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朱鷺と暮らす郷(さと)

12月。佐渡島では珍しいまだ積雪のない冬。
それでも日本海の厳しい寒さの中、今回もトキロードをひたすら歩きます。

今回のお目当ては「ふゆみずたんぼ」。朱鷺と佐渡島の深い関係と歴史が刻まれた景色を見にきました。

佐渡島のふゆみずたんぼとは、通常水を抜く冬も田んぼに水をはる米づくりのことです。これは、水中生物の土壌に対する働きを高めるとともに、トキや他の生きもののエサ場や越冬場所となります。佐渡島では、トキの餌場確保と生物多様性の米づくりを目的とした「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」の一環として、2007年から「ふゆみずたんぼ」を実践しています。佐渡島の「ふゆみずたんぼ」は、雨や雪が多いため、田んぼ全面に水をはらずにトラクターのわだち跡をつけて水を溜める佐渡オリジナルの方法です。この伝統農法は、雑草を減らし豊かな土壌にする効果もあります。

この取り組みによって作られたお米は「朱鷺と暮らす郷」と名付けられ「トキと共生する佐渡の里山」として「世界農業遺産(GIAHS)」にも認定されています。

トラクターの轍でつくる
「ふゆみずたんぼ」
朱鷺と暮らす郷、佐渡島

また、佐渡島の田んぼのまわりには至る所に松林が。朱鷺が巣を作りやすい松の木を、餌場となる田んぼの近くに置いているのです。朱鷺のためにと佐渡島の人たちが残した努力が、あちこちで根付いています。
トキロードを歩きながら、佐渡島の歴史や文化のひとつを感じていました。

民家と田んぼと松林が共生する佐渡市新穂の景色(写真中央が松林)

佐渡島の景色と歴史を歩く。自然と文化を楽しむ。これも、僕がトキロードを歩き続けている理由のひとつです。

トキロードから見るドンデン山
次の餌場に向けてバタバタと飛んでいく朱鷺。
刺激しないよう、望遠レンズで遠くから撮影。

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