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FF7リメイクの話

FF7リメイクをクリアしたのでその話をします。

原作が発売されたのが1997年。23年前です。原作は一応やったことあるんですけど発売から数年経ったタイミングでやったので、当初の「プレステで出たFFの7がすごい!! みんなやれ!!」という時代の波に乗れなかったのがマジで心残りだったんですよね。なので今度こそ波に乗りたいと思って、PSstoreで予約して発売日の深夜0時からやりました。クソ面白かったです。


ネタバレなしの話

・原作の途中までをリメイクしたストーリー
・バトルはアクション要素強め
・1回クリアしたらステータスを引き継いだままチャプターごと再プレイ可
・取り返しのつかない要素はない

FF7リメイクと言うもののストーリー的には原作の途中まで。正直「俺たちの戦いはこれからだ!」って感じの終わり方です。でもちゃんとラストにラストバトル! エンディング! って感じの山場あります。

バトルはアクション要素強めです。難易度のバランスは「最近のゲームに慣れてる人はNORMALでも簡単すぎ、最近のゲームに慣れてない人はEASYでもちょっとむずい」くらいの感じ。EASYでもチンパン連打で一応なんとかなる。EASYでも難しいっていう人は往年のRPGのターン制バトルに近いクラシックモードというのがあるのでそれにしましょう。

ボリュームは結構あっさり目。平日普通に働いてる人でも土日のみで1ヶ月前後ちまちまやったらクリアできると思います。最近のオープンワールドゲーみたく無限に時間吸う感じではないです。自分は初見でわかる範囲内でサブクエスト一通りこなしたつもりで(取りこぼしあったけど)適当に放置してごはん食べたりネットやったりしたのも含めて約40時間で一回クリアできました。個人的にはこのくらいのボリュームでいいですね。ひたすらやることあってもどうせ全部できないし、外出自粛のお供として最適な感じでした。

一周目は普通に何も考えないでやるのがおすすめ。何も考えないでやればよかった。攻略情報見てないにもかかわらず「行くぞ!!」みたいな展開でいちいち戻ったりするプレイが正直一番効率悪かったです。一回クリアすればステータスはそのままチャプターごとにやり直せるようになるし取り返しのつかない要素もないので、まずはごちゃごちゃ考えず勢いでやったほうがいい。一番取り返せないのは一周目のドキドキ感だぞ。

まあ原作やったことない人でも普通に楽しめます。原作やったことある人も追加要素多いんで楽しめると思います。原作至上主義! みたいな人はちょっと違和感あるかも。まあ主に「ゲーム苦手」「若いころはゲームやったけど最近はやってない」みたいな層向けですがゲーマーもオタクも大衆向けコンテンツをフラットに楽しめるならやって損ないです。いや正直本当に楽しかった。久々にゲーム一本やった感あった。若いころに原作やった周りのおじさん達も軒並み高評価。「俺はスクエニには金を落としたくないが!」とか言ってるめんどくさいやつ以外なら大体楽しめると思います。


原作やったけどリメイク未プレイの人向けの話

PS4でフルリメイクされた画面の臨場感半端ない。イベントシーンだけならわかるけど普通にそのままグリグリ動くからね。PS4の性能をフルに活かした美麗なグラフィックに感動しました。どうでもいい背景の小物まで本当によく作り込まれてて感動する。どうでもいいモブの顔は流石にちょっと適当感あったけど。サウンドも良いです。原作であったBGMも程よくアレンジされてる。あと街を歩いてるとモブの人のザワザワヒソヒソという話し声が聞こえてくるのが没入感すごい。最初の魔晄炉が終わって数時間くらいはスラム街を歩いてるだけで楽しいです。

あと特筆すべきは各キャラの“キャラ”がすごく立ってること。これは本当にいいです。ファミコン版のドラクエ4のキャラがリメイクでしゃべるようになった時の「これ! これ!」に似た感動がありました。クラウドは原作だとミッドガルではクールな印象が強かったけど今回はその下地を活かした“クールぶってるキャラ”で、これがまたいい味出してます。90年代後半にFF7やってクラウドの影響を受けて厨二こじらせて「興味ないね…」とかマジで言っちゃってた過去を持つおじさん達が当時の甘酸っぱさを思い出す感じです。厨二追体験ファンタジーです。

そんな厨二クラウドと他キャラとのシナジーもすごいです。大体なんかガラ悪そうな地域にいそうな感じの人たちなんですよ。クラウドはクールな不良に憧れる男子中学生、他のキャラに関してはまあ誰が誰とは言わないにせよ、お水っぽい人とか、暴走族っぽい人とか、ヤクザっぽい人とか、過激派環境団体っぽい人とか、とにかく育ち悪そうなのが続々出てくる。「こういうヤバい人いそうだなあ」っていう感じがすごくいい。育ち悪いファンタジーです。

景観もガラ悪い地域っぽいです。もともとミッドガルの雰囲気ってファンタジーというよりサイバーパンクとスチームパンクが混ざったような雰囲気だったじゃないですか。今回のリメイクではそれに現代日本のガラ悪そうな地域感がプラスされてます。工場とスラム街が織りなす砂埃とアスファルトの泥臭い質感は例えて言うなら東なら川崎、西なら尼崎あたり。外国っぽい感じじゃなくて日本なんですよね。何気ない空き地みたいな場所も川沿いの国道脇とかにあるよくわかんない荒地っぽくて最高。カラーコーンとか単管バリケードとか鉄板とかビニールシートとかの無駄なこだわり感半端ないです。逆に工事現場とか見て「ファイナルファンタジーみたい!!」と興奮するようになりそうですね。工事現場ファンタジーです。

