戦術的に面白い試合だったはずが...?結局個に帰結したというお話。<備忘録>
試合情報とデータからの考察
※SPAIAというサイトのデータを使わせていただいたため公式データとは少し差があります
楽しみだった試合
個人的に筆者が楽しみにしていた試合がやってきた。大宮の戦術レビュワーとはいつもお話しさせていただいてたり、もちろん自動昇格候補との試合ということで結構今年の命運もわかるんじゃないかなという試合だと筆者は思っていた。
ヴェルディは前節甲府戦同様の3-4-2-1の布陣。奈良輪に代わって永田が移籍後初のスタート起用。
対する大宮は数節前から選択している3-1-4-2の布陣。
この試合の試合前のポイントとしては中盤での数的な差異があることだ。果たして人数の少ないヴェルディが先手を取るのか、人数の多い大宮が先手をとるのか、そのあたりがとても注目であった。
それではいつも通り攻撃と守備に分けて振り返りたいと思う。
攻撃
攻撃時の形は4-1-5から2-3-5へ変形するいつもの形だ。
基本的な攻撃経路は大宮のIHのプレッシャーが中途半端だったヴェルディの2CHからサイドへ展開。特に純輝のいる右サイドでは、梶川が下りてHVの河面を引き出してからの攻撃が主だった。しかし1v1に持ち込めるとはいえ、大宮DFにはいい状態でクロスをあげさせてもらえなかったこと、中に枚数がかからないこと、などなど押し込んでたのにさほどチャンスがなかったのが現状である。実際試合を通しての枠内シュートは1本である。
またそれらしいシュートを放てたシチュエーションは遠目からのミドルシュートのみでありゴール前にはあまり近づけなかった。PA内でのプレー回数が大宮よりも11回少ないのが物語っている。(ヴェルディ15回、大宮26回)
結局チャンスメイクの時点でゴール前への侵入経路がPA脇からの浮き球のクロスボールなのに中に人数がいなかったり、ミドルシュートだったり、あまりにも技術的負荷が高すぎるのである。前半の35分あたりまでは一見押し込んでいたが、真ん中を閉じられたためにサイド攻撃を強いられていい攻撃ができてなかったともいえるのではないかなと思う。
とはいえかなり押し込まれた大宮は37分辺りで3-4-2-1へ変更。完全なミラーゲームにしてくる。
こうなってからは攻め手がなくなってしまう。マンツーマンになってしまったので中盤の補助に優平が下りていく。もともと優平がいたところに林や梶川、途中出場した端戸がらが全員入ってきてしまい、チャンネルやサイドの攻略にコストがかかりすぎ、中に人がいなくなってしまう現象が多くなってしまった。これはサイドにストロングがあり、かつ繋ぐチームの宿命になるだろう。正直、この問題点は今に始まったことではない。コンビネーション重視のこのチームには常に付きまとうリスクである。これが相手のマンツーマン守備によって露呈してしまう結果となった。
攻撃は正直光るものがなかった。セットされてからのサイド攻撃一辺倒だと得点の匂いを感じなかった。セットプレーの点数が多かったり、クロスからの点数が多いのはいいが、中央からの攻撃ができないことには、これから難しさが増してくるのではないかと感じた。あとはそのためにもボールを収められて、ゴール前に常駐できるCFが欲しいと感じた。(大宮が羨ましい)
もちろん甲府戦のことは忘れてはならないが、自分たちの長期ポゼッションからの得点は無かったことも考えていかなければならない課題だと感じる。
守備
大宮は左サイドでの攻撃では三門が左のWBの位置に入る3-4-3、右サイドでは小島が前線の右に出る4-2-4と左右で攻撃時のフォーメーションが違うスタイルだった。
三門がサイドに流れる3-4-3は少し対応しづらいものだった。どうしても梶川に2択が突き付けられてしまい前進を許しているシーンもいくつかあった。
4-2-4の寄せ方としては2CHがボールサイドから埋めてヴェルディの逆サイドのOHが余った中盤の選手をマークする形を見せていた。ただOHが間に合わないシーンでは2CH脇を使われてPA付近への侵入を許していた。
またヴェルディと徹底的に違ったのはPA内への侵入経路と方法だ。侵入経路に関しては縦方向(PAアークのある辺)からが多く、方法に関してはグラウンダーのボールが多かった。それはもちろんCFにファンマというポストプレーの得意な選手がいたことや、センターレーンやハーフスペースで前向きにチャレンジできる状況を作り出していたのもあった。こちらの方が技術的負荷が低く、しかもそれを質の高い選手がやるのだから、チャンスは多かった。ただヴェルディも守備時に5バックを敷くので最後のところで体を張り止めれていたのが幸いだった。
前半はハイプレスも決行していたものの、蹴られた後にファンマが競った後のセカンドボールを拾われてしまったりと、2CHもハイプレスに参加することへのリスク管理もかなり重要になってくると考える。
そして大宮が攻撃時3-2-5に変更。
そこからはヴェルディの全体的なプレッシング強度が落ちてしまい、ライン間を使われてしまったり、サイド攻撃でも何人もPA内にいて技術的負荷が少しでも落ちる攻撃をやられていた。5トップのハーフスペースの茨田やバブンスキーのボールの受け方が巧みかつ、ファンマ(シモビッチ)の衛星的な役割を引き受け、攻撃の活性化につながっていた。
個人の質に帰結した
自分がこの試合を見て思ったのはここである。この試合で大事だったのは両チームの中盤でプレーした選手の質とCFの選手に関してだ。
中盤でプレーした選手に関しては、ヴェルディはボールの近くでうまい選手が多いのでビルドアップは上手いが、いかんせん前線の5人がマークにつかれるとフィジカル的にキープしきれないので、相手の選手がいないエリアに進み、ゴールから離れていく。
大宮の選手はあまり寄って受けには行かないけど適切なポジショニングでゴールに迫りつつ、ボールキープに長けた選手たちでもあるので、もちろんチームの戦術もあるが、この違いが大きすぎると感じた。これがあるだけでも中央からの攻撃もあり、攻撃に幅が出る。
CFに関しては真ん中に居つつ、ポストプレーができる選手の存在がこの試合の違いだったのかなと考える。センターレーンで多くプレーできていたファンマなんかは違いを見せていた。もちろん衛星的な役割の選手を置いていたのも良かった。
戦術選択は所属する選手の特性を大きく考慮する。CFに真ん中に常駐してポストプレーのできる選手がいたかどうかが今節は内容を分けた。パスワークの頂点としてPA内侵入の手助けとクロス・ロングボールターゲットとしての機能だ。
そういう意味で真ん中という選択肢が少ないヴェルディはゴールから遠ざかり技術的負荷が相対的に上がっていき、大宮はその逆の運びとなった。
つまり個人の質やタイプがもたらす戦術選択の幅により、真ん中から攻めれるか攻めれないかで内容に差が出てしまったという結論に至った。
まとめ
今回のレビューは備忘録なのでかなりわかりずらいのはご了承いただきたい。でも現地で見たよりも、内容は悪かったんだなと感じた。
技術的負荷の落ちるサッカーは自分も大切にしないといけない考えだなと感じた。そのためのポジショニングであり、技術の基礎基本であると考えた。
また読んでいただけると嬉しいです。
あと最初のパワーポイントの画像について感想や意見ある方はコメントやTwitterに気軽にお願いいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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