PANCRASE 344、345 カード紹介

PANCRASE 344、345のカード紹介


344 ① ストロー級 渋井宏行vs日向優希

渋井はTHE BLACKBELT JAPAN所属でデビュー戦。昨年の11月にてアマチュアパンクラスフライ級オープントーナメントでパウンドアウトでTKOにより優勝でプロ昇格権利を掴んだと思われる。調べたところベースとなるのはBJJで入賞経験もある強豪。※キッズ空手で同姓同名の名前の選手も出たが真偽不明。

トーナメント決勝戦を見る限りはやはりグラップラーであり受けの打撃対応に難が見えた印象。反面、相手の首投げを持ち上げスラムするなど組の実力の高さが見えた。 トーナメントから半年が経過したこと、強豪揃いのTBJで揉まれている経験からどれだけ積み上げれているか楽しみ。

日向は新潟イエローマンズ所属、本年NBTでデビューも優勝した船田に敗北、これが再起戦となる。特徴としてはローとワンツーで攻める印象。特に船田戦では真っ直ぐのジャブとストレートが良かった。結果的にストレートに合わせてカウンターテイクからやられてしまったが幾度と良いパンチも当てていたので武器として磨いていることを期待。新潟イエローマンズとしては伊藤が移籍、高杉が引退したという話もあり数少ないプロ選手。個人的にNEXUSの河村チャンプが一時的に在籍していたこともあり応援している事務でもあるので泥臭くとも勝利を摑めるように期待。

渋井の寝技か日向の打撃の構図と思われる試合、互いの長所が自分の弱点と思われるマッチメイクだけにどちらが得意分野を押し付けて勝利できるか。

344 ② バンタム級 渡邉泰斗vs佐藤ゆうじわ

渡邉はサツキジム横浜所属。本年NBTにてデビュー戦、序盤はフレームの大きさを活かしたローやパンチで優勢も足を滑らせたところに宮下に組み付かれバックを取られる。これは対処もスクランブルから腕を取られて一本負け。アマチュアパンクラスのトーナメントでもポテンシャルを感じただけにプロのレベルの高さを感じさせられる敗北だった。

佐藤はボンサイ柔術所属、全日本ノーギ柔術選手権アダルト青帯オープンクラス優勝という実績を持つ。DEEP浜松でのアマチュアの試合を見たがボクシングの構えから綺麗なストレートの打撃と一瞬の隙を逃さずスタンディングでニンジャを極める爆発力が印象的だった反面、柔術家らしく相手のワンツーをもろに受けるなど打撃対応の甘さは感じた。

フレームの大きさを活かした打撃で攻めていきたい渡邉と得意の柔術を活かしたい佐藤、個人的に期待の新鋭対決!

344 ③ NBTフライ級 準決勝 饒平名知靖vs山崎蒼空

饒平名は1回戦の細川、2回戦の名久井ともに得意の寝技からコントロールし盤石の勝利を掴んだ。K太郎道場所属らしい組みの強さはもちろん、リードの打撃も決して悪くない印象がある。

山崎は1回戦佐々木をRNC、2回戦のRYOTAをパンチラッシュでTKO勝利で準決勝進出。これでデビュー3連勝のマッハ道場期待の新星。打投極全てに卒がないが、特にフィジカルの強さを活かした組からのスクランブルの強さは特筆。打撃を受けるシーンもあるがすかさずテイクに持って行くなど気持ちの強さも魅せる。

共に組みの強さを魅せる両者、組で勝負か打撃に行くのか、両者の勝利へのプランも楽しみな一戦!!

344 ④ フライ級 大野友哉vs小林了平

大野はTHE BLACKBELT JAPAN所属、ここまでのパンクラス戦績は4勝2敗(不戦勝含む)でここ2戦は連勝中。タイプとしてはグラップラーで前戦ではオタツロックてコントロールし最後はツイスターで仕留めるなど快勝。TDから素早くポジションをとりしっかりとコントロールする動きはさすが名門THE BLACKBELT JAPAN所属といったところ。

小林はSONIC SQUAD所属のストライカー。NEXUSのトーナメントを16歳で優勝しプロデビュー、NEXUSでは5勝2敗もそのうちの1敗は現NEXUS王者であり元パンクラスタイトルコンテンダーの宮澤に挑んだ試合でもあった。パンクラスデビュー戦では現ストロー級王者の黒澤と対戦も1R KO負けと苦杯を舐める結果に。今回、約1年ぶりの再起戦に挑む。

タイプとしては公式の紹介どおりのストライカー。SONIC SQUAD所属でもあるしNEXUSでは寝技ができるところも見せていた記憶はあるが、それよりも印象強いのはセコンドの指示に従わず打撃で挑む気質。KOへの渇望は若干20歳の若さを感じさせると同時にプロ意識の高さとも取れるがMMAは打投極の総合力の競技、冷静に試合を組み立てることができれば一段上に行ける可能性を秘めた選手と感じている。

グラップラーの大野に対して小林は如何にTDとグラウンドコントロールを対処し打撃を入れれるか。元NEXUSのスーパー高校生がパンクラス2戦目にしてポテンシャルを発揮するのか、それとも大野が連勝を伸ばしランキング入りへ手をかけるのか!!

