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マーケターとして観た都知事選挙の考察

こんにちは春野です。
note久しぶりになってしまいました。

初めて私のnoteを読んでくださった方に向けて自己紹介ですが、
私は企業でマーケティング(商品企画・プロモーション等)の仕事をしています。

表題に関して、今回の都知事選が過去に類を見ないほど盛り上がった点に関しては言及の必要はないかと思います(私は都民ではないので選挙権もありません)

私自身が誰の公約を評価していたかはさておき、客観的にマーケターとして今回の展望を考察したとき「石丸氏が10代20代の多くの層から支持を獲得し彼らを動かし、選挙会場へ向かわせ、リアルで投票させた」というファクトは興味深いです。

というのも10代・20代の層は「オンラインでの買い物が当たり前」「コスパ/タイパ主義」「個人の価値観が多種多様」な世代です。

仮に投票をCVとする場合、選挙はリアルCVのみのです。CVした前後での変化もすぐには現れませんし、変化したか否かもあやふやです。CVするためにわざわざ指定の場所へ行かなくてはいけません。コスパもタイパ共に最悪です。

ですが10代・20代の支持は石丸氏が最も多い結果となりました。

石丸氏は小池氏・蓮舫氏と比較して出馬を表明するまで知名度が高かったとは言えません。選挙戦を通じて石丸氏を知った10代・20代も多いと想定しています。

このような状況で如何にリーチを獲得し、興味関心を醸成させて、リアルCVへの導くジャーニーを描いたのか(偶発的に産まれたのか)は彼らの購買行動を理解する上での手掛かりになる可能性があります。

ここから私自身の考察です。
(論点にするつもりはないので、石丸氏の公約や人柄には全く言及しません)

多くの要素があるかと思いますが、大きく三点がポイントだと思いました。

1 切り抜き動画/引リツによるウインザー効果
2 圧倒的な小池氏有利によるアンダードッグ効果
3 根底にある懺悔と自己肯定感への欲求

まず1です。
ウインザー効果とは「第三者の紹介」が当人の紹介よりも信頼できてしまう現象の事です。
石丸氏の動画は切り抜きや引リツで幅広くリーチしていました。石丸氏が自身の活動により伸ばしたというより、支持者が他者を巻き込むようなムーヴメントをSNS上で起こしたと言えます。おそらくその第三者による投稿が「石丸伸二」を認知した瞬間になった人も多かったと想定しています。いわばウインザー効果による認知が形成されやすい空間であったと思われます。

次に2です。
アンダードック効果とは「負けているチームを応援したくなる」アレです。テレビを含めたメディアでは当初「小池氏VS蓮舫氏の一騎打ち」という報道がありました。石丸氏はいわばチャレンジャーです。前述しウインザー効果で認知した「石丸氏」が実は圧倒的劣勢であるという点が、若者からみても「応援したくなる」という点があったといえます。かつテレビでは報道は少なく、それが「何か巨大な大きな力」によるモノだと想像し彼らのアンダードッグ効果を助長させたとも考えられます。

次に3です。
これは私の妄想100%です。「償い消費」という言葉があります。ラーメン二郎食べた後に黒烏龍茶を買うアレです。今まで「政治に関心ない」「選挙行ったことない」けど、心のどこかで「ほんとはいかなきゃな…」と思っていた都民の若者も多かったのではないかと考えています。そんな彼らにとって国政選挙よりは都政の方が身近でイメージしやすい物だったのではないかと考えています。「選挙に行ってない」という懺悔を「選挙に行ってみた」という形で償い自己肯定感をあげることができたと感じる層が一定層いたのではないかと考えます。彼らにとって選挙戦の勝敗はさておき「選挙に行った自分」という自己肯定感が上がった点はメリットになり得ると思われます。あくまで妄想です。

これら全てがネットというクローズドな空間で行われたこと。特に1と2に関しては自身がアーリーアダプターの状態から他者へ鍵垢で引リツすることで次のイノベーターを作っていくことに成功したと想定しています。

とはいえ如何なる理由であろうと、若者が選挙に行く契機となったのであれば非常に良かったのではないかと個人として考えています。

全て個人の意見です。
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