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TPO

【2020/10/25】

「なぜ金髪で小学校に行ってはいけないのか」という意見を見ました。

個人的には金髪でもピアスでもタトゥーでも舌ピアスでも全身タイツでも、やりたきゃやれば良いと思います。子ども本人が「これこそ学校で勉強を教わるのに最もふさわしいファッションだ!」と思うのであれば、好きなようにすれば良いんじゃないでしょうか。

結婚式に新婦より豪華な純白のドレスで出席するのも、葬式の場に真っ赤なスパンコールのタキシードで参列するのも、法に触れる行為ではありません。

もしブリーチが子どもの意志ではなく親の意志なら、やわらかい頭皮を薬剤でいためる行為は児童虐待とも言えるので全力で止めてあげた方が良いですが、本当に子どもがそのヘアスタイルを望んでいるのなら他人のお子さんですし、別に良いんじゃないでしょうか。結果、それで損をするのはその子本人だけなので。他所の子のファッションセンスに口を出してわざわざ嫌われる必要はありませんし、本当に賢い子どもは失敗した経験からも学べます。

TPOを考えてその場に相応しい服装を選ぶことが出来る大半の大人は、「うわぁ」と思う、ただそれだけの事。

好きなように生きて、とことん顰蹙を買うのも勉強です。

☆☆☆

既存のルールに疑問を持つことは良いことです。実はわたしも、なぜほとんどの学校に校則があるのか、なぜみんな同じ制服を着なければならないのかと疑問に思い、その理由をたくさん考え、自分なりに色々と調べてきました。

そして分かったのは、

世の中には「校則のない学校」や、「校則はあっても、その内容決めや運営を生徒自身がやっている学校」がもう既にたくさん存在しているということと、

またそれらの学校の子どもたちは始業のチャイムがなくても5分前には席につき、先生にあてられなくても積極的にプレゼンやディベートができ、制服がなくても学校に似合う動きやすい私服を適宜コーディネイトして、自由に着こなすことが出来ていた、ということです。

つまりわたしが学校のルールに疑問を感じていたころ(10年ほど前)大人の指導がなくても大丈夫だと判断された一部の学校の子どもたちは、もうとっくに大人たちから安心して、子ども自身による自治を任されていたのですね。

裏を返せば校則の厳しい学校の生徒というのは、残念ながらまだ「そんなこと、子どもに任せたらどうなるか分からない」と思われている(信用されていない)段階だ、と言うことになります。要は、こいつらは厳しく服装指導をしないと、どこかの葬式に真っ赤なスパンコール着ていっちゃうかも知れないと思われているって事ですよ。ですから、大人から信頼されていない子どもたちが校則を守らずに済む方法は、「私たちはもう自分たちに何が必要で何が不必要なのか考えて動くことができるほど成長しました。大人から与えられた校則などなくても、学生として、またひとりの社会人として立派な行動ができます。」という本気の姿勢を、学校全体で団結して見せることしかないのです。

登校時間を守れなかったり、制服をだらしなく着崩したり、授業を妨害してお喋りしたり、飲酒喫煙をしたり、そんな学生がいくら「校則を守りたくない!!!」と言っても、そんな簡単な規範すら守れない子どもが社会のルールを守れるはずがないと思われるだけでしょう。しかし全校生徒がきちんと規則を守った上で全員が一斉にこれはおかしいのでは?と言えば、どれどれ、大人も話を聞いてみようじゃないか…となるのではないでしょうか。

実際、自由な校風の学校は(民間の大人主導で学校改革がされたものも多々ありますが)、その多くは先輩たちの代がそうやって議論をし、生徒会主導でアンケート調査をして制服をなくしたり、話し合ってルールを変えてきた歴史があるそうです。

「この男女別の制服はもう時代遅れだよね?」とか、「生まれつきの髪色を黒く染めさせるのは人権侵害では?」とか、「教師による下着の色チェックはパワハラやセクハラにあたるのでは?」とか、学校にはまだまだ変えていかなければならないおかしなルールがたくさんあります。しかし、声をあげ、おかしいものをおかしいと言い、意見を通したいからと言って、勝手に自分ひとりだけ校則を破ってドヤる、というのは、パフォーマンスとしてあまりにも幼稚。

自由と自分勝手を勘違いし、周囲に迷惑をかけ、傍若無人にふるまい、我儘を押し通すだけのクソガキのままでは、議論のテーブルにすらつくことは出来ません。

あれは嫌だ!これも嫌だ!!と幼い子どものまま駄々をこねて我儘を通すか、それともやることはやった上で理路整然と問題点を述べ対等に議論をして社会を変えてゆくのか、そのどちらを選択するのも自由ですが、社会に意見をしたければ、子どもという立場に甘えず、こちらも大人になりましょう。

もちろんその際には舐められないように、ある程度、TPOをわきまえた身なりをすることも大事かもしれません。


春名風花

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