#10 膝の上の一番座りやすいところ

仕事柄、絵本の読み聞かせをする機会がよくあり、普通に見やすい高さで絵本を持って読み始める時もあれば、膝の上にちょこんと座りに来て、読み始めることもあったり。みんな持ってくる本は違うのだけど持ってくる本は定番のものがあるらしい。あるときは「ぴよちゃんのかくれんぼ」だったり「おもちゃのチャチャチャ」だったり、「大きなかぶ」だったり。昨日も一昨日も読んだであろう絵本を読むのだけど、きっと昨日と今日で感じ方が違うのか、その集中力とやらは見習わないといけないわと感心させられる。時に私の左膝と右膝に別々のお尻が乗っかってくることがあり、それぞれが膝の上の絶妙なポジションをよいしょよいしょと懸命に探している様子が何だか面白い。お尻とお尻が定まらず何度も座り直すんだけど、なかなか良い場所が見つからないかんじ。そしてやっと収まり良い場所が見つかった時、そのお尻は何だか嬉しそう。
両腕をいつもより大きく広げて読む「ぴよちゃんのかくれんぼ」。そこには動物が色々と出てくるので、その動物になったつもりで声を出す。豚が出てきたタイミングでフガフガと鼻を鳴らしてみる。その音が聞こえるとニヤニヤ嬉しそう。ケラケラ笑ってくれるその反応に手応えを感じながら今日も、明日もきっと鼻をフガフガ鳴らして、ぴよちゃんのかくれんぼ」を読むであろう私。