クレープと笑顔の強さ
ある日、とっても体がクレープを欲していたので、彼と一緒にお気に入りのクレープ屋さんへ出かけた。
到着した頃には20人くらい並んでいて、30分以上は待つ必要がありそうだった。
私たちの前には、一人で並ぶ落ち着いた雰囲気の若い女性。
私たちの後ろには、アニメの話で盛り上がるカップル。
私は行列に並ぶのが好きではない。
背後に常に人がいて、話されるという状況が耐えられないから。
(だからバスに乗る時は必ず一番後ろの席に座る 笑)
それでもこの体中が求めているクレープのためには耐えなければ・・・!
寒空の中、私たちもいろんな話をして気を紛らわせ、やっと自分たちのクレープを買うことができた。
この頃には寒さと疲れで少し心がトゲトゲしていた・・・
店の前に置かれたベンチに座ろうとすると、先ほど私たちの前に並んでいた若い女性が一人でベンチに座ってクレープを食べていて、
「お隣どうぞ」という感じの
とびっっっきりの笑顔
を向けてくれた☺️
もう、それは、
他人に向ける笑顔ではない、
生まれたての赤ちゃんに向けるような、
満開の桜を見たときのような、
クリスマスの朝のような、
念願のクレープを食べられた〜という幸せ絶頂の、笑顔だった。
もし私が寒空の中、一人で長時間並んでクレープを食べていたとしたら、一人で恥ずかしいし人がぎゅうぎゅうで疲れるしで、座っているベンチの隣に来た人に、笑顔は作れないと思う。
(もともと無愛想でもある)
(むしろ、ちょっと迷惑そうにしちゃうかも)
そして、ほくほくの気持ちで無事にその女性の隣に腰を下ろして、
念願のカスタードバナナチョコクレープと、生クリームスイートポテトラムレーズンクレープを彼と2人で存分に味わった。
とにかくその笑顔の余韻がすごくて、
その日、私はずっと温かい気持ちで過ごした。
笑顔ってすごい。
ささくれだった、クタクタな気持ちも包んでくれる。
クレープもすごい。
一人で食べたっていい。
とにかく、笑顔もクレープも
わたしを救ってくれたよ、というお話。
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