ハルカナタ

詩人、エッセイスト。 ニヒリズムとアンチテーゼで構成されています。

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最近の記事

未来のために今を生きて、未来のために今を殺す

未来のために今を生きている。 勉強、受験、就職、仕事、老後、そのあとの死。 未来のために今を殺している。安穏で安寧な死のために今を殺している。死のために死に続ける。 今を生きて。今を殺さないで。 未来は、君が思っているより、しぶとい。

    • 天国と地獄の証明

      天国と地獄。 ぼくは信じていない。 でも、あったらいいな。とおもってる。 天国にいきたいとおもったら、優しいことしたくなるでしょ。 地獄におちたくないとおもったら、悪いことしなくなるでしょ。 天国と地獄の証明。 だれかしてくれないかな。

      • こっちを見ながら通り過ぎていく毎日

        コレがあるから生きていけるみたいなものはなくて、だからといって死んでしまうわけでもなくて、生きていると死んでいるのあいだを、フワフワと漂っているあいだに毎日がこっちを見ながら通り過ぎていっちゃうものだから、ちょっとあせったりするんだけど、やっぱりコレがあるから生きていけるみたいなものは見つからなくて、気がついたら、マンガのヒロインが死んで涙ぐんだり、犬があごを地面に擦りながら転がり過ぎていく動画を見て笑ったりして、やっぱりキラキラ生きてはいないけど、仄暗く死んでるわけでもなく

        • ぼく以外、全員宇宙人

          ぼくたちは、わかりあえない。 でも、それは当たり前で、みんな、別の宇宙で生まれた宇宙人だから。 この世界で、ひとの言葉を学んだから、言葉はかわせるけど。 でも、それは当たり前で、みんな、別の宇宙で生まれた宇宙人だから。 意思疎通はするけど、心の奥では他人事で、共感とか理解とかそれらしい言葉を使っているけど。 でも、それは当たり前で、みんな、別の宇宙で生まれた宇宙人だから。 わかりあえないんだ。 だって、ぼく以外、全員宇宙人だから。

        未来のために今を生きて、未来のために今を殺す

          気持ち、電気、送信

          君に伝えたいことがあるんだけれど、それは脳の中心ではじけるちっぽけな電気信号で、言葉にするとなんだかスパークしそうで、静電気みたいにぼくの手から君の手へとつたわる想像をする。 愛してるって、言葉にするととたんに薄っぺらくなるけど、ぼくの心臓は、いまも君のために不規則な心電図をつむぎつづける。 誰もいない夜に、空を見あげると、宇宙のトンデモ技術が愛を計算しているみたいに、星々が瞬く。 この気持ち、脳の化学反応が、光の速さでとどくのを願って、ぼくはまた愛を、電気信号を、おく

          気持ち、電気、送信

          最新の愛してるはこちら

          愛してる。 最近は誰に言ったんだろう。って思い出せなくなる。 すごく大切な意味のある言葉なのに雑にささやけてしまうものだから、とても愛おしい言葉。 あした、いや今日でもいい。誰かに愛してると伝えると、最新の愛してるが記録されて、二番目以降の愛してるは、少しずつ輪郭を失って、さらさらと風にのって風になっていくんだ。 愛してる。

          最新の愛してるはこちら

          それでもハンバーグはおいしい

          世界に誰かに君に愛されていなくて、独りぼっちでもファミレスでオーダーすれば店員さんがジュージューと音のするハンバーグを運んでくれて、そこに愛がつまっているかといえばきっと詰まってはいないんだけど、かわりに肉汁とチーズがギューギューにつまっていて、やっぱりアツアツでおいしかったりするもんだから満足しちゃって、あぁぼくが不幸だとおもっていることはこの程度なんだなって、帰ってライブ配信でもみるかってなっちゃうぐらいに、ハンバーグはおいしい。

          それでもハンバーグはおいしい

          正論詐欺師

          ひとを貶した君が、ひとが貶されたのをみて、ひとを貶すなと咎める。 君はとても正しいけれど、間違ってもいる。それでも正論を言わなければならないことには同情するよ。 まぁ、都合のいい人生を生きているようで、残念だねって祝福をしてあげたい。

