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豪華客船で働くなら圧倒的に鍼灸師がオススメである4つの理由


どうも豪華客船鍼灸師のリョウタです。

今は実家にてこの記事を書いています。

9月の半ばにローマのフィウミチーノ空港より帰国し、2ヶ月以上が経ち、やっと最近実家でゆっくりできる時間が増えてきて、無職らしい休日を過ごせる日が増えてまいりました。




『豪華客船で働くなら圧倒的に鍼灸師がオススメな4つの理由』

まず初めに海外に住みたい、何か挑戦したいと思った際、大体みなさんが思い浮かべるのが『留学』、『ワーキングホリデー』、『現地就職』みたいな感じだと思うのですが、それと同じくらいオススメなのが豪華客船で働くという選択肢です。

豪華客船で働くのは海外就職ほど難しくなく、それでいて留学よりもお金がかからず、ワーホリよりも貯金するのが簡単です。

それでいてクルー同士の共通言語は英語ですので、英語の上達が期待できます。

また日本に寄港する豪華客船の数は年々増えていっているので、クルーズ業界は日本人クルーを欲しています。

今回、もしあなたが将来、豪華客船で旅をしながら働いてみたいと思った場合、『鍼灸師』として働くのが一番オススメであるということについて書きたいと思います。

僕自身、6年間鍼灸師として豪華客船で勤め、色んな人を見て、色んな経験をした上で感じたことですので、良かったら参考にしてみてください。



1 オフィサーとして乗船できる

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まず豪華客船の中は人種、職種によって露骨なカースト社会を形成しています。

もう福沢諭吉もびっくり、“天は人の上に人を造りまくり状態”です。

このカーストを理解してもらうために必要な3つのクラスがあります。

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1つ目は『クルー』豪華客船で働く人の総称として使われることもありますが、基本的に船のカースト制度からすると最下層になります。

ハウスキーピングの人であったり、船内で備品が壊れた際の修理や、裏方の簡単な雑務をする人たちです。

この人たちが従業員の大半を占めます。

2つ目が『スタッフ』と呼ばれる人たちで、船内のショップで働いている人たちや、僕の同僚であるスパのメンバー、美容師さん、ネイリスト、マッサージセラピストの人たち。

基本的にゲストと直接接する機会が多い、接客的なポジションにあたる人がスタッフになります。


そして最上位に位置するのが『オフィサー』と言われる人たちで、基本的にお医者さん(船医)、部門のマネージャー、一等航海士、もちろんキャプテン、それから鍼灸師などこういった人達です。

このランクによって船内の生活の自由度と言うものがまるっきり変わってきます。

例えば、船内でご飯を食べる従業員食堂、これを「メス」言うのですが、クルーメス、スタッフメス、オフィサーメスというふうに分かれており、食事のクオリティーも全然変わってきます。

僕が勤めていたディズニークルーズでは、オフィサーメスにてハーゲンダッツが食べ放題でした。プリンセスクルーズでは高級レストランに行った時のように、メニューから料理をオーダーし、出来立ての料理を食べれるといったサービスもありました。

たまに友人の付き合いでクルーメスで食べたりすることもありましたが、基本的にクルーの人たちはフィリピン人、インドネシア人が多いので、彼らの食事傾向に合わせた味付けや、料理が多かったです。

そして種類も単調なものが多いので、長い船生活の中で結構飽きてしまいます。


またこのクラスによって船内で自由に行き来できるエリアと言うのも変わってきます。

例えばクルーメンバーの場合、ほとんどのゲストエリアに入ることができません。

もちろんゲストと同じショーを見たり、ゲストが立ち寄るレストランで食事をすることはできません。

しかしオフィサーであればゲストが楽しむショーを見たり、ゲストが行くレストランやバー、コーヒーショップに立ち入ることができ、何なら従業員割引でゲストが払うよりも安い金額で利用することができます。

またオフィサーは家族を船に招待できたり、ルームサービスを無料で頼めたり、至れり尽くせりです。

僕もロブスターをルームサービスで注文したりしていました。今後の人生において、ロブスターをルームサービスで注文することなんて、船以外ではありえないと思います。



2 収入が良い

同じスパで働くであるマッサージセラピストさん達と比較しても、彼らのコミッションはチップ込みで、だいたい売上の20%弱に対し、僕ら鍼灸師は30%弱あります。

たかが10%の違いと思われるかもしれませんが、例えば1ヶ月で100万円の売り上げを上げた場合、お給料が20万円か30万円では大きな違いがあると言えるのではないでしょうか。(これは売上が200万円、300万円と大きくなっていけばさらに広がります。)

