Skeb テキストリクエスト受付
Skebのさの めつたのページ
テキスト(短編小説など)のリクエストを受け付けています!
2024/10/11価格は3000円
※版権作品の二次創作は受け付けていません
・得意な分野は現代物寄り
関係性の風景
アバウトなテーマ、設定
突飛な話(奇怪な話)
動作描写
一編の文字数 3000字~(予定)
・苦手、技量、能力的にキャンセルする可能性が高いもの
現代物以外 異世界ファンタジー 専門知識が必要な物 独自の壮大な世界観が基になっている物 特殊で複雑なシステムが存在している物
緻密にオリジナルキャラクター像がある人物を描く
(リクエストされた時代、世界観、キャラ設定に完璧に齟齬が無く物語を作る自信がないため)
〈ただ、「これはどうかな」というのも、一回試しに投げていただいたら、書けたら書くかもしれません〉
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/807266239
サンプル Privatter+ https://privatter.me/user/4fuqe (おもに一次創作BL掌篇) pixiv https://www.pixiv.net/users/13544085 アルファポリス https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/807266239
リンクまとめ https://lit.link/8melp
以下 本文のサンプル
一次創作BLのss(ショート・ショート)
「サイダーとホラー」
1900字ほど 俺×そいつ(僕) 貸本兼深夜喫茶で長居する客の要求
古書の貸本屋兼深夜喫茶を営んでいる俺は、自分の趣味で椅子、ソファ、棚を選んでいる。
ビジネス街の雑居ビルの並びのあいだでそこだけぽつんと小さく背の低い、元はうどん屋だった建屋を、ほぼ居抜き状態で始めたのが、少しずつ店内を自分の好みのイメージになるよう変えて、家具を揃えていった。
営業開始から今年で、四年目になる。
経営状況は、貸本業と喫茶を合わせて、うれしいことにまだまだじゅうぶんに続けられるくらいのもので、やりたい展示企画案もいくつかあり、手配を始めている。
常連と呼べる客もいる。でも、何時間も長居していく客はそれほど多くない。そして長居していく客でも大概、せいぜい二時間程度だ。
しかし、四時間以上居る客が一人いる。しかも週三の頻度で。
当初は、ここを仮眠室と勘違いしているんじゃないかと少し思ったが、そいつはいつも過労のビジネスマンにはひとつも見えない風体でやって来て、奥の小上がりの席で、おもに居眠りをしながら、たまに起きて本を読む、という行動でその日の営業終了時刻までいる。
四時間以上という、そこまで長居したら料金だって安くはない。
そう、初めて来たときから、そいつは金払いは悪くない。毎回、飲み物も注文するし、席の固定ができるプレミアム会員にはすぐなるし、『ご好意で』と書いてある「本を買うカンパ箱」にも帰り際に、豪儀に札を置いていく。
今時そんな奴がいるのかわからないが、家が地主とか、金持ちの息子で働かなくてもいい、金が余っているほどの生活をしているのかもしれない。
だけども、そうも見えない風体だ。おそらくカタギではない、とは言えないが、カタギと断言もできない。
今夜も来ている。
半分サンダルのような靴を脱いで小上がりのローソファ席に寝て、しばらくして起き上がり、ポケットに手を突っこみ歩いて棚の間をうろつく。
二十代半ばくらいの、うなじが隠れるほどの明るい色の髪、小顔の、ニットを一枚だらっと着ている日も薄いふわふわとした生地のシャツ姿の日もある。ファッションにはあまり金持ちの道楽息子といったかんじはない。今夜は丸襟の派手なミントカラーのシャツにカーディガンを羽織っている。
営業終了時刻まで一時間を切って、店内に人がいなくなる。
ぐるっと店内を回ってきたそいつは
「前から思ってたけどさあ」
初めて来たときから、かなり馴れ馴れしい態度で絡んでくる。プレミアム会員というシステムもこの男が「このソファ、僕専用に予約させてくんない?」と言ってきたから、できたものだ。現在この男しかプレミアム会員はいない。
「この店、趣味良いから、来てんだけど、……」
棚から壁へ、ゆっくりと視線を移し、そいつは言った。
店についての褒め言葉は何人もの常連客からいただいているが、なんとなく、この男に言われると、四年目にして、何かが実った気がした。
