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立ち位置

これ、何度かいったことのある話なんですが。

今から20年くらい前、事務所のなんかのパーティがあって、デビュー間もない僕も参加させてもらってて。
そうそうたる事務所の先輩方を前に、我々三人は会場の隅で三人で小さくなっていた。そのくせ、二次会にもちゃっかりお邪魔して、こっちは少しざっくばらんな雰囲気だった。
そうしたら、えらい人が「お前らちょっとこっち来いよ」と、桑田さんのいる席に呼ばれた。憧れの桑田さんの近くに座れるというだけで、随分舞い上がった。
最初は何人かで席を囲んでいたが、ざっくばらんな飲み会だったので、一人がトイレ行ったり、一人が知り合いの顔を見つけて話に行ったりして、そんなに長い時間ではなったけれど、桑田さんと二人きりで向かい合うことになった。
黙り込んでつまらないやつだと思われたくもないので、お酒の力も借り勇気を出して話しかけさせてもらった。
その中で桑田さんがおっしゃったことはどれも心に残っているが、今一番思い出すのは「サザンも毎年、自分たちの立ち位置を探している」という言葉だった。
当然ながらサザンは押しも押されぬスーパーバンドで、サザンの立ち位置など、毎年、座布団を10枚くらい重ねたところに用意されているはずで、その時は謙遜されているのかと思った。

20年経って、桑田さんの話が少しだけ理解できる。もちろん、サザンとポルノを重ねて考えるなんておこがましいったりゃありゃしない、というのは前提で話している。
ただ、年齢だけは、僕があのパーティの二次会で話させてもらった桑田さんと同じくらいにはなっている。

ポルノの立ち位置かぁ。

新しいことに挑戦し続ける。
いい言葉ね。

これまでやってきたことを突き詰める。
職人みたいでいいね。

流行りの音楽もきっちりと意識してみる。
貪欲な感じで悪くない。

好きなことを好きなようにやる。
ミュージシャンはそうあるべき的ニュアンスで文句はないだろう。

ファンの方に喜んでもらえるようなものを意識する。
いつも念頭にある考えだ。

逆にファンではない方にアピールするようなものを意識する。
簡単ではないだろうけど、やる価値はある。




何が言いたいかというと、どんな方法論でも、間違いはない。というか、それなりに前向きに聞こえる。
ただ、20年を超えたポルノは、デビュー前や直後の勢いだけでやってられる時期でもなく、桑田さんでさえそう考えたように、意識的にも無意識的にも自分たちの立ち位置というのをイメージしないといけないなと。

今、曲を作りながら、こんなことを考えているわけ。
曲ができんと色々考えるわけ。
しかし、毎回、作曲や作詞をする時に思うことだが、できるまでは「あれ?俺って曲作ったことあるよね? 今までどうやって作っていたんだろう?」ってくらい途方にくれる。
出来たら出来たで少なくとも自分自身は「俺、天才。何曲でも作れるわ」と思って、また次に曲に取り掛かる時に途方にくれて。
これの繰り返しなので、今回もそのサイクルの途中だと思いたい。

おまけ

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