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熾烈なローテ争い〜期待の2年目・瀧中瞭太〜

こんばんは!harutoです。

今回は、2年目となる瀧中瞭太選手について書いていきたいと思います。


皆さんご存知の通り、先日は楽天ファンだけでなく日本球界にとってもビッグなニュースが舞い込んできました。

私としても昨日の田中将大投手の入団会見を見てようやく実感が湧いてきたところです。また、日本球界復帰のタイミングでまさかのYouTuberデビューということで、彼のプライベートな側面も垣間見れるのは1ファンとして楽しみです。

それでは早速本題に入っていきます。(一部敬称略してますが、ご了承ください🙏)


度々報道されているように、田中投手の復帰によって楽天の先発ローテーションは田中(177勝)、涌井(144勝)、岸(132勝)、則本(85勝)の通算538勝4本柱が結成されました。さらに彼らに加えて4球団競合ドラ1ルーキーの早川も開幕ローテは当確とみて良いでしょう。

つまり先発ローテ6枠の内5枠は既に埋まっていると言えます(たぶん)。そこで楽しみになってくるのが、6枠目の争いです。候補を挙げるならば、塩見、辛島、石橋、弓削、瀧中、高田萌、藤平、西口、(高田孝、藤井)らで争う構図になりそうです。

塩見や辛島ら経験豊富な選手から、高田萌や藤平など飛躍を期待される若手まで、かなり熾烈なローテ争いが繰り広げられるものと考えられます。

そこで今回クローズアップしたいのが、表題にある通り瀧中瞭太投手です。

彼に関する記事を書こうと思ったのは、前述した4本柱とルーキー早川が注目されがちな中で、瀧中投手に関する発言が殆ど見当たらないことに対して懐疑的に思ったからです。

これらの当該ツイートを見て頂ければわかるように、私個人としては瀧中投手にかなり期待しています。ただツイートにあるように明確な根拠をもっていたわけではなく、何となく「安定感がある」という漠然とした感覚に頼ったものでした。今回は、昨季の成績に基づいて「どうして彼にこれほど期待しているのか」を明らかにしていきたいと思います。

もちろん私以外にも彼に期待している方は多いと思いますし、実際に彼の昨季の登板を見ていた方は彼が今後の楽天先発陣に必要なピースであると思われた方も多いと思います。今回はそのような方に改めて瀧中投手の魅力を伝えると共に、他球団ファンの方にも彼について知ってもらい、震えて眠ってもらえればと思っています。


前置きが長くなりましたが、それではまず瀧中投手の昨季成績を見てみましょう。

【一軍】8試合/防3.40/2勝1敗/投球回45/打者182/被安34/被本1/奪三振29/奪三振率5.80/与四死球18/自責17/被打率.214/ K/BB1.93/WHIP1.09

【二軍】9試合/防1.72/2勝1敗/投球回47/打者182/被安26/被本1/奪三振40/奪三振率7.66/与四死球21/自責9/被打率.161/ K/BB2.22/WHIP0.94


いかがでしょうか?

面白いことに、1,2軍ともに似通った成績となっています。個人的に気になった点は、奪三振率、K/BB、WHIPです。


まず奪三振率に関してですが、皆さんご存知の通り瀧中投手はあくまでも多彩な変化球を操り打者を打ち取るタイプの投手あり、千賀投手やかつての則本投手のようにズバズバ三振を奪う本格派とは対照的と言えます。

また、K/BBに関してはお世辞にも優秀とはいえませんが、これは与四球の多さではなく奪三振の少なさが起因していると考えられ、彼の投球スタイル上仕方ない点なのでそこまで懸念する必要はないのかなと思います。むしろ彼のコマンド能力に関しては、かなり優秀な部類と言えるのではないでしょうか。

瀧中投手というと多彩な変化球を操る「技巧派投手」のイメージがあるかと思いますが、具体的に球種を挙げていくと、プロ入り前から使っていた横変化のカットやシュートに加えて下方向のフォークやチェンジアップ、カウント球としても決め球としても使うことができるナックルカーブ、さらには涌井投手が「使い始めて投球の幅が広がった」と言っていたコヤシンも取得しています。後述しますが、フォークは決め球としても機能するであろう球種となっており、またコヤシンを自分のものにすることができれば涌井投手が言うように投球の幅が広まり、巧みな投球が持ち味の瀧中投手にとっては大きな武器となるのではないでしょうか。 