謎の喜びの気持ちが顔に出ないようにして「ありがとうございます」とカウンターの俺は返した。
そいつはよいしょ、とカウンター近くの椅子に腰かけて、番台の板に両腕をおいて頬杖をついて気怠そうに手のひらに顎をのせ、言った。
「メニューに、サイダー追加してよっていうより僕のプレミアムにサイダー、入れて」
俺は飲み物メニュー一覧に目をやってコーラがあるのは確認して、顔を上げた。
ここで即答はできない。
「……わかりました。検討してみます」
言うと、男はちゃんちゃらおかしいとでもいうふうに笑う顔になり
「僕しかいないんだから……用意しといてって言ってんの」
少し、むうと頬をふくらませるような顔をして声は低く凄んで、それからまた、気怠そうな表情にもどった。
ふらっと立ち上がり、「会計」と言った。
払い終えても、今夜はすぐに出ていかなかった。
何か考えているみたいにぼやっと天井に目線を向けるようなかんじでしばらく突っ立ち
「あと……」と言い、「ホラー」と続けた。
「置いてよ」
かすかに笑ったあと、男はぼそっと、誰かの名前をつぶやいた。
ホラー作家の名前かと思って、俺は一度聞き返した。今度は、はっきりと男はその名前を言った。俺はメモをとる。
「よろしく」
最後に男はひとこと残し、店を出ていく。
とりあえず、サイダーか、と俺は仕入れについて調べようとして、どこのメーカーのサイダーが一番好みなのだろうと店の出入り口のガラス戸の向こう、深夜の静まった路地を見つめた。
一次創作のss(ショート・ショート) タイトルを韻踏みシリーズ
「よるまい、とむらい」
1000字ほど 不思議な話。川を流れる小舟の上で
玖乃歩の目の前をはらはらと薄い色の花びらが舞っていった。どこからか、舞う花びらの行方を、ふたつの瞳が追うのを見ていた。
向かいに座って、小舟は川を静かに流れ下りていく。
川の緩慢な流れに浮かぶ小舟はどこに行くか、わからず、あたりは暗かったが川の両側の山と岩の斜面はふしぎとはっきりと見えた。川面がうすぼんやりと白く光っているせいだ。反射するような光は射していないのに。真っ暗な闇の空のしたで、小舟はゆっくりと漂い、流れに任せて下る。
風もなく、斜面には繁った木木だけで何の花も咲いてなかったが、薄い色の花びらがまた顔の前を舞い、玖乃歩はうっすらと唇から笑みのような表情を見せ、楽しそうにまばたいた。
その表情と、少し花びらを掴みたそうに、膝の上から持ち上げるか迷っているような手を見ていた。二人しか乗れない大きさの小舟で、膝をつきあわせて座って、こちらの腿の上には小さい包みがあった。布にくるまれた、四角い箱だった。
「いつ開いて、食べようか」
と訊ねた。
玖乃歩はふっと楽しそうな表情を無くして、つまらなそうにこちらの膝に目を落とした。
しばらく経った。玖乃歩は何も言わないまま小舟の外へ視線をやった。
もう少ししたら、と思った。
川を下っている小舟をはさむ山と岩の斜面の景色はずっと変わらなくて、玖乃歩はため息をついた。
なにもかも煩わしい、とでも言いたげに玖乃歩は膝に肘を置いて、かがむように頬杖をついた。
どのくらい時が過ぎたかわからない。
白く煌めくような川面から、ふわっとぼんぼりの灯籠に似た明かりのような、蓮のような花がいくつも昇り、玖乃歩は両目を見開いて嬉しそうな顔をした。
腕を伸ばすが、触れはしなかった。
小舟のまわりだけでなく、川面のどこかしこからぼんぼり灯籠が出てきて、暗い空へ昇っていく。
そのなかを進む。玖乃歩はその川の様子を何か満足そうに眺めていた。
そしてこちらをまっすぐ見た。
満たされたような笑みの玖乃歩は手を出して、腿の上の包みを掴んだ。
掴みとって、自分の腿に置くと、布の結びを解いて、中の四角い箱の蓋をぱかと開けた。
新鮮な、生臭い、良い匂いがした。
中には牡丹のような白い花がぎっしりと積まれていた。
蓋が開いた途端、それらも一気に舞い上がった。
遠くなる、となぜだかその瞬間、思った。すると、箱を腿から落として、こちらに倒れこむように玖乃歩が抱きついてきた。
重みを感じた。
小舟の上には、もう誰もいなかった。
誰も乗せていない小舟が、川を下っていく。
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さの めつた https://skeb.jp/@4fuqe
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