見出し画像

2020年12月29日 ばあちゃんと最後かもしれない時間

初めに

先月は元気とは言えないけど、簡単な会話ぐらいは出来て、俺のことも認識できて何か話しかけたら微笑んでくれてたばあちゃんが、昨日あたりからご飯も水も摂取できなくなり、もういつその日が来るかわからないとの連絡を母から受け、休みを使って実家に帰った。

家に帰るとふっくらしてた身体が細く痩せこけていて、穏やかに寝てたばあちゃんがいた。話しかけると初めは左手だけ動かして目は開けられなかったが、こちらも根気よく話しかけると1度だけ目を開いてじっと自分を見つめてきた。筋肉の衰えからかそこに笑みはなかったけど、孫のことは認識していたと思う。

ばあちゃんとの思い出

自分は2世帯住宅の家で暮らし、親が共働きだった為、習い事に夢中に打ち込む前の幼かった頃は、ばあちゃんと一緒にいた時間が家族の中で1番長かったと思う。あの頃は家に帰るといつも温かく迎えてくれて、何を話しても話を聞いてくれて褒めてくれたような気がする(あまり鮮明には思い出せないけどそんな感じの温かさだけ覚えてる)。たまに畑作業をしてたけど。
学校から家に帰ってからはばあちゃんが買ってきたアイスを食べたり、作ってくれた焼きおにぎりを食べたりした。ばあちゃんの料理は味が濃かったけど、焼きおにぎりは大好きだった。
休みの日は、お金を貰ってゲーセンに行ったり、ケンタッキーに行って子どもが大好きなフライドチキンをよく食べてたと思う。あの頃甘えられて育ったから今も自分に甘い人間なのかもしれない笑。お金を貰ったらすぐガチャガチャかゲーセンかカードゲームに使ってたから今でも貯金は苦手だ笑。
noteを今書き始めると、さっきまで思い出せなかった思い出が嫌というほど溢れ出してくる。畑に連れてってもらった思い出、餅つきをした思い出、じいちゃんの車で牧場に連れてってもらった思い出……今は電車の中だけど気を緩めたら涙が止まらなくなりそうです…

ばあちゃんに教わったこと

ばあちゃんはいつでも笑顔を絶やさない人だった。場を和ませるのが得意だった。家族や親戚で集まると天然なばあちゃんの言葉でよくみんなで爆笑してた気がする。だからだと思うが、ばあちゃんの家を訪ねてくる人も多くいて、自分が家に帰るとだいたい誰かしらと談笑してたと思う。畑でも談笑してたし、路上でも談笑してた。コミュニケーションおばけって言うんかな誰からも好かれるそんな人だった。
そうやって家に来た人や周りに住んでいた年寄りの方々によく可愛がってもらった。そういう環境に身を置いていたから自分も人見知りをするようなタイプではなく、ばあちゃんほどとは言えないまでも人と話すのが好きな人に育ったと思う。そして、周りが自然と笑顔になるようなばあちゃんみたいな人になりたいなと思う。

そんな人の繋がりを幼い頃に肌で感じていて、それが希薄になった危機感を感じていたからなのか、大学ではまちづくりを専攻した。今は日本の伝統や文化や古き良きものにも興味がある。これも和室や仏壇が家にあって、ひな祭りに雛人形を出したり、こどもの日には兜を出したりするなど伝統行事ものは必ず行う環境にずっといたからなのかもしれない。小さい頃は当たり前だと思ってたけど東京圏で育った人の中ではかなり恵まれた環境だったんだと今は思う。そう思うと大学の後半から興味を持ち始め、今も好きなことは幼き頃ばあちゃんが知らず知らずのうちに教えてくれたことだったんだろうなと思ってる。

お別れかもしれない時間

さっき家を出る時にばあちゃんに「またね」と言ってきた。仕事が終わったら年始に帰るし、「またね」でいっかと思い言葉にした。でも、言ってからまた会えるとは限らないのにこれでいいんかなって思った。母曰く後1週間もつかわからないらしい。「ありがとう」なのか、「頑張ってね」なのか、はたまた「またね」で正しかったのかわからなかった。でも「ありがとう」だと次会えないみたいだし、「頑張ってね」だともう十分頑張ってるかもしれないので、「またね」ともう一度言った。
「またね」と言ったことに後悔はない。「天国にいるじいちゃんによろしく」とか「今までありがとう」とかそういうのもありだと思ったけどやっぱり次を信じて「またね」にした。最後かもしれない時間にかける言葉選びは難しい。
だから、ぎゅっと温かい手を握ってから家を出た。

コロナ禍の中で伝えたいこと

ここまで読んでくださった皆さんありがとうございました。文章力のない自分が思ったことをそのまま綴ったので相当読みづらかったと思います笑。今回のことをnoteに書くか迷ったけどコロナの状況で人との繋がりが希薄になっている中、誰か1人にでも次にいうことを伝えられたらなと思って書くことにしました。

あなたは大切な人がいますか?その人に最近会いましたか?

僕は運良く仕事も休みで、用事も断れたので大切な人に会うことができました。心の準備もできたし、後悔なくその日を迎えることができると思います。
ただ、今の世の中だと中々会えない人もいるだろうし、会いづらい人もいると思います。でも電話ならできるし、今はテレビ通話もあります。年末年始なら口実もつくりやすいと思いますし、もしそういう人がいたらぜひやることをおすすめします。いつが最後かもしれない時間なのかわからないので。そして、コロナが終息したら会いに行ってあげて下さい。きっと笑顔で迎えてくれると思います。

ありがとう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?