          正論詐欺師

          ことばの化石

          透明な空とアスファルトの間。 ぼくたちがひび割れる音は、雑音にのまれる。 すれ違う大人は、鈍色の瞳から不協和音を奏で、嗤って通りすぎていく。 かつての透明度を見失い、雑音にまみれて、ぼくたちの音を消していく。 わかってほしい。たったそれだけの言葉が朽ちて。 きづいてほしい。たったそれだけの言葉が腐って。 やさしくしてほしい。たったそれだけの言葉が枯れて。 アスファルトの上にヘドロのように堆積していく。 幾重にも重なりつづけた声は、自重で押しつぶされ、固く硬くかたく。

          ことばの化石

          もう可愛くてどうしようもない

          空虚。苛立ち。絶望。 そんな言葉のすべてが、踏み倒されるぐらいの誰かに出会ったとき、びっくりするほど惨めで恥ずかしい気持ちになります。 結局、自分が可愛いんだろうなぁ。って、改めて自分のことを大嫌いになってしまいそう。 そして、やっぱり嫌いになんてなりきれずに、気がついたら可愛い可愛いして甘やかして、生きづらいとか糖衣でつつんだような言葉で慰め始めたりするんです。 だから、もう死ねないよね。 結局、空虚な自分も苛立つ自分も絶望する自分も可愛くて可愛くてどうしようもない

          もう可愛くてどうしようもない

          君の意見をきかせてよ

          論理的に正しいことを言っていれば傷つかない。反対されたって傷つかない。 だってそこには、君の意見がないから。 物理的に倫理的に摂理的に導きだされる答えと、反対意見がぶつかり合っているだけで、君は傍観者だから。 そして、賢いふりをして冷笑していると、本当にそんなレッテルやタグ付けがされるから、さぞ心地よいですね。 論理も物理も倫理も摂理もどうだっていいんだよ。 ただ、君の意見、きかせてよ。

          君の意見をきかせてよ

          共有して、加速する、車輪

          みんなで非難して、同じ想いを共有して殴りかかる。 悪意のガソリンをくべて、暴力というガスを吐き出し、加速していく。 いま、君たちは一つの輪になって、みんなが繋がっている。 共感の名のもとに。 そして、それを、人は、いじめといいます。

          共有して、加速する、車輪

          要するに世界はクソなんです

          不満や違和感や苛立ちがファッションになって消費されていくし、痛みすらアートになってもてはやされるし、人を見下して笑うやつが賢いみたいになってるし、うわっつらの綺麗事がやたらと共感されてたり、どこまでが現実でどこからがフェイクなのかわからないから、やさしい世界とゴミみたいな世界が隣りあってて、でもそのどちらも愛さないと生きていけないなんて、要するにクソみたいな世界なんですけど、そんな世界がつきぬけて美しいことにイラっとしちゃうんです。

          要するに世界はクソなんです

          価値観が違うんだってさ

          価値観が合わないというほどの確固たる価値観ってあるのかな? いやいや、価値観って言葉が使いやすいだけじゃないかな? ただの違和感じゃないかな? 「なんか違うなー」をかっこよく言葉に表すと価値観いうんじゃないかな? 確固たる価値観があるなら教えてよ。理解する努力はするからさ。 ちゃんと言葉にしてつたえてよ。見合うように努力するからさ。 そのかわり。気分で価値観を変えないでね。 それだけ、価値観が安っぽくなるから。

          価値観が違うんだってさ

          沈む

          怒りに鈍感になる。怒りから目を逸らす。 怒りを表現すると、怒りを否定される。 否定された怒りは、高音を奏で、高熱を発して、あらゆるものを溶かしながら、ゆっくりと、ゆっくりと、沈んでいく。 怒りに鈍感になる。怒りから目をそらす。 忘れ去られた怒りは、暗がりの底で、静かに、冷えかたまり、いまも、佇んでいる。

          終末の空、満天の星

          命は、死んだら星になるという。 だとすれば、戦場の空はかがやく星々で満ちているんじゃないか。 だとすれば、宝石箱のような夜空に望遠鏡をむけるんじゃなくて、祈りを向けて目を閉じるんじゃないか。 だとすれば、世界終末のとき、最後の命が見上げる夜空は、果てしない光でつつまれているんじゃないか。 ぼくたちは、星をなにに染めて、見上げているんだろうか?

          終末の空、満天の星