344 ⑤ バンタム級 原田惟紘vsギレルメ・ナカガワ ※両者計量失格により中止

5年半の時を経て原田がパンクラス帰還!!2018年の合島戦以来、試合は組まれるも欠場もあり5年の歳月が経過。昨年の11月に地元福岡でBLOOM FCで復帰すると2022年NBT準優勝の上田と対戦、ブランクの不安もあったが上田を組でコントロールし復帰戦を勝利で飾った。

奇しくも前回大会では5年半前に対戦した合島が復帰しベストバウトに選ばれる大激闘の末に勝利を飾った。原田も合島に続く勝利を見せられるか。

ギレルメはボンサイ柔術所属。元々は出場予定は無く谷内が出場予定だったが怪我で欠場しチャンスが巡ってきた。柔術の強豪でありASJJFドゥマウインターナショナルで茶帯Wゴールドとのこと。また格闘代理戦争に出場していることから知名度もある模様(観ていないので良く知らない)DEEP浜松の試合も見たが相手のレベルもあり強いとしか言いようがない印象。

単純な柔術ならギレルメだろうがこれはMMA。原田は打投極の総合力とキャリアによる試合運びの上手さを見せられるか。個人的にはやはり原田にベテランの意地を期待したい試合。

344 ⑥ フェザー級 糸川義人vs小森真誉

糸川は元パンクラスランカーの杉山和史が主催するTURNING POINT所属のストライカー。2022年NBT優勝しランキング入りも3連敗。名田戦、岡田戦では中盤より腹をくくり打撃を繰り出すなど健闘する場面もあったが結果が出なかった。しかし前戦での櫻井戦では吹っ切れたかパンチと蹴りの手数で勝り判定ながら連敗をストップさせた。TDDなど粗いところはあるもののフィジカルの強さを感じさせる肉体から繰り出す打撃は魅力的。スロースターターが弱点ではあったが櫻井戦の勝利で自信をつけて積極的に攻めるも場面を見せてほしい。

小森はGRABAKA→ロータス世田谷のグラップラー。パンクラスでは5連敗と結果が出せなかったが昨年11月に若手の望月と対戦。TDからバックコントロールとキャリアの差を見せる快勝で連敗をストップさせた。グラップラーではあるが打撃が出来ないわけではなくNEXUSの島村戦ではミドルでペースを掴む姿を見せた。※一方で宮平戦ではミドルにパンチを合わされてKOに繋げられたが。

ランキングではNBTを制した糸川が上ではあるが、MMAキャリアをみると小森のほうが上と思われる試合。小森としてはリスクを減らしTDからコントロールしたい試合と思う。対する糸川はTDを恐れずに序盤からの打撃で攻めて行ってほしい。

小森がランキングを奪うのか、それとも糸川が上昇させるのか、フェザー級サバイバルマッチ!!

344 コーメイン 上田将年vs眞藤源太

上田はパンクラスフライ級を長年支えるベテランファイター。パンクラス参戦は1年半振りとなるためにランキングからは外れたが、それまで9年間絶えずランカーで戦ってきた。フィジカルを活かした柔道ベースの組みの強さ、特に4つの強さとTDからの盤石のトップコントロール。そして一撃必殺のハイキックを武器とする。一方でハイに拘りすぎて空回る試合もあった。ここ数年はタイトル戦まであと一歩も猿飛流、小川、鶴屋、伊藤といった王者や後の王者に敗北。

連敗のなか心機一転、地元のBLOOM FCのメインイベントに出場、大歓声を背に執念で勝利で飾る。

そして今年二月RIZIN佐賀大会に出場し伊藤裕樹と対戦。願ってもない大舞台の試合も強豪相手に苦しい試合を強いられ敗北。

色々な決断があるなか、今回パンクラスにて復帰し若手の眞藤とのサバイバルマッチに挑む。

眞藤は2023年NBT準優勝のKINGCRAFT所属の若手ファイター。啓之助の弟子でありJ太郎とも練習している姿がSNSで見られるなど打撃も組み共にこなせるオールラウンダーの印象がある。特に打撃はボクシングの上手さとカーフの強さがあり、寝技についても三角絞めやRNCで一本を決めるなどフィニッシュ力の強さがある。一方でTDDの甘さやボトムからの自信がある故にトップをコントロールされ敗北する試合など弱点も感じる。