またスパに限らず、他の職種で働く人たちにも聞いたところによると、お給料は10万〜30万弱くらいで、船のセキュリティースタッフがかなり良い方で25万円位。船内のショップで働いている人たちは月10〜15万円位がメインです。

それに比べて鍼灸師は月に50万円稼ぐ事は全然難しくないです。

何ならうちの会社で1番稼いでる鍼灸師は1ヵ月で300万円位稼いでいます。

豪華客船の場合、衣食住にかかるお金が無いので、別に月収が10万円でも、可処分所得としては陸で働くよりかなり多いので、全然生きていけます。

しかしせっかく同じように働くわけですから、どうせだったらお給料は良いにこしたことはないと思います。



3 休みが多い、自分でシフトが組める

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大体のクルーメンバーは1週間に70時間、1日10時間ほど働いていますが、鍼灸師の場合オフィスから科せられている労働時間は1週で約55時間です。

なので一般的なクルーに比べ、休みが多いです。

またスパマネージャーと良好な関係を築くことが出来れば、それよりもさらに休みが多くなります。

僕の場合、船が港に停泊している期間、例えば神戸に9時から夕方5時まで停泊していたとします。その間は死んでも働かないという鉄の意志でマネージャーとは話しをしていたので、寄港地に着いた際は全力で楽しむことができました。

豪華客船で働くということの中に、多くの人は旅行出来るということに期待していると多いと思います。

せっかくサントリーニ島についても外に出られないんじゃ、美味しい食べ物を前に食べちゃダメ!ってお預けをくらってる状態と同じです。

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憧れのエーゲ海 サントリーニ島


休みが多い、シフトを自分で組めるっていうのは船の生活を快適に過ごせる条件の一つだと思います。



4 シングルキャビン

豪華客船で働く多くのクルーメンバーはキャビン(部屋)をシェアしていますが、鍼灸師の場合ほとんどのケースで、1人部屋を与えられます。

キャビンをシェアすると言うこと、それはつまりプライベートな時間がほとんど無いことを意味します。

これも人によってはかなりのストレスになると思います。

ただキャビンメイトがいることによってのメリットと言うのも、もちろんあります。

例えば船内ではたくさんのクルー専用のパーティーがあるんですが、1人部屋だと仕事が終わって、部屋に帰ってベッドに寝転がったが最後、もう行く気が全くもって無くなってしまいます。

ですので僕はクルーパーティーにはほとんど参加していません。

しかしキャビンメイトがいれば、こういったことを防ぐことができますし、また大体の船では日本人のクルーメンバーは1人しかいません。よってキャビンメイトがいることによって英語が上達するというメリットもあります。



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以上4つが『豪華客船で働くなら圧倒的に鍼灸師がオススメである4つの理由』になりますが、書き出すと他にも色々まだありそうです。


日本社会においては『看板持ち・プラカード持ちバイト』にギリ勝っている『鍼灸師』ですが、船の中ではほぼドクターと同等に扱われます。

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※出典 給料バンクより



このような発信をしていると幸いなことに

「私も豪華客船で働きたいので鍼灸師になります!」

という嬉しいメッセージを頂くことがあります。

しかし鍼灸師という仕事は曲がりなりにも医療職です。


例えば腰の痛みによって歩けないゲストの方が、

「せっかく船旅に来たのに、これじゃどこにも行けなくて最悪だよ!」

といった怒りや不満を抱えマッサージに来たとします。

そして、そのゲストを担当したマッサージセラピストから頼られて、その方の治療を担当するなんてケースは多々あります。

僕たち鍼灸師にはそういった人たちを適切に治療し、快適に船旅を楽しんでもらうという責任があります。

その責任を果たすことによって、船では特権階級が与えられていることが大前提としてあるということを忘れずに、責任とプライドを持って、これから船で働く鍼灸師の先生が増えてもらえればと思います。

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では今日はこの辺でVon voyage!



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