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医療保険あれこれ~日本とアメリカ

始めましての皆様、こんにちわ。春香と申します。メンタルとお金まわりの話を得意としています。本日は、医療保険についてお話します。

アメリカの医療保険

自由の国、アメリカ。医療費がとても高いって聞いたことありますか?日本は、皆保険制度、といって、国民みんなが何かしらの医療保険に加入しています。サラリーマンの方なら会社の健康保険に加入していますし、自営業の方は、国民健康保険に入っていることと思います。

これね、全世界そうだと思ったら、違うんですよ。日本はとても公的医療保険が充実しているんです。今日は、アメリカの例をお話しますね。

アメリカは、65歳以上の高齢者と障碍者を対象としたメディケア、低所得者を対象としたメディケイドといった公的医療保険があります。それ以外の人を対象としたものはないんですね。ですから、医療保険が必要なら、民間の医療保険を契約することになります。大手のサラリーマンなら、会社が団体で民間の医療保険に加入していることが多く、そのメンバーになることができます。

自営業者の人は、会社の団体保険を利用できないので、自分で民間保険会社と契約することになります。HMO、PPO、EPOという3種類の保険があります。HMOは決められた主治医がいて、専門医の診察が必要な時は、紹介状を発行してもらう形式です。どんな病気でも、必ず主治医を通さなければならないので、緊急時に速やかに専門医に診てもらうことが出来ません。保険料はPPOに比べて高いですが、実際に病院で支払う自己負担金は安いです。

PPOは主治医はいません。ネットワーク内の病院ならどこでもかかることができます。保険料はHMOに比べて安いですが、病院で支払う自己負担金は高いです。普通はこの2つが候補に挙がります。EPOはその中間といった感じで、ネットワーク内の病院にかかるタイプです。

また、この3つの民間医療保険は、いつでも加入できるわけではありません。決められた期間だけ、契約をすることが出来ます。好きな時に加入できて、好きな病院に行ける日本に比べて、使い勝手が全然違いますね。

救急車も基本は有料です。医療保険によっては保険でカバーされることもあります。そのまま無保険で全額自己負担なら、日本円で4~5万円はするでしょう。結局のところ、病院で支払う自己負担金を安くしたければ、毎月の医療保険の支払いは高くなりますし、自己負担金を多く支払うなら、保険料は安くなります。自分の好みで選ぶことになりますね。

高額な医療費

医療保険の保険料自身が結構高額ですから、何の医療保険にも加入していない人も、アメリカには多くいます。オバマ大統領が、オバマケアで、日本のような皆医療保険制度を導入しましたが、それでも日本のように安い保険料ではありません。その日の生活が苦しい人たちは、医療保険を喜ばないでしょう。そんなわけで、アメリカでは突然の病気で入院治療などしようものなら、全額自腹というのは、よくある話なのです。

海外に行く人は、海外旅行保険に加入すると思いますが、以下は、海外旅行保険に加入していて、実際に旅行中に突然の病気になり、その時に保険会社から支払われた医療費の例です。

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☆空港内で意識を失い救急車で搬送。感染性心内膜炎と診断され15日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。
→ 2,295万円

☆急性心筋梗塞のため現地で緊急入院。同行していた家族が付き添い、日本からも家族が現地へ駆けつけた。退院後、現地で10日間療養後帰国。
→ 1,160万円

☆体のだるさを訴え受診。くも膜下出血と診断され19日間入院・手術。家族が駆けつける。
→ 2,528万円

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どうですか?高いですね!皆様、支払えますか?