ベテラン上田に対して新鋭眞藤をあてるサバイバルマッチが取りたざされる試合ではあるが、眞藤サイドから見るとTDDやトップコントロールへの対処の甘さへの対策を問われるマッチメイクであり実に坂本さんらしいカードと想う。

個人的なに両者好きな選手ではあるが、これまでの思い入れも含めて上田選手に勝利してほしい試合。勝利の喜びを味わえるのか、現実の残酷さに苦杯をなめるのか

344 メインイベント キム・サンウォンvs中田大貴

サンウォンはRTU出場も本契約に進めずパンクラス参戦、初戦は難敵名田に対して打撃でダウンを奪い組みでコントロールして判定勝利。2戦目は高橋遼伍と一進一退の試合もパンチで高橋の目をカット(負傷?)させTKO勝利。現在はランキング4位につける。RTUでは修斗王者SASUKEに勝利した実力をパンクラスでも遺憾なく発揮し、高いレベルでのオールラウンドの技術とフィジカルの強さを感じさせる。

中田はRIZIN出場経験もあるストライカー。前戦は高木凌とのパンクラスフェザー級最強ストライカー決定戦に挑むも高木の豪腕に沈み撃沈。ガードを上げて前蹴りで距離を測りながら前進するといういつもとは違うスタイルで攻めるもその前蹴りにパンチを合わされてしまった。本来は3月大会にて復帰予定だったがシュウジヤマウチの玄米で試合が飛んでしまい約1年ぶりの復帰戦に挑む。スタイルとしてはミエテイレバキカナイ教と言われる肉を切らせて骨を断つゾンビ戦術ではあるが、高木戦を見るとスタイルチェンジを考えているようにも見える。また三宅戦での大逆転チョークやレベルGに出場などグラップリングの向上も著しい。とはいえ三宅戦ではTDからコントロールされており、1年の積み上げでどれだけ改善できているかは注目。

オールラウンドで勝負できるサンウォンとしては相手の土俵での打撃戦よりも組みを本命としてプランを組み立ているか。中田としてはスクランブルで勝り得意のパンチをねじ込みたい。 

パンクラス344メインイベントはフェザー級サバイバルマッチ、"次の次"のタイトル戦に近づくのはどちらだ

345 ① バンタム級 友寄龍太vsさぶろう

友寄はパラエストラ西東京所属、今年4月のアマチュアパンクラス東関東選手権Sクラストーナメントで優勝しプロ昇格。本トーナメントはワンマッチトーナメントながら友寄はキレのあるパンチとロー、組んでからのTDやスクランブルからすかさず腕をとる仕掛けの早さなど目を見張るものがあった。

さぶろうは今成柔術所属、東京ケージファイト10 Sクラストーナメント優勝でプロデビュー。本名?は鈴木陽介であり何故さぶろうなのか謎が深まる。トーナメントでは1R今成ロールっぽく足間を狙うもカウンターの肩固めで抑え込まれる。しかし終盤にリバーサルすると、2Rにはテイクダウン時に相手の足を巻き込む形で倒し負傷TKOで優勝を果たした。正直なところ実力が不明瞭であり色んな意味で謎が多い。

アマチュアの決勝戦だけみると友寄がパフォーマンスを発揮したように思えるが、175cmと長身のさぶろうとは10cm近い体格差がある。さぶろうがリーチを活かしてロングレンジから振り回す打撃や絡みつく寝技を見せてくるか? 

デビュー戦同士のプレリム第1試合!

345 ② ウェルター級 渡邉ショーンvs武者孝大郎

渡邉は暁道場所属、デビュー戦は現ランカーの佐藤と対戦。果敢に打撃戦を挑むも秒殺KO負けと苦いデビュー戦となった。

武者はマスタージャパン所属、パンクラスでマスタージャパンの選手がデビューするのは珍しい。アマチュアではこちらも佐藤と対戦。佐藤のパンチにダウンを奪われるもTDでコントロールし一矢報いる内容だった。

アマプロの違いはあれど共に佐藤に敗れた両者、佐藤を追いかけるためにもまずは第一歩を踏み出したい

345 ③ フライ級 大塚智貴vs山崎聖哉

大塚はランキング4位。どんなに劣勢でも決して引かない気持ちの強さを武器にパンチと蹴りを混ぜながら前進し、近距離からテイクダウン&パウンドで攻めるボクレススタイルが持ち味のファイター。前戦までストライカーに2連敗中だったが、昨年NBT準優勝の眞藤に1Rは苦戦も得意のレスリングで2R3Rを取り返し逆転勝利で連敗をストップさせた。

