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令和5年決算特別委員会 福祉費 ユニバーサルデザインのまちづくりについて 

本日は決算特別委員会の福祉費の款で、ユニバーサルデザイン、合理的配慮の提供、心のバリアフリー、フラッシュライトの火災報知器などについて質問しました。

※一部原稿は変えている所もあります。

決算特別委員会 福祉費 ユニバーサルデザインのまちづくりについて  2023/10/2立憲民主党大田区議団の平野春望です。

歳入歳出決算概要説明書の191ページ、福祉費のユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業に関連していくつか質問させて頂きます。
この議場の皆様には釈迦に説法で、冗長な説明もあるかもしれませんが、お付き合い頂ければ幸いです。
ユニバーサルデザインとは、こども、成人、お年寄り、障がい者、外国人など、全ての人に、みんなに優しいデザインという意味です。

区では平成23年3月「おおたユニバーサルデザインのまちづくり基本方針」を策定し、その基本方針で、「やさしさが広がり、だれもが安心して快適にすごせるまち おおた」掲げて、目指してきたと認識しています。

令和3年の障害者差別解消法の改正により、いよいよ来年の令和6年(2024年)4月1日から民間事業者による障害者への合理的配慮の提供が努力義務から義務化になります。東京都ではH30年10月「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」で義務化されており、大田区でも、もう既に様々進めていると認識していまが、より一層、合理的配慮の提供が進むと考えています。

合理的配慮の提供とは、簡単な言葉で言えば、障害のある人が障がいのない人と同じように行動したりサービスの提供を受けたりすることができるように、周りの人が過度の負担にならない範囲で、それぞれの違いに応じた対応をすること、をいいます。

また合理的配慮の提供に当たっては、障がいのある人と事業者等の間で、「建設的対話」を通じて相互理解を深め、ともに対応案を検討していくことが重要です。

分かりずらいと思いますので、具体例でいうと、
他えば、
・車いすの方が、飲食店で車いすのままで食事をしたい、という申し出があった時に、机に備え付けの椅子を片づけて、車椅子のままで着席できるようにする。
・難聴であるために筆談によるコミュニケーションを希望したが、弱視でもあるために、細いペンや小さな文字では読みずらかった時、太いペンで大きな文字を書いて筆談した。
・学習障害で文字の読み書きに時間がかかるため、セミナーの参加中にホワイトボードを最後まで書き写すことが出来ないとき、書き写す代わりにスマートフォン、タブレット端末などでホワイトボードを撮影することが出来るようにした。

といったような事例が上げられます。
これらは、「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」という内閣府のリーフレットから参考にさせて頂きました。私もまだまだ勉強中ですが、皆さんと一緒に学んでいけたらと思います。
また内閣府のHPでも「合理的配慮の提供等事例集」が確認できるので、ご興味がある方はぜひ参考にして頂きたいと思います。

そして少し前ですが2019年に会派視察で言った明石市の取組を紹介したいと思います。明石市では民間事業者に「合理的配慮の提供支援に係る公的助成制度」を平成28年度に創設。筆談ボード、折りたたみスロープ、手すりの取り付けなど、それぞれ上限額5万円、10万円、20万円として、係る費用を業者に直接払うようにしており、一時的にでも商店や団体などが費用負担なしに助成制度が使えるようにしていました。また担当者の方が地道にお店を一軒一軒回って、この制度の広報をしているというお話を聞きました。
またこういった助成制度を利用したお店の一覧をHPに載せています。
そして、この助成制度を利用したお店や、合理的配慮の提供を提供しているお店に、「筆談ボードあります。点字メニューあります。スロープあります。」のようなステッカーを配布して障がいのある人がお店を利用しやすくなる工夫をされていました。

大田区でもこういった取組が参考になるのではないと思います。そこで伺います。
① 民間事業者による障害者への合理的配慮が義務化されることに関して、今後より一層の取組をお願いしたいが、区の現状と今後の取組についてお答えください。

