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自分の自他境界が薄いって話

私の困りごとの一つに、オートで感情移入してしまうというものがある。例えしたくなくても感情移入してしまう。

昔は今ほどひどくはなかった。漫画や小説やゲームに出てくる好きな登場人物の、喜びも悲しみも怒りも寂しさも快楽も苦痛さえも、その想いの全てを理解したいという思いが始まりだった。
そうして、もしそこにいるのが自分だったらと、登場人物の立場を自分に置き換えて想像して、意識的に自分の心を登場人物の心に寄せていた。
おかげでかなり深く登場人物の心情に同調できるようになったと思う。作品の世界にのめり込めるようになったしより楽しめるようになっている。

ただしその副作用として、自分と他人の感情が混ざりやすくなってしまった。
スイッチの切り替えが出来ず、常にスキルが発動しているような状態。
何でも自分のことのように捉えすぎて、必要ないときまで自分事にしてしまうようになって。

すぐ誰かの言うことに影響されるし、すぐ悲しくなるし怒りたくなるし落ち込むし、容易く自他の境界線が融けるというか、自分の感情に他人の感情がオーバーラップするというかそんな感覚。
望まない時まで簡単に他人と混ざり、影響されてしまうのはなかなか困る。せめてオンオフが出来ればいいのだけど。

これへの対処法は一応あると言えばある。
今すぐどうにかしたい場合は、私と対象が別個体であることを意識しながら「私と○○さんは違う人間だ」と何度も繰り返し唱えて言い聞かせれば、一体化した感情をどうにか分離させることが出来る。少しは気持ちが落ち着く。
それと数週間〜数ヶ月単位で対象から離れて時間を置けば徐々に私本来の考えに戻ってくる。形状記憶合金みたいだなと思うし、または消化を終えたとも考えられる。
完全には戻らない時もあるにはあるけど、「いや、やっぱり私はこう思う」と自分の考えや感情を取り戻せたと思った時、安堵する。

他人に共感出来ること自体は武器になり得るのであまり消そうとは思わないが、今の私には諸刃の剣になってしまっているので難しいね。

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