山崎は昨年NBT優勝者。優勝後の初戦は上位ランカー濱田と対戦、元キックランカーの濱田の打撃を恐れず果敢にパンチを繰り出し柔道で崩そうとするもカーフを効かされ🌙で削られ最後はパンチでTKO負け。再起戦はまたも上位ランカーの大塚、厳しいマッチメイクだが期待されている証拠か。スタイルとしてはこちらも気持ちの強さを武器にパンチの圧力から接近しテイクダウンするボクレス(柔道)スタイル。

大塚、山崎共にボクレスを武器に積極的に仕掛けるタイプであり、スタイルとしては非常に似ている印象がある。大塚としてはNBT準優勝の次は優勝者を返り討ちにしポジションを盤石としたい。山崎としては優勝者としての意地もあるだろう。

タフな両者によるフライ級サバイバルマッチ、非常に楽しみなカード!!

345 ④ ライト級 西尾真輔vs神谷大智

西尾はぶん殴りマッスルの異名をもつ肉弾ファイター。パンクラス3勝2敗ながら3勝は全てKOとパンチの破壊力が売りのストライカー。一方でグラウンドでの対処は弱点であり、特に松本戦では立ちにいかず腕を巻いてしまい防戦一方の試合となってしまった。

神谷はBRAVE所属、プロキャリア無敗のグラップラー。前戦は西尾に勝利したこともある暴走柔術平と対戦。得意のグラップリングで平に暴走をさせず制圧し続け最後はRNCで仕留めた。これまでコントロールが目立った神谷だが一本極めれることを証明した大きな勝利に感じた。

西尾としては神谷にTDをされると厳しい試合になるのは明白、読まれていると分かってきてもゴング&ラッシュを仕掛けたいか。対する神谷としても西尾の圧力は驚異的、一発喰らわないもし喰らっても組み付き粘り自分の試合を作りたいか。

打撃vs組技、分かり易い構図のライト級ランカー対決、上位ランカーに殴り込むのはどちらだ

345 コーメイン フェザー級王座挑戦者決定戦 平田直樹vs Ryo

平田直樹はご存知平田樹の実兄。DEEPでデビューしプロスペクトも海外修行の末に昨年パンクラスに電撃参戦。通常であれば鶴屋怜のようにランカーと組まれてもおかしくない立場と思われたがプレリムに出場する異例のマッチメイクも4戦4勝で一気に上位ランカーへと駆け上がった。遠藤戦こそ遠藤粘りで後半巻き返される展開も、元タイトルコンテンダー亀井に対しては得意のグラップリングで完勝と圧倒的な強さを見せつけた。

Ryoはアウトサイダー出身であり前田日明氏のRINGSを背負うグラップラー。前戦はプロスペクト栁川唯人と対戦すると一進一退、まさに死闘の大激闘を繰り広げると最後はスクランブルからの電光石火の腕十字による衝撃フィニッシュを見せた。そしてRyoといえば透暉鷹戦での劣勢のなか残り0秒で決めたギロチンチョークなど最後の0秒まで油断ができない極めの強さを武器とする。打撃についても中田戦での打ち合いなど気持ちが乗ったときには高いパフォーマンスを見せる。

共に大枠のスタイルとしてはグラップラーだが、平田がポジショニングから試合をコントロールするのに対して、Ryoはスクランブルや一瞬の隙を逃さないフィニッシュ力を武器とする。単純なグラップリングなら平田のほうが上と思うがこれはMMA。グランドスラムの勝村代表の戦時含めてRyoは平田にどう立ち向かうのか。

新居すぐるの王座への挑戦権をかけたパンクラスフェザー級屈指のグラップラー対決!!

メインイベント ミドル級 内藤由良vsアリ・カラダギィ

パンクラス345、そして昼夜興行の最後を締めるのはミドル級王者内藤由良!!

海外を見据え国内ラストマッチを掲げ2年振りの試合となる試合だが対戦予定だったディラン・オサリバンがトラブルにより欠場、代役としてアリ・カラダギィが急遽参戦し試合が組まれた。

内藤としては2年間で積み上げたMMAを発揮し圧倒的な勝利を見せつけたい。対するアリはムエタイ•ラウェイ経験を活かしてアップセットを狙いたい。

パンクラス344&345 大トリらしいフィニッシュを期待!! 

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