[原文]鬼は居ないが、冒険(たび)は続くよどこまでも。
カーテンの隙間から、そっと陽の光が覗き込んでくる月曜の朝。
僕は眠い目を擦りながら、
鏡の前で昨晩見た夢のことを思い返していた。
誰も知らない桃太郎の物語
むかし、むかし、ある所に一人の男が住んでいました。
仲間と協力して鬼に立ち向かう勇気と優しさを持った子に育ってほしいと、両親から「桃太郎」と名付けられました。
無論、桃から生まれたわけでも鬼を退治しにいくわけでもありません。
生まれた時から身体が弱く、幼い頃は車椅子での生活を送るなど、皆が知っている桃太郎とは似ても似つかないような男でした。
思春期になると、家庭の事情が原因ですっかり塞ぎ込み、声をかけてくれる大人に対しては冷たい態度をとる、ちょっとした問題児に。
しかし、そんな桃太郎も年を重ねるに連れ、少しずつ人を助けられるカッコ良い大人に成長していきます。
そして最後には、これまで出会った素敵な仲間たちに囲まれ、いつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ・・
人生のどん底から救ってくれたカッコ良い大人たち
時は遡り、中学時代。
僕は精神的な問題が理由で教室に通えない時期がありました。
この頃は、まさに人生のどん底です。
学校に行ったとしても別室登校、友達は一人もいませんでした。
ちょうどその頃、反抗期が重なり、周りの大人がどんな慰めの言葉をかけてくれてもネガティブに返したり、そんな大人に対してきつい口調をきいたりと、今思えば誰も関わりたくないと思うような振る舞いをしていたと思います。
しかし、偶然にも僕には、
そういう時期でも、ひたすら向き合ってくれる大人たちがいました。
彼らはしつこく話を聞いてくれて、僕がどんなことを言っても絶対に見捨てなかった。
たまに感情的になって相手が泣いたり怒ったりすることもあったけれど、それでも関わることをやめずに気長に待ってくれる大人がたくさんいました。
幼馴染のお母さんは、夜中に僕が苦しんでいることを知って、ドライブに連れて行き、夜の沖縄の海沿いで波の音を聞きながら、ずっと話をきいてくれました。
そんな、僕と向き合ってくれるカッコ良い大人が僕の周りにはたくさんいたことで、僕は救われました。
それは高校生になってからも同じです。
中学生の頃は周りの大人たちに救われ、高校では一緒に水耕栽培に励んだ生物同好会の仲間たちが、まさに僕にとってのカッコ良い大人像でした。
“ライティング”という名のきび団子
同時期、中学の頃。
心療内科の先生に日記を書くことを勧められたことをきっかけに、僕は書きたいことを書きたいように書くことを始めました。
当時ハマっていた推理小説の影響を受け、自分で書いた思いつきのプロットが学校のお知らせプリントの裏を黒くしていたことを懐かしく思います。(笑)
あれから時は流れ、今はもう21歳になりました。
今の僕にとって書くことは、中学の時から今日まで続けてしまえたことであり、30年後もニヤニヤしながら続けていられるんだろうと思えること。僕の人生とは切っても切り離せないものとなっています。
そんな僕が始めたパーソナルライティング事業。
対話と執筆により、お客様の内省と継続発信をサポートするサービスです。
社会で活躍するビジネスパーソンの方を中心に、順調に利用者の方が増え、満足いただけるものへと成長中です。
2021年11月に実施したクラウドファンディングでは、多くの方々からご支援を受け、無事に目標金額を達成することができました。
ご協力いただいた皆様には、改めて感謝申し上げます。
中学の頃、真っ直ぐ向き合い救ってくれたカッコ良い大人たちの「かむかふ」姿。
その姿は今、僕のライター業に活きています。
(※「かむかふ」とは簡単に、「信じて向き合う」こと。詳しくはこちらの記事で語っています。)
犬、猿、雉より頼れる仲間との出会い
昨年6月より開始したパーソナルライティング事業。
たくさんの想いの詰まったこの事業は、次なるステージに向け、動き出しています。
僕が対話と執筆を通してお客様と向き合う中で、大切にしていることが、先ほども話した「かむかふ」姿勢。
相手のことを信じ、まっすぐ向き合う。
