夏の影

台風も進路に悩んでいるようで希望調査の紙が真っ白

ほろ酔いのままで好きってキスをした13回目の告白は、夏

「もう夏は終わるみたいね」「じゃあ僕らせーので死のうか」蝉の鳴き声

シンナーの匂いで部屋がいっぱいで秋が入ってくる場所はない

君と夜歩いただけの日のことを思い出しつつ生きてくつもり

退屈な真夏日さえも愛しくて夏の影から出られずにいる

夏休み最後の日から見かけないあの子は人魚だったのでしょう

2016.9.7

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