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視線誘導って絵に物語を作れるんだ!

視線誘導って意味わかんないって思ってたけど…
「絵の中に物語を作れる」必須アイテムじゃん!?

この記事は、しがない文字書きがお絵描きに目覚めてデッサンやクロッキーに励んでいたところ、ある日突然、視線誘導とは物語だ!とカッと目覚め、絵作りに励むようになった様をまとめています。

絵描きの方は「フフ、視線誘導など当然の嗜み、基礎科目よ」という感じなのかも知れませんが、私はあんまりピンときてなかったんですよね。たまに解説見かけるけど、画面がスッキリしたり、長い時間絵を見てもらえるようになったり、漫画が読みやすくなったりするらしいって…そこまで意味あるのかな?って。私は漫画はあまり描かないし。だから、視線誘導ってあれば嬉しいけどなくてもいいんじゃないの? と思ってたんですよね。

しかし今なら言える。そんなことない。
視線誘導は絵に物語を作るための必須アイテムだ!

無関心層の私がなぜそう思うに至ったか、視線誘導に感じた可能性って何か、じゃあ実際にどう取り入れてみたの? あたりをこの記事ではまとめていきます。

視線の流れと物語を意識して画面を作るようになったら、構図いいじゃん!て思うことも増えたし、景観を描く意味が自分の中で生まれました。これまでより、しっかり意図を持って画面全体を構成できるようになった効果だと思います。

視線誘導がピンと来てない人がこの記事を「なるほど面白いかも」と思ってくれたり、未来の自分が見返して「こいつめっちゃ楽しそう」ってなったりしたらいいな。

よーし、行ってみよ!

●これまでのお絵描き記録
しがない文字書きが突然お絵描きチャレンジを始め、エンドレスお絵描きロードを走ってきたアレコレが書いてあります。

デッサンの仕方を教わって、これがこうなってこうなっていくあたりとか記録してある。

お絵描き記録1〜2の経過


●大事なこと

しがない文字書きの私がお絵描きに目覚めることになった『音楽朗読劇 黑世界 〜雨下の章/日和の章〜』と、推しで主演の鞘師里保ちゃんをよろしくね!! 黑世界を見ると文字書きも絵描きになっちゃうんだ! 鞘師里保ちゃんは2nd EP「Reflection」が最高だったし、この四月からNHK高校講座の英語コミュニケーションIでMCしたりするからよろしくね!! 鞘師ちゃんを推してると絵も上手くなるし英語も喋れるようになる!!

よし、本編!

そもそも視線誘導ってなに?

これです。

視線誘導とは「絵を見る人の視線の流れを意図的にコントロールすること」。そして視線のコントロールの方法は大きく5つ。

  1. コントラスト … コントラストの強いものにまず目がいく

  2. シルエット … 物と物を線(川でも煙でも)で繋ぐと視線が沿って移動する

  3. 空間 … 広い方→狭い方と動きがち

  4.  … 同系色が複数あると追いかけてしまう

  5. 目線 … 画面上の人の見てる方向を追う

いちあっぷさんの記事はよくまとめて下さっていて、とても参考になります。(他の記事や書籍などをみるともう少しルールはあるっぽいです。)

一方でこんなに使い方やルールを説明していただいても、私はやっぱり視線誘導を使う意味はピンと来なかったんですよね。目覚めるには時間が必要でした。

視線誘導を使う意味=画面全体に意味を与える

視線誘導は知りつつも私とは関係ないテクニックかな、と思いながら過ごしていたある夜。Twitterである一枚のイラストが流れてきたんですね。

それは横を向いている女性のバストアップで、すぐさま左目に注意が吸い寄せられました。しかも、左目に惹きつける力はなかなか感じたことのない吸引力の強さで、目の中をキラキラに描き込んでるだけで出るパワーじゃないな、って直感する程のものでした。