続いて、瀧中投手のWHIPに着目していきます。WHIPは1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値であり、投手を見るうえで非常に重要な指標の一つであると言えます。一般的には1.00未満なら球界を代表するエース級、1.20未満ならエース級とされています。

それでは瀧中投手はというと、1.09です。わずか8試合の登板とはいえ、この数字は優秀と言えるでしょう。この数値がどの程度のものなのか分からない方のために、他の選手を例に比較してみましょう。

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彼らは規定投球回に到達しているので単純比較はできませんが、仮に瀧中投手があの投球を1年間続けられればここに名を連ねることになるでしょうから、かなり期待が持てるはずです。

次に、規定未達の選手を見てみましょう。分かりやすいように、規定到達の選手を省いた勝利数順にWHIPを挙げていきます。

パ→石川柊0.98(11勝)/二木0.91(9勝)/東浜1.11/和田1.13(8勝)/上沢1.27/バーヘイゲン1.07/セ→秋山0.97(11勝)/大貫1.10(10勝)/戸郷1.20(9勝)/福谷1.02(8勝)/サンチェス1.23

いかがでしょうか?勝利投手になるためには援護であったり中継ぎが繋いでくれたりする必要があるので「指標が優秀な投手は勝てる」というわけではありませんが、ほとんどの場合において「勝てる投手は指標が優秀である」と言えるのではないでしょうか?

WHIPは投手の安定感を表す数値です。瀧中投手が安定感のある投手という印象を持つのも、この数値によって裏付けされていたわけですね。


最後に、悟@野球とデータ(@bb_satoru)さんに頂いたデータに基づいて幾つか気になる点をピックアップしていこうと思います。

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このデータをみて個人的に気になったのは、左右別のカーブとチェンジアップの被打率の違い、対左ストレートの被打率、フォークの被打率の3点です。

簡単にまとめると、カーブの被打率は対右が.083なのに対して対左が.375、チェンジアップは対右が.000なのに対して対左が.400、対左のストレート被打率が.086、フォークの被打率は対右が.083、対左が.000となっています。参考が多くはないですが、このようなデータが出ています。(*このデータは悟さんが個人で出されたものなので公式とは異なる点があるかもしれません。ご了承ください。)

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このヒートマップを参考にすると、カーブは対左では真ん中付近に多く集まっていること、チェンジアップもストライクゾーンに多く集まっていることが読み取れます。

その一方で、フォークの精度は素晴らしいです。たまに高めに抜け球があるものの、ほとんどが低めに集まっており、被打率が低いことにも納得がいくのではないでしょうか。

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今述べたように、フォークは低めに集まっており空振りを多く奪うことができています。中でも特に驚いたのがストレートです。左右問わず高めのストレートで空振りが奪えていることがわかります。一見技巧派投手という印象が持たれがちな瀧中投手ですが、多彩な変化球を操って打者を翻弄することで、140㌔前半〜中盤のストレートでもかなり機能していることが見てとれます。

質のいい真っ直ぐがあるからこそ変化球が生きるわけであり、ただ変化球を沢山覚えて全部の変化量がオール7なら打たれないという単純な話ではありません。その点、昨シーズンの瀧中投手の場合はストレートと変化球のコンビネーションが上手く活用できていたと言えるのではないでしょうか?ただし、瀧中投手は左右別の対戦成績でどちらか一方に偏りがある訳ではありませんが、与四球に関して言えば対右は3なのに対して対左は12であり、改善の余地アリと言えます。上図の球種別投球割合を見てもらえればわかりますが、シンカーの投球割合が非常に低いです。涌井投手も「コヤシンのおかげで投球の幅がかなり広がった」と言っていたように、このボールを自分のものにすることで左打者からすれば相当厄介な投手になるでしょう。これらの点が今季どう改善されているのか、注目したいところです。


長々とした文になりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました!

マー君の復帰と早川投手の加入によって少なくとも昨年以上の面々になった先発陣、熾烈化するであろうローテ枠争いは例年に増して楽しみです。W高田や藤平ら若手はもちろんのこと、瀧中投手には昨季の経験とオフの則本塾での学びを糧に躍進の1年にしてもらいたいですね。若手なんてなんぼ出てきてくれても困りませんからね。

 

いよいよ明日にはキャンプインで、2021シーズンの幕開けとなります。楽しみですね〜。プロ野球が無事開催されることを祈っています!

最後までご愛読頂きありがとうございました!

また、快くデータを提供してくださった悟さんご協力ありがとうございました!


それではこの辺で‪( ^_^)/~~~‬


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