あとエアリスがどうなるか。
まあ今回はミッドガル脱出までなのでそもそも死にません。はっきり言うとネタバレになるので極力やんわり言うと死亡フラグは立ってるけど回避できる展開もありそうな感じです。今回キャラの肉付けが半端ないという話したじゃないですか。エアリスも半端ないんですよ。原作だと清楚なんだか尻軽なんだか守られなのか積極的なのかよくわかんないまま串に刺さって退場してしまったので「一体何だったんだあの女は…」と思いましたが、今回のエアリスはあざとくて可愛くてしたたかで悲壮感もしっかりあってすごくいい。好きになっちゃう。まあ次回作以降での死亡ルート回避可を匂わせるシーンが相当挟まれるので、80%くらいは安心していいと思います。あれで死亡不可避だったら鬼だよ鬼。


原作やってリメイクもクリアした人向けのネタバレ話

以下原作やった上でリメイクもクリアした人向け。もしくは「原作はやった、リメイクは内容気になるけどやるつもりはない」みたいな人向け。激烈ネタバレ。

これからリメイクやるつもりの人が読むと楽しみを損ねる可能性がありますので読まないで下さい。

「FF7のリメイクをやってると思ってたらFF7原作をベースにしたシュタインズゲートをやってた」って感じでしたね。まあいいと思いますけどね俺は。あんだけエアリスのキャラ盛って原作どおり死なせるのもキツいし、かといって原作を完全になかったことにするのもそれはそれでどうかと思うし。
まず原作にはなかったフィーラーという存在ですよね。最初は幽霊かと思ったんですけど全然違いました。あれが湧いて出てくるのって原作と違う展開になりそうな時なんですよね。だからメインキャラたちの邪魔をすることもあるし助けることもある。原作シナリオからズレそうになればなるほど数が多くなって群れみたいになる。最後のほうでは神羅ビルが見えなくなるほどの大群。しかも最終チャプターの題名が「運命の特異点」。もうパラレル展開の示唆以外の何物でもないですね。演出そのものがメタ気味だし。

今後出るであろうFF7-2、3といった続編をまたいでマルチエンディングが前提のシナリオです。あくまで想像ですけど分岐のひとつはまあ十中八九エアリスが死ぬかどうかでしょうね。原作どおり「エアリスが忘らるる都でセフィロスに殺されてその後ライフストリームの一部となって最後に世界を救う」というのがFF7が本来向かう“正史”なんだと思います。それを大前提とした上で運命が変わるか変わらないかどうなるかといういくつもの結末が用意されてそう。仮にエアリスが死ななかったとして、その先にセフィロスが星をぶっ壊す展開、セフィロスを倒して星を守る展開とかいろいろありそうですね。この分岐が本格的にハッキリしてくるのはおそらく7-2以降でしょう。シュタインズゲートって言ったけど厳密に言えば真女神転生やジルオールのほうが近そうです。

追加要素としてこういう示唆が挟まれると「トゥルーエンド追加!?」「原作と違うストーリー!」と断定しがちじゃないですか。でも実際、あの匂わせ方はトゥルーとか違うストーリーとかじゃなくてマルチエンディング化と捉えたほうがいい気がします。「原作と同じ展開になるかもしれない、ならないかもしれない、原作展開も可能性のひとつ、違う展開も選べる」という示唆に感じました。
実際、原作やってない人が普通にプレイしたら「俺たちの戦いはこれからだ!」という話にしか思えないんですよ。ああ、ここ本当すごいと思いました。原作やってる人なら「生まれ変わったFF7のゲームキャラが23年越しにゲーム世界の運命までリメイクする」というメタ張ってるとこまでわかりますけど、原作やってない人からするとただの「俺たちの戦いはこれからだ!」なんですよね。あの後半の流れは原作やってるか否かで受け止め方が全然変わるしどっちでも楽しめます。ダブルミーニング的な塩梅のバランスがすごいと思いました。


以下ちょっとした不満点。不満なので読み飛ばしていいです。

登場人物の顔が全員整形っぽい。特に人気キャラ。誰もかれもこれ見よがしな並行二重で目と鼻の間隔やたら狭い。鼻筋細くて高い。顎シュッとしてる。こんな顔の人間は歌舞伎町や銀座でしか見たことない。皆さん同じクリニックで整形したんでしょうか。逆にバレットの顔とかホッとするもん。こんな不自然整形顔の嵐ならもう少し崩し気味でも自然なほうがよかった。

ウォールマーケットのストーリーただの龍が如くじゃねえか。「クラウドの女装が人気シーン」というのに引っ張られて盛り過ぎた感がすごい。ウォールマーケット自体もともとそういう場所だからある程度はいいかもしれんけど完全にやり過ぎでしょ。メインストーリーであれはキツい。突然始まるダンスのリズムゲーとか龍が如く0で完全に同じことやらされた記憶ある。

最終バトル前のバイクバトルめんどくさ過ぎ。アクション苦手なので2回もゲームオーバーになりました。これは原作にもあったやつだからそれ自体はいいんだけどここで区切るなら最終手前でこのダルさは勘弁して欲しい。テンポ最悪。新キャラのリーゼントの人出てくるかと思ったら出てこないしマジでなんなんだよ。


という不満点は多少あったものの総合的にはめちゃくちゃ楽しかったです。まだ発売したばっかりなんでTwitterにネタバレ込みで書くとこれからやりたい人たちに迷惑かけるけどどうしてもネタバレ込みで語りたかったのでnoteに書きました。

FF7リメイク面白かったです!!

Twitter:https://twitter.com/haru_yuki_i