世界中で愛される曲「SUKIYAKI」

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「上を向いて歩こう(英題:Sukiyaki)」は1961年に発表された坂本九の楽曲である。この曲は海外でも発表され、アメリカではビルボード誌のシングルチャート(Hot100)で一位を獲得する大ヒットとなった。ちなみにBTSの「Love yourself 轉 Tear」がリリースされるまでアジア圏のアーティストがビルボード誌の週間アルバムチャートで1位を獲得したことはなかった。また、日本以外のアジア圏のアーティストがビルボード誌のシングルチャートで1位を獲得したことはいまだにない(PSY(カンナムスタイル)の二位が最高)ので、「上を向いて歩こう」はアジア圏でシングルチャートで一位を獲得した唯一の曲ということになる。

 この曲は1961年8月19日、NHKのテレビ番組「夢であいましょう」でテレビ初披露された。この番組において1961年10月と11月の“今月のうた”として発表され、同年10月15日にレコードが発売されると、「ミュージック・ライフ」誌に掲載されていた国内盤のレコード売上げランキングで1961年11月から1962年1月まで3ヶ月にわたり1位を獲得するなど、爆発的ヒットを記録した。しかし、当時不良の音楽とされていたロカビリー出身の九の独特な歌いまわしが、当時の保守的な日本の歌謡界においてはあまり受け入れられず、評価もあまり高くなかった。日本レコード大賞にも選ばれていない。

 しかしこの曲は、当時の海外のアーティストに何回かカバーされ、中でも1962年にイギリスの「ディキシーランド・ジャズ」のトランぺッターであるケニー・ボールが彼のバンドでインスト曲として演奏し、「SUKIYAKI」というタイトルで発売、全英チャートで1位を獲得するヒットとなった。この曲はアメリカではヒットとならなかったが、アメリカのワシントン州パスコのラジオDJリッチ・オズボーンが偶然坂本九のレコードを入手し、ラジオ番組で「SUKIYAKI」として紹介すると、ラジオ局に問い合わせが発表した。そして1963年5月3日に「SUKIYAKI」が発売されると、5月11付けHot100で71位に登場後、79位→45位→20位→10位→2位と順位を上げ、ついに6月15日に1位を獲得、その後3週間にわたって1位を保持し続けた。2013年11月に英BBC電子番で「世界を変えた20曲」が掲載されると、「風に吹かれて(ボブ・ディラン)」、「イマジン(ジョン・レノン)」と並んで「SUKIYAKI」が選ばれた。いまだに「SUKIYAKI」は世界中で愛されている。