どうしてそんな強さを感じるのかな?と考えながら見てたら、その左目の点だけを強調しているのではなくて、周囲からそこに向かう流れがあるからだ!と気づいたんです。周囲から左目に向かう流れというのは、前景にかなりボカされて舞っている花びら、腕→肩→顔→目と駆け上がっていく画面効果と色などで作られていました。目まで行ったらそのあとは、背後に広がる遠景に視線が抜けていく、そんな出口まで作られている印象です。

点と流れの印象の差(実際には前景や背景もあり、もっとダイナミックな流れがあった)

横向きのバストアップで目を強調する、というある種単純で誰もが描いたことがある絵。それを目だけを描き込むだけではなく、画面全体で「そこに至る流れ」と「そこから抜けていく流れ」を作ることで、左目という見せたいものをより強固に際立たせられるんだ!!! 知ってしまった!! スッゲーーーー!!!

あ、もしかして…これが……視線誘導!?

視線誘導を使う意味を見出せそうな予感がします。ここで少し考えてみると、視線誘導のポイントは三つでしょうか。

  • 見る順番をつけるものであること

  • モチーフに優先順位をつけるものであること

  • 画面全体を使うものであること

視線のコントロールとは明らかに「見る順番をつけること」ですし、主役を際立たせたり背景を大人しくすることは「モチーフに優先順位をつけること」ですよね。
順番って時系列とか文脈として捉えられますよね。視線誘導を使うと、ある時系列や文脈の中で、主役が重要アイテムを使ってなにかしている、というのが描ける、ということ。これって絵の中に物語を作れることだと思いました。
加えて、視線誘導は画面全体を使うものだから、人物だけじゃなく画面に登場するあらゆるものに意図や意志を込められるってことでしょう。

総合すると、視線誘導を利用すると画面全体を使って物語を作れる、てことなんだ! たぶん!

その考えいけそうなのか、次に画集を見ながら検討してみました。

視線誘導が作る物語とは?

視線誘導とは「見る順番を作るもの」であり、「時系列や文脈」と捉えられると思います。文章に当てはめて、例えば、街、その裏山、遠くの山脈の三つを叙述するとします。

①小さな山に守られた街、遠くには霞む天高い山脈が聳えている
②天高く聳える山脈、その裾野には小さな山に守られた街がある

この二つ、頭の中で描ける景色が違いますよね。①は街から奥の山に向かい、②は奥の山から街へと視線が降りてくる。これを絵で実現できるのが視線誘導なんだと思います。

例えば、色の濃淡だけでやると次のような感じでしょうか。(絵全体を見てね)

①街から奥へ
②山から街へ

※吉田博の「マタホルン山」を参考にしています。その版画を見ていたときに閃いたので。

並べるとこう。

視線の流れ

多分、意図通りの流れになってると思います。②の奥から出てくるのが弱ければ、コントラストだけでなく手前の山と街を小さくしたらより強調されるのではないでしょうか。

この二つの流れの差について、もう少し考察してみましょう。

①小さな山に守られた街、遠くには霞む天高い山脈が聳えている
②天高く聳える山脈、その裾野には小さな山に守られた街がある

これは叙述の順番を変えているだけではなく、誘起させる情感も違いますよね。①は遠くの大きな山へ抜けていくので、壮大さとか果てのなさとかが余韻に残ると思います。②は近くの街に着地するので、帰ってきた感が出そうです。

感じませんか? 物語ってやつを。

街だと少し分かりづらければ、街に一人立ってるのを想像しましょう。主人公ちゃんです。小さな街から遠く霞む山脈を見上げている①の主人公ちゃんは、これから旅にでも出そうですね。山脈が遠くに見える山麓の街にいる②の主人公ちゃんは街に根付いて生活していきそうですね。

この「叙述の順番とそれから得られる感情」によって、「人物がなぜそこにいるのか、これからどうしようとしているのか」、そういうことが言える。私はこれらから、視線誘導は物語を絵の中に作るために使えるものだ、と思いました。

なので早速、視線誘導で物語を作れるのか、自分で試してみることにしました!


