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睡魔に抗えない

わたしは、よく寝る方だと思う。

三大欲求の中で、睡眠欲がダントツで強い。
一時期「眠い」が口癖になっていて、それは人としてどうなんだと指摘されて慌てて直した。とにかく眠い。そしてしっかり寝なくちゃダメだ、というき気持ちも大きい。もはや脅迫概念と言ってもいいくらいに。どんなに仕事が忙しくても6時間は絶対に睡眠時間に当てるという約束を自分としている。そうしないと次の日に起きた時だるくて、「あー、昨日6時間眠れなかったからだ」と事あるごとに後悔する。これは今の生活習慣でのはなしだけれど、思い返せば学生時代もよく寝ていた。

外面が良くて優等生ぽく(あくまで“ぽく”)見られていたわたしが、友だちに口を揃えて言われていたことが「ハルカって意外と寝るよね……」という台詞。中学でも高校でも大学でも、わたしは授業中によく寝ていた(小学校の時はさすがに起きていた)。それもこっくり舟を漕ぐかわいいものではなく、がっつり机に伏せて。それでも問題児扱いされなかったのは、外面の良さと一夜漬けのおかげだったと思う。本当に、よく寝ていた。(先生方、ごめんなさい)これで夜遊びだとか夜更かしだとかをするでもなく普通に寝ていたのだから怖い。

初めてオールをしたのは高校生の時。クラスのお泊まり会(学校に宿泊施設があった)でだった。大富豪を延々としながら、少しずつ明るくなっていく窓の外の景色を横目に見ていた。朝の光が部屋に差し込んで、クラスメイトが妙なテンションになっている時に「夜を越えちゃったんだ」と感動したことを覚えている。それまでは「この前カラオケでオールしちゃったんだあ」と友達が話す度に、その「オール」という言葉がとても魅力的にきらきら光って聞こえていた。だから嬉しくなって、うわ〜、オールしちゃったよ〜とかなんとかともだちと騒いだ。たぶん興奮しいた。そこまでは良かった。

みんなと別れた後、身体がどうしようもなく怠くて、思考もぼんやりしていて、その朝の帰り道は電車を寝過ごしてしまった。完全に復活するまでに丸一日かかって、ああ、向いてないんだなと思った。もちろん人間なのだから睡眠をとらなきゃ倒れてしまうし向き不向きの問題ではないかもしれないけれど、たしかに思ったのだ。わたしにオールは向いていない、って。

オール、は極端な話になってしまうけれど睡眠時間が短くなるととにかくストレスになる。あくまでわたしの場合だけど。睡眠が十分じゃないとどんな状態になるか痛いほどわかっているから。次の日を目一杯楽しむためには、頑張りきるためには、前日しっかり寝ることが1番大切。たぶんその気持ちが人一倍強い。(とか言いつつ旅行前夜は眠れない人だから笑っちゃうよね)

明日は会議がある。学生時代、睡魔に抗ってこなかったから睡魔と闘う術を知らない。社会人になって後悔したことのひとつだと思う。会議用のノートにはミミズみたいな文字が並んでいるページが何枚かある。

今日はしっかり寝よう。
ゆっくりお風呂に入って、寝る前のストレッチも忘れずに。

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