ある手紙

思えば、最初から惹かれていた。

Twitterで数年前からフォローし合っていて、人としてずっと好感は持っていた。
その明るさや、怒りや悲しみという感情も含めての感情表現の素直さに憧れを持っていた。
鈍感な自分にはとても気づかないようなspiteも逃さず声を挙げたり、同時に友人たちへの惜しみない優しさも。とにかく、何一つ間違ったことは言っていない、自分や他者への愛情故の素直な言葉。
憧憬の眼差しを、画面越しにひっそり送っていた。

そうして、実際に会うようになって、いま思えば最初から惹かれていた。

それから、ドライブの道中で、好きな曲をのびのびと楽しそうに歌うその様子にも。歌声もとても綺麗で芯のある声で心に響くものだったし、何よりまじりっけもなく心からストレートに声となって表れてくるその歌声に、ますます心を掴まれた。

強くて愛情深さも感じる眼差しにも。心がそこから離れられなくなる、そういう力のある目をしている。

そして、かれこれ半年くらいが経って、あまりにたくさんのことが起きたし、その度にできるだけたくさんの時間を共有しようとした。
距離が近づけば近づくほど表れる自分の悪いところで、幾度も自分勝手な言動で蔑ろにして、その度に、もう一緒にはいられないかもしれないと頭によぎり、自分なんかじゃ大切にできないのではと自分を疑い、それでも、やっぱり離れることはなかった。離れたくなかった。
多分、出会ってからずっとそうだ。何があろうと、一緒に過ごせなくなるなんてことが考えられなくなっている。

I'm in love with the shape of you

なんていう、自分の中からは思いつかない歌詞のようなフレーズも、そのまま自分の気持ちに当てはまる。
さらに言うなら

I'm in love with the heart you have

というか

I'm in love with the way you feel and you do

と思う。

気づけばもう、離れるなどという選択肢が、自分の中にはなくなっている。
そんなことは、もう、できなくなっている。
そうなると、はなればなれにならないように、いや、自由を奪いたいわけでは決してないんだけど(もうとっくに依存してしまってはいるけど、それでも)、とにかく、共にいられるように、どうしたいか、それだけを考えればいい。
こんな単純なことを、つい簡単に見失ってしまうんだけど、でも、自分がしたいのは、こんなシンプルなことのはずだ。

その表情や、心を掴まれる眼差し(笑顔を見るだけでどれほど嬉しいか)、
どんなファッションに身を包んでも美しく映える姿、
完璧なスタイルと、美しい肌(見てるだけで子供に戻ってしまうような)、
無邪気で透き通った、心をストレートに映し出す歌声、
音楽や、その他いろいろなものへの愛情深さ(こんなふうに一緒に音楽をやりたいと思うのは初めてのことだ)、
自分自身や、他者への惜しみない愛情と、それを踏み躙るものへの激烈な怒りや悲しみ(もちろん、怒りや悲しみは、なくて済むならそれが一番だし、自分が踏み躙ることはもう二度とないようにしたいけれど)、
全てを鋭敏に感じ取ってきたその感受性、

それら全てが、自分には手の届かないような高いところで、ずっと輝いている。眩しく光を放っている。

その光のそばにいられることが、どれほど自分にとって幸福か。

だから、どんなワガママや気まぐれがあろうと、嫌な気持ちになんかなったことはない。
あるのは、それを無視してしまうような自分勝手さだけで、それでもただ、そばにいたくて応えられる限りのことをしているだけ。何一つ不満なんてない。
時々、怒りの感情に圧倒されてうんともすんとも口が利けなくなってしまうけれど、やっぱり離れがたくて、今度どんな言葉を伝えようかと、考えたりする。

その光が消えることなく、そこにあって、
また、自分がその近くにいることができて、
そこに音楽があって、
いつもその歌声を隣で聞くことができて、
それを形にすることができるなら、
それ以上のものはいらない。

きっと、他の人たちにとっても、大きくて眩しい光になっているはずだ。
僕はそう思う。
それにモヤがかかることがないよう、できることをしたい。
何ができるのかを知りたい。
どんな悪意も感じ取って、振り払えるような、鋭い心が欲しい。
その目が見ている世界を、もっと知りたい。

生きていてくれたら、
その光が翳ることがなければ、
そのためにできることがあれば、何でもしたい。

自己犠牲ではなく、その光のそばにいて、その光がもっと強く輝いて、もっとのびのびと、自由に歌えるーーーそのためにできることをしたい。
僕がいて、その歌声がもっともっと遠くに響くなら、これ以上嬉しいことはない。
ずっとずっと、そうしたい。

その、自由で無邪気で愛情深い心を、いつまでも。

どうかずっと、眩しいままで。




「君を自由にできるのは 宇宙でただ1人だけ」
その1人になりたい。

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