●視線誘導の学び方
視線誘導を学ぶには、普段絵を鑑賞するときに自分が自然とどういう順序で目を向けているのかを意識するだけでも効果がある
そうです。

そう教わって早速手元にあった画集等を見ると、これまでとまた違った景色が見えてすごい楽しい! 確かに、記事でまとめられてたテクが使われてるし、それ以外の要素もいっぱいある!

例えばミュシャの人物画で、右半身をやや手前に出して腰掛けてる女性の絵を見たんですけど、それは「視線が顔から入って、右の体側→腰→足元を通って、奥にある左半身を足から上がっていって、最後は背景の木を通って画面抜けてくれ」とでも言う風に、色のラインが置かれてるように見えました。(絵のタイトルは忘れちゃった…)

吉田博の版画で、「視線は画面ど真ん中を通して近景の山、中景の大きな山、遠景のもっと大きな山へ」とドンドンドンて辿らせる構図のものは、雄大さ半端なくてカッコイイ…!ってなりました。
しかも同じように、「視線は画面ど真ん中を通して遠景→中景→近景の山へとドンドンドンと近づいてくる」構図の山の絵もあったんですよね。多分、主に色の強さのバランスの付け方で出してる違いだと思います。すげ〜、色だけでそんなことできるんだ!

視線誘導で物語を作ってみよう!

視線誘導で物語を作る手順は、大雑把にはこんな感じでしょうか。

  1. 絵に載せたい物語を決める

  2. コントラストとシルエットで視線の流れを作る

  3. イラストに仕立てる

1st チャレンジ

①絵に載せたい物語を決める
文字書きなので、文章で作りました。
……小説の中で書くなら恥ずかしくないけど、こういう平場でどんな物語を作ったのか書くの恥ずかしいですね…。でも言わないと始まらないので書きますね…。

(黑世界に狂わされ黑世界のイラストレーションを描くためにお絵描きをしているので、当然黑世界だよ。黑世界みんな見ようね。LILIUM少女純潔歌劇を見た後で見てね。)

彼は朽ちていった。あたしの永遠の旅路を、ひととき見守ってくれた人だった。

黑世界 雨下の章 六話のシーンを妄想した

お話を説明すると、黑世界の主人公で不老不死の少女リリーちゃんの旅路を見守ってくれてた男が力尽き枯れ木のようになって、宿屋の一室で息絶えるところ。降り続いていた雨が上がり、リリーはまた旅に出る。

②コントラストとシルエットで視線の流れを作る

さて、さっそく物語を絵にしてみよう! まずは画面全体の流れを物語に沿う形で整理する、というのが目的なので、コントラストとシルエットだけというシンプルな要素だけを扱った方がいいと思い、その2つだけでやっています。視線誘導のツールに色とか目線とかありますが、そこは想像で補う感じ。

ということでやってたのがこちら。

構図の案

広くて明るい面を先に見る、人物に目がいく、繋がったシルエットは追う、色味が近いと追う(女子と男の色味を寄せる想定)、というのを意識して作りました。宿屋っぽくするための棚とか椅子とかのアイテムは特別注目して欲しいものではないので、この段階では不要と判断して描きませんでした。

この構図で、どういう視線誘導のルートができそうか、自分で考察してみました。次の2ルートできると思います。

左①窓から入ってくる、右②少女から始まる

「彼は朽ちていった」から始めたいので、私の意図としては①が強いです。「窓の外にある作品中で死を寓意する枯れ木、その死の影が落ちる彼を見つめる少女。少女の足元から伸びる影は宿の扉に続いていて、旅路に戻ることを暗示する」みたいな感じ。

でも②で見えてもいいかな、とも思ったので、このままイラストに仕立てることにしました。少女と男は親しいというわけでもないんだけど、それなりの人間関係があるので、二人の間で視線が循環する形でも構わないなって。

改めてワクワクしてきちゃいましたね。これまで全然絵ではできなかった寓意とか今後の暗示とか人間関係の示唆とかできちゃうんじゃん! すご! 絵に仕立て上げるときにどこまで描き上げられるかはまた別の問題ですけど、少なくとも設計することはできる。そしてそれは、人間の仕草とか表情だけじゃなくって、画面上にあるあらゆるものを通して表現される。
画面のあらゆるものを使ってこれだけ物語を込められるなら、人だけでなく景観も描く意味ってめちゃくちゃある!