深く理解することに努める中で、今の自分にはまだ見えないモノを見、感じ取れていないコトを感じるつもりで臨んでいます。
これは元々、友達が多いタイプではなく、少ない友人と深い関係を築くタイプだった僕だからできることです。
自分の強い面も弱い面も全て見せた上で、一生付き合う覚悟で向き合う。
そんな自分の性分に合ったパーソナルなやり方で、僕は一人でも多くの人を喜ばせたい。そして一緒に発信した内容が一人でも多くの人の助けになったら嬉しい。
そんな想いで取り組んできました。
そしてなんと、そんな僕の取り組みに、新しい仲間が増えました。
“後輩ライター”の誕生です。
日本一のきび団子
僕はこのパーソナルライティング事業を通して、たくさんの素敵な大人に出会ってきました。
その中で、遊びとバイトの大学生活では出会うことのないような、違う世界を生きる大人との出会いに可能性を感じていました。
実際に、お客様の見ているものを見ようとし、真に伝えたいことを伝えようとする中で、深い対話を経験し、それによって自身の行動にも影響を受ける。それが、この1年半で僕が気づいたことです。
そこで、僕なりにパーソナルライティングの可能性を活かそうと考え、行き着いた先が、“後輩ライター”の育成でした。
僕が生まれた沖縄や今いる富山の学生は、進学や就職などにおいて、“気軽に話せる大人から得られる情報の差”で不利な立場にあります。
貧困家庭に生まれていればなおさらでしょう。
そういうと、ネットでいくらでも情報は拾えるだろうと思われるかも知れません。
しかし、最初に興味を持ったり、自分にも目指せるところだと信じるきっかけは、やはり顔を知る直接的な関係にあるのではないでしょうか。
そこで、パーソナルライティングは、学生の成長の入り口になるのではないか。
「取材と執筆」という武器を授けることで、地方の若者にこのようなきっかけを与えられる。
これはパーソナルライティング事業の社会的な役割の一つなんじゃないかと考えました。
現在は既に3人もの後輩ライターが「取材と執筆」という武器の習得に向け、日々切磋琢磨してくれています。
そうだ、せっかくなのでこの場を借りて伝えます。
僕の声掛けに応じ、後輩ライターとして頑張ってくれている、みんな。
本当にありがとう。
そしてこのチャンスを、ぜひ掴み取ってほしいな。
終わりなき冒険~仲間と共にどんぶらこ~
僕の取り組むパーソナルライティング事業は、今まさに過渡期を迎えています。
クラウドファンディングの達成を機に、多くのお客様との出会いに恵まれ、後輩ライターからも多くの刺激を受ける日々。
これまでは一人だったパーソナルライティング事業に仲間ができ、これからはソロプレイからチームプレイに変わっていく。
忙しくも、これまでとは違う毎日に、小さな幸せを感じています。
これからはこの取り組みがより広く知られ、応援されること。
それにより、パーソナルライターになりたい若者が増え、僕が経験したような人生を好転させてくれる出会いを増やしていきたいと考えています。
拝啓、これからお客様となってくださる皆様へ
パーソナルライティングとは、まさに「かむかふ」ことです。
お互いを信じ、深く関わることで、何かが変わるきっかけになる。
新しいことを得たり、見たり、感じたり、経験になったりすると信じています。
ライティング以外の分野においても、そこまで深く関わり合った仲だからこそ、お互い支え合い助け合っていきたいと僕は思っています。
僕は一度向き合うと決めた人は、本当に死ぬまで向き合う覚悟でいます。
だから、ドンと来てください!(笑)
まずは、お試しからで構いません。
ぜひたくさんお話を聞かせてください。
そして、よければたくさん聞いてください。(笑)
皆様とのまだ見ぬ出会いと、一緒に笑い合う最高のエンディングを、
心から楽しみにしています!
今日も僕は寝癖を直すことなく、
掛け違えたボタンにも気づかないまま、勢いよく玄関を飛び出すのだった。
「さて、今日はどんな出会いが待っているかな。」
『鬼は居ないが、冒険(たび)は続くよどこまでも。』
パーソナルライター 久高諒也
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