いわゆる燕返しの変化図 (連珠世界2024/1 変化図)

経緯

図1:元の手順
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2024年1月号の連珠世界に図1の局面が参考譜として掲載されている。
Katago (Katagomo) によるとかなり一本道に近い展開らしい。白28のような突飛な手や、途中出てくる詰み筋・防ぎ手は実戦では思いつきづらいもの多数であり面白い。
しかし、白42までで右辺の黒の働きが弱いにしても、白石の大半は上辺にあるからこれも働いていない。そういった事情でも本当に白がいいのか疑問に思える。このあたりの局面の原理は深く調べてもよいのではないかと思い、改めて周辺を調査した。

結論:図1を経由せず白が勝てる

図2:実は白勝ちの筋だった

最初に目指していた方向性とは異なるが、図1における黒21に対しては、図1とは異なるルートで明確に勝てることがわかった。具体的には図3の通り、図1の白24を代えて右隣に打つ。図1の白24と比較すると左方向に影響を与える白石数が減るため直感的に良い手とは思えないが、右辺に黒の攻め筋を与えないための工夫のようだ。

図3: 詰み筋の例
h8h9j9g8i9i10f7j10k10g10g11i11h10j8k9i12k12i13i14k11j11j13f9l13k13f13f12e13f6g13h13d13c13e12f11e10e14e9e11f14h12k14

補足


黒の戦力の増大を気にするのであれば、そもそも図3の白24に代えて26(F13)に打つ方が黒石数が少ないから確実に見通しがよくなるのが通常だろう。それもあって白24はソフトらしい無駄手に見えてしまう。しかし、白24を F13 に代えても勝ち負けは変わらないだろうが、どうも黒が粘れる手数が大きく伸びてしまうようだ。
この構造としては、元の白24であれば無理やり暴れようとする際に黒25によって生じる三三禁の筋の兼ね合いで黒が暴れる筋を制限できるようだ。したがって、黒25が黒にとって得ではなく、むしろ邪魔になるから黒が最後に暴れる余地を最小限に抑えて、これによって黒が早々に手詰まりになる構造のようだ。実戦ではまず思いつかないトリックだと感じた。



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