正直、生き物だったら全身に意志があるから描いてて楽しいけど、物はパースとかが面倒な上に感情とかないので作業的な製図でしかないじゃんやだな……って思ってたんですよね。でも景観も、物語ひいてはそこから誘起される感情を担うものだと捉えたら、物を描くってことが大切なことになってくる。景観に感情がこもるなら、線、色彩、塗りのタッチや質感の工夫を加えることで、感情をより伝えられるようになるってことですよね。想像するだけで楽しい。

③イラストに仕立てる

図案に従ってイラストにしてみました。線とか色彩とか塗りのタッチの質感の工夫とか先ほど書いてますが、それに気付いたのはこの絵を描いてもうしばらく後だったのでまだまだでございますわ。部屋描いたり家具描いたりするの初めてだったから大変だったよ! でも楽しかった。

仕上がり

なってるんじゃないですか? さっきの意図通りの視線の流れに。
部屋の奥行きとか高さの決め方がわからなくて亜空間を作り出し修正に時間がかかったり、体ざっくりでいいやで後で直すからって描き進めるとやっぱ後から直すの無理ってなったり、いろいろ反省点はありますが。

良い!! 視線誘導の手応えを感じる!! もっと良くなれるぞ!!!

よし! 次のチャレンジだ!!

2nd チャレンジ

①絵に載せたい物語を決める

私は黑世界のオタクなので、次もそんな絵です。

青い薔薇の教会で、老神父が老人を赦す

黑世界 日和の章  二話からの妄想だよ

②コントラストとシルエットで視線の流れを作る

視線の流れ(左上にはバラ窓があるイメージ)

最初に作ってみた図案がこちら。
教会のドアから入ってくる光と共に視線が来て、人のシルエットで一旦止まって、最後は左上に抜けていく感じ。左上には多分バラ窓がある。

バラ窓っていうのはご存知の通り薔薇が描かれた窓っていうわけではなく、ゴシック様式の教会にある円形の豪華なステンドグラスです。円は完全な形で天の国を意味しているらしい。二人の老人は、ある一人の死者を想っているので、最後視線がそこに抜けていくのは合ってると思います。バラ窓を置こうと思ったのは、視線が最後に抜けていく場所を作りたいから、って理由でしたが、結果いい要素が加わったんじゃないでしょうか。

でもちょっと待ってよ。あなた、また画面の右から入って左に抜けてるだけじゃない! 左下なのか左上なのかって違いはあるけど。それにまた家の断面図みたいな真横からの感じなの? もう少し何かあるんじゃないの!?

というわけで、ここで視線の流れの再検討と同時に画角について勉強しました。

画角のこと正直いまだによくわからないんですが、わかった範囲で整理すると、「画角はカメラと対象の距離で決まって、近い方から広角→標準→望遠。遠い程厚みが減って見える」っぽい。

標準…普通の距離。普通っぽい印象
広角…近いから対象の厚みが出て、緊張感とか迫力も出る
望遠…遠いから対象はペラめで、壮大だったり落ち着いてみえたりする

このふんわりとした3画角の特徴を頭に入れつつ1stの絵を振り返ると、ベッドの天面がろくに見えませんから、「望遠」に当たるんでしょうね。絵の出したい雰囲気も落ち着きであったので、理解があって選んだわけではないですが、意図にはあっていたっぽいです。

「画角による印象の差」を踏まえつつ、2ndの教会の絵を描くならどれにしようかな?って改めて考えたんですけど、結論は「やっぱり望遠」でした。静謐な雰囲気を出したいですからね。

改めて画角は望遠に決めたので、視線の流れを再検討しました。横だけの視線の移動に加えられる要素、奥行きと高さだ!