とは言っても、もちろん日本でも、公的医療保険の保険料を滞納したり、資格が変わった時に変更手続きをしなかったりして、無保険状態になることがあります。そんな時は、やっぱり全額を支払うことになるでしょう。

私の父が心筋梗塞で長期入院し、計4回の手術をしたことがありますが、その時の会計資料には、保険適用前の医療費が、1000万円をこえていましたから、アメリカでも日本でも、無保険状態で大きな病気をすると、かなりの出費となります。やはり、いくら毎月の保険料が高額とはいっても、無保険状態は怖いですね。

余談ですが、アメリカの医療保険は、歯科診療はオプションをつけなければ保険の対象となりません。また、病院で医療保険のネットワーク内で治療を受けていたとしても、医師が本当にしたい検査や治療が、医療保険側で認められず、最適な治療が受けられないこともあります。これが問題になることもあるそうです。

諸外国の医療保険

では、他の国もみんなアメリカ式なのでしょうか?そんなことはありません。アメリカの医療保険制度は、他の先進国に比べて、非常に複雑だと言われています。

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日本に近いのはフランスでしょうか。公的保険に、国民が全員加入していて、民間の医療保険は、日本と同じく、自己負担部分をカバーしています。自己負担は3割ですが、かかりつけ医を通さずに専門医を受診した場合は、自己負担額が7割に上がるそうです。

ドイツも公的保険(90%)と民間の医療保険(10%)の2本立てて、原則、自己負担額がないそうです。うらやましいですね!

イギリスの税金で賄われる公的保険(90%)と民間の医療保険(10%)で、自己負担額がないとのこと。ただし、イギリスでは各自登録された医師にまず診てもらわなければならず、自分で好きな病院に行くことはできません。

スウェーデンは、医療保険を契約して保険料を払うのではなく、税金で医療保険サービスが行われています。料金は、決まった自己負担額の上限以内で、自治体が独自に決めるそうです。

ベトナムでは、医療費をまず全額前払いしなければ、治療が出来ません。支払えない人が多いのでしょうか?病院が身を守るためかもしれませんね。

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諸外国の医療保険制度を見てみると、やはり、日本は自由度が高いように思います。公的医療保険は皆保険制度ですから、全員加入が必要ですが、2階建て部分の民間医療保険は、加入するもしないも自由です。自己負担額も3割の人がほとんどですし、救急車も原則、無料です。どの病院にいくのも自由です。かかりつけ医を通さずに、いきなり大病院へ行くと、何千円かの紹介料を取られますが、それでも自己負担額が7割に引き上げられるフランスに比べれば安い方です。

保険なのに貯金になる

面白いことに、日本の民間医療保険は、貯蓄性があるものがあります。使わない保険料が一定期間過ぎると戻ってくるものや、入院がなければお祝い金の出るもの。これは、諸外国の医療保険にはあまりない特性だと思います。

公的医療保険にしても、毎月の支払いはアメリカに比べれば安く、保険で決められたネットワークの病院に行かなければならないこともありません。フランスのように、かかりつけ医を通さなければ医療費が跳ね上がることもなく、どこの病院へ行くのも自由で、好きなお医者さんに診てもらうことが出来ます。

また、急に大きな病気をしたとしても、高額療養費制度といって、限度額を超えた分が返ってくる制度があります。一時的に立て替え払いをしたとしても、限度を超えた分は返してもらえます。日本は、医療費に関しては、非常に恵まれていると思います。

そんな感じなので、日本の民間の医療保険は、アメリカのように必要不可欠で、高額であっても絶対に加入しておかなければ困るもの、ではなく、必要に応じて好みで備えておくもの、という立ち位置でしょう。ですので、各保険会社は、お客様に選んでもらえるように、魅力的なラインナップにしているのです。

また、アメリカ人に比べて、日本人は貯蓄好きだということもあります。どちらかというと、アメリカ人は投資を好み、ただの貯金を選ばない傾向があります。保険にしても、掛け捨てで安いものを好み、貯蓄性をつけるための特約部分の保険料を無駄だと感じる傾向があるのです。

みなさんはいかがですか?どうせかけるなら、少しでも貯金になって、後で返ってくる方がいい、というのは日本人独特の考え方かもしれません。生活が苦しい中で、一生懸命捻出したお金で保険を掛けるのですから、後で少しでも返ってきてほしいというのは、理解できますね。

今日は、主にアメリカと日本の医療保険を比べてみました。他の国のこともわかると、今、加入している医療保険を、じっくり見直そうと思いますね。大切なお金を使ってかけている医療保険。ぜひ、どのようなものに加入しているのか、しっかり調べてみて下さいね。では☆

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