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知らないって最強

「一番印象に残っている旅はなんですか?」

昨日のファシリ練習の時のトークテーマ。
私がゲスト役で話すときのテーマがこれで、改めて自分の旅を振り返った。

好きな国、また行きたい場所、死ぬほどおいしかった食べ物...
それぞれに思い出はたくさんある。

初海外のフィリピンでは3日間熱が出て1週間お腹を壊し続けた。

タイでは「ヤマダタカユキ!!」ってめっちゃ言ってくるヤマダタカユキ似のおじさんに絡まれた。

アメリカではサンタモニカのベニスビーチで見た夕焼けが今でも鮮明に思いだせるぐらい綺麗だった。

フランスでは10メートルおきにパティスリーやショコラティエがあって夢のようだったけど道端に生卵が落ちていたりエッフェル塔がイメージとちがったり。

スペインではサグラダファミリアの塔に登りたかったんだけど風が強くてエレベーターが停止。めっちゃがっかりしたけど「ごめんね」って言ってくれたスタッフのお兄さんかっこよすぎてどうでもよくなったなあ。

本当に書ききれないぐらい一つ一つの場所に思い出が詰まってる。

だけど、「一番印象に残っている旅」って聞かれたら
やっぱり私はベトナムの一人旅かなあ。

そう思ってベトナム一人旅について話始めた。

「特に印象に残っている出来事はありますか?」

迷ったけど、タクシーの運転手さんかな。

ダナンにホテルを取っていたんだけど、どうしてもホイアンにも行きたくて。

ダナンからホイアンまでは車で片道約30分。

Grabで車を呼んで、乗り込む。

私はあえて後ろの席ではなく、助手席に乗った。
なんとなく運転手さんと話したくて。

決して英語が得意とは言えない日本人の私とベトナム人の運転手さんがカタコトの英語で会話をする。

言いたいことが言いたいように伝えられるわけではないし、
聞き取った内容も正確なのかどうか分からない。

ただ、ホイアンに着くまでの30分間ポツポツと会話をした。

すると、
「ホイアンからダナンに帰るときはどうするの?」

「まだ決めてない」

「それなら連絡してくれたら迎えに行くよ」

そう言って連絡先を交換した。

ホイアンを堪能し、日が暮れたころ。

「もうそろそろ帰ろうと思う」
そう連絡すると、
「なんのお店が近くにある?」

近くにあるお店の名前を伝えるとそこまで迎えに来てくれた。

正直、一日疲れた後に新しくGrabで車を呼んで...っていうのを想像したらしんどかったから、とても助かった。

「ホイアンではなにしたの?」
「おいしいもの食べた?」
「おすすめしたバインミー屋さん行った?」

相変わらず英語が得意とは言えない二人がカタコトの英語で会話をする。

ふと、「ベトナムの朝ごはんってみんな何食べるの?」
次の日何しようか考えてたから聞いてみた。

そしたら、「おすすめのお店がある」と。

とってもおいしいって言うから、
「行ってみたいな~」と言ったら
「連れて行ってあげるよ」って言われた。

次の日の朝。

ホテルまで迎えに来てくれて、朝ご飯を食べに行った。

おすすめのメニューを注文してくれて、
食べ方を教えてくれて、
ご馳走までしてくれた。

お店を出て、その日の行き先まで送ってくれた。

雨が降ってきたからレインコートを買ってくれた。

素直に嬉しかったし、ベトナムを思い出すときには必ずそのタクシーの運転手さんも一緒に思い出す(笑)

ただ、今振り返って思うことがある。

普通に危険じゃない?????(笑)

最初はGrabで車を呼んでいたから、追跡とかしてくれていてセキュリティーもしっかりしていた。

ただ、そのあとからはそんなのないから、
良い人の振りをしてどこか怖い場所に連れていかれていたかもしれない。
最後にものすごいお金を請求されていたかもしれない。
変なものを食べさせられていたかもしれない。

結果何事もなかったから、とてもいい思い出で終わっているけど、
海外は想像できないようなことが起こっても全くおかしくない場所。

だって常識というものが通じないから。

もちろんそういうリスクに慎重になるのはとっても大事なこと。

だけど、私がそういうリスクを全く考えずに、
ただただ好奇心のままに、海外を知ってみたい!という思いのままに行動できたのは、なにも知らなかったから。

海外のこわさも、
自分の常識が通じないのが当たり前なことも、
想像できないことが起こってもおかしくないことも。

なーーーんにも知らなかった。

リスクを考えてそれの対策した上で...とかではなく、
シンプルにそういうリスクが潜んでいることを知らなかった(笑)

リスクを知ったうえで行動するのと、
リスクを知らないで行動するのってかなり違うと思うけど、

今考えると、知らないって最強。
良くも悪くも最強。(笑)

きっとこれは旅の話だけじゃない。

小さい頃の記憶で、お母さんが夜ご飯の準備をしていた。
台所の上にこれから焼くお肉を並べていた。

私はそれを食べた。

生肉は食べたらお腹を壊すって知らなかったから。

驚いたお母さんは慌てて、
「早く口から出して!!お肉は焼かないと食べちゃいけないよ!」
そう言った。

そのお母さんの慌てぶりを見て、
「焼いていないお肉はたべちゃダメ。」
そう学んだ。

今考えると恐ろしい(笑)

子どもの頃は、
「お医者さんになりたい!」
「女優さんになりたい!」
何でも言えた。

でもだんだん、
「医者って賢くないとなれないよね。」
「私の顔とスタイルじゃ女優にはなれないな。」

お医者さんになるには医学部を卒業しなければいけない
女優さんになれても売れない人もたくさんいる

そんなことを知るたびに、無理だ、できない。
そう勝手に決めつけるようになってしまう。

リスクを知るってとっても大事。
取り返しのつかないことになってからでは遅いから。

だけど、リスクを知ることで、
自分の可能性を自分で狭めていくことになるのはとってももったいない。

もしかしたら海外でのリスクを知っていて、
勝手に危ないから無理だと決めつけていた私なら、

運転手さんとの会話はなかった。
おいしい朝ごはんも食べられなかった。
レインコートもなかった。

一番いいのは、リスクを知ったうえで、行動に移せることだと思う。

だけど、リスクを知りすぎて何も行動に移せなくなるのはもったいない。

改めて、旅っていろんなことに気が付かせてくれる。

また旅したいな。
またベトナムに行ったら違う景色に見えるんだろうな。
でも私にとって初めての一人旅の思い出が変わることはない。

一人旅、行ってよかった。


そういえば女子一人旅のリスクも知らなかった。
何も調べなさ過ぎたわ。


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