次に区では「おおたユニバーサルデザインのまちづくり基本方針」において、具体的な方向性を定めたアクションプランを策定して、これを基に具体的なユニバーサルデザインのまちづくりの取り組みを推進していると認識しています。

2025年デフリンピック東京大会を契機に、区内の様々の場所でのまちづくりがさらに加速すると認識していますし、その動きを後押ししていきたいと思います。

先日、区内の聴覚障がい者団体から頂いた要望の一つに、区の施設にフラッシュライトによる火災報知器の設置を求める要望がありました。
② そこで伺います。現在、区の施設の「見てわかる火災警報装置」の設置状況についてお答えください。

③ この「見てわかる火災警報装置」ですが、田園調布せせらぎ館やカムカム新蒲田など比較的新しい施設には設置されていると思いますが、古い施設に関しても、障がい当事者のご意見を頂きながら、設置を加速して頂きたいと考えますが、いかがでしょうか。

「みてわかる火災警報装置」については、今年の8月にはデフリンピックの会場になる大田総合体育館に、聴覚障害者の防災訓練があった時に参加された方が確認されたところ無かったそうです。こういった場所にも必要ではないかと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

次に、ユニバーサルデザインのまちづくりは、ハード面だけでなくソフト面も重要だと考えます。
2020東京オリンピックパラリンピックも一つの契機として、「心のバリアフリー」が推進されるようになりました。心のバリアフリーとは、「様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことです」

心のバリアフリーを体現するポイントとして
1, 障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという
「障害の社会モデル」を理解すること。
 
2, 障害のある人(及びその家族)への差別
(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないよう徹底すること。
 
3,自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、
すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと

という3点が挙げられています。
そこで伺います。
④ 大田区では「心のバリアフリー」の理解促進を図るためにどのような取り組みがあるのでしょうか?

子ども時代の障がいに対する理解学習は非常に重要だと考えます。令和4年度の総合的な学習時間における障がい理解学習した学校は小学校27校、中学校3校と聞いております。
もちろん学校毎に選択する自由はありますし、学校の総合的な学習の時間は限られていると思いますが、ぜひ大田区立小中学校の全校で行って欲しいと思いました。こういった障害に対する授業を小さな子どもの頃に体験するからこそ、自然に手を差し伸べたり、障がいへの理解がある大人になるのではないかと考えます。

先ほどのご答弁にあった心のバリアフリーハンドブックですが、

⑤ 現在、「心のバリアフリーハンドブック」を区立小中学校に配布していると聞いております。この冊子に関して、最後の改訂がH29年だが、そろそろ改訂する必要があるのではないかと考えます。区の見解を伺います。

この改訂の内容見直しに合わせてですが、
⑥ 近年増加している発達障がいについて、見た目で分かりにくい障がいですし、理解を促すためにも、独立して「発達障がい」のページを加えてはいかがかと考えるが、区の見解を伺う。

現在、地域におけるユニバーサルデザイン実践講座があり、障害当事者等による、講話や障がい体験及び支援の体験を通して、障がいに対する理解を深めていると聞いている。令和4年度は対象が民生児童委員向けということでしたが、このような講座を一般区民に向けても開催することによって、より障がいに対する理解を地域や区民に広く伝えることが出来ると考えます。

⑦ 一般の区民に対してもこのような実践講座があると、より障がいに対する理解が深まると考えますが、一般区民向けの実践講座を開催することに関して、区の見解を伺います。

街や社会を変えるためには、お互いがどんなことに困っているか、知ることが大事です。そのためにお互いの不自由なことを、出来ないこと、困っていることを理解できるように、心のバリアフリーハンドブックのようなわかり易く説明しているパンフレットやHPやSNSなど様々な媒体で伝えていくこと、また実践講座などで実際に体験して理解することが重要だと考えます。そしてそれぞれが「できることをする」ことが必要です。

これからも大田区に住む人、誰もが、快適で過ごしやすい街になる為の施策がより一層進むことを求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。

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