だけではなくて、”医師不足感”(いかに医療への不安を軽減し、安心感・満足感を上げるか)の解消もだなぁ。と、考えさせられました。


限界集落も・・・?

限界集落における課題にも、「客観的課題」と、「主観的課題」があると思うんです。

「限界集落に課題があると言っているのは、実は都市部の人たちだったりしない?」
先日お話しした教授にこんな質問を向けられて、ハッとしました。
これが、「客観的課題」。

つまり、地方交付税やライフラインの確保、除雪にかかる費用など、地方での暮らしを成り立たせるための国の負担がどれほどか、ということ。


そしてこれを解決する必要があるとして、「撤退の農村計画」や
「消滅可能性都市」が提示されたり
https://kotobank.jp/word/消滅可能性都市-1813101

コンパクトシティ化が謳われたりしている現状があります。


しかし。

集落に住んでいる人々は課題を感じているのか?ということを考えたとき、過疎化の渦中にいる当事者たちは、「語れない」し、「語らない」という現実があるように感じます。

「語れない」のは、地域が過疎化していて、そしていずれなくなることを言語化してしまうことへの「ためらい」。
「語らない」のは、語ったところで誰がどうしてくれるわけでもないという「諦め」。

そうして、「主観的課題」としての課題"感"は薄れていく。

限界集落における「客観的課題」は何年も前から提示されて時間が経つばかり。
「主観的課題」はためらいと諦めで覆われてしまっている。
双方からのアプローチが頓挫している現状があります。


人知れず、止むを得ず、徐々に地方での暮らしが縮小していくことも、成立はする。
日本人はそれを取り沙汰さず、あいまいにして、見守る性質を持っていると思う。

・日本人が曖昧な表現を好む理由を心理学者が分析
「日本人が曖昧な表現を好むもう1つの理由に、相手との議論を避けたいという心理があります。議論をすると勝敗がついてしまいますよね。それでは周囲の人とのあいだに、摩擦が生まれてしまうかもしれません。そこであえてぼやけた表現を使うことで、他人との議論を避けてきたのでしょう。日本人に議論を避ける傾向があることは、日米の比較テストでも証明されています」
https://www.google.co.jp/amp/s/www.excite.co.jp/news/article-amp/Goowatch_f2c71208cc2edb0a99636a0e71d61986/



でも。だからこそ。

より良い課題解決に向けて、きちんと向き合いたい。

地域の支え手の絶対数を増やすだけではなく、いかに過疎への不安を軽減し、安心感・満足感を上げるか。
誰も触れようとしない、触れてはいけないと思われるような話題だからこそ、私は敢えて"ヨソの人間"として何かをしたい。

です!

次回は
「ワークショップと言う名の第一歩を踏み出しました。(後編)」をお送りします!(だいぶ時間が経ってますが、、、優しく見守って下さいね。)

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