第二図案

視線の流れを描き添えるとこう。

視線の流れ

仕上がりを想像しながら言葉にすると、次のような物語になるでしょうか。
教会の窓から、光が差し込んでいる。並ぶ椅子の奥、祭壇の前では老いた神父が老人に赦しを与えていた。バラ窓がその頭上ではうすく光を湛えている」こ

視線が横一直線に流れるだけじゃなくて、奥行きや高さ方向も使ったから、画面のリズムが前より良いと思います。絵にしてみよう!

③イラストに仕立てる

仕上がり

おお〜〜! できたぁ!! 画面に流れできるのめっちゃ良い、自分の絵が変わったのを感じる…!! 素案の時、バラ窓は大きくて下半分しか入れない方が空間が広く見えるかなと思いそうしていましたが、やはり完全な円として画面に収まった方が含意として良いかも、と考え直し小さくして全部入れました。結果よかったと思います。

それと1stの絵は視線が同じ奥行きのラインを横方向にしか進まないので、そのラインより奥の家具とか部屋とかって、見せたい意図の中に含まれなくなってしまってたんですよね。そのため、宿屋にいるよって情報を伝える以上のものにはななりようがないので、勿体無いなって描きながらちょっと感じていました。

今回は見てもらいたいライン上に椅子やステンドグラスなどがみんな乗ったので、場所情報を伝えるだけではなく、物語を構成する要素になったのがとてもよかったと思います。人物以外を描く意味を自分でしっかり感じられるので、描いてて頑張り甲斐がある!

もっと静謐な雰囲気を出したい、もっと空気で語りたい、って思うなら、次は色彩や塗りを研究する必要があるんでしょうね。ということで、この後に色彩についても色々見たんですけど、それは記事の主題から外れるので載せません。色彩も面白いですね。深い。

視線誘導で物語を作れるっていうピン!がなかったら、絵作りは変わらなかっただろうな…。視線誘導でもっといろんなことできる気配ビシビシ感じます! やったね!!

いろいろチャレンジ

いろいろしてみて楽しかったので、せっかくなので掲載します。

夕日から始まるか、人物から始まるかどっちか
人物にエッジライトを付けると明確に人物から視線が始まると思う
曲線でもっとやってみようキャンペーン
繋がった一連のシルエットのみで視線誘導してるのでわかりやすい
突然のスタァライト
四隅に目がいく・迫力・奥行きをポイントに、物語は特にない

視線誘導に目覚める前の自分だと出てこない構図ばっかりで楽しいですね。新しい世界に踏み出した感があります。

ブルーピリオドという漫画の中で、「名画は構図が良い」「名画は四隅に目がいく」とありました。美術館に行き並ぶ名画たちをみながら、本当だわ……ってしみじみ感心してしまいました。何より、美術館の絵って上手〜〜〜〜当たり前だけど! 何百年って歴史を渡ってきただけある…。

これまで、自分の絵が小さくサムネイル表示された時に、一生懸命背景まで描き込んだ割になんか映えないわね…と思ったことがあります。でも、視線誘導を積極活用するようになってからのって、モノトーンの設計段階でもサムネイルになった時に画面にメリハリが効いてるな〜と思うんですよね。画面全体で統一された狙いがあるのってそれだけ強いんでしょうね。これって裏返すと、最初の画面設計がよくないと、どれだけ描き込んでもそんなに映えないよ、ってことなのかなと思います。「名画は構図がいい」、沁みますね。

デッサンでもそうですが、序盤の全体感を作るところ、絵ってものすごく大事ですね。最初の構図の設計できて、ざっくりコンセプトカラーが載ると、完成が結構想像できるので、利点かなとも思います。序盤にしっかり全体を見ながらこねくり回して検討するのが大吉ですね。

設計+コンセプトカラー
これくらいでなんとなく仕上がり想像できる


●視線誘導で描く物語の可能性、の考察
視線誘導に使えるツールは大きく「コントラスト、シルエット、空間、色彩、目線」でしたね。

例えば、「色彩の似た色を追う」というのを使って、テーマカラーの異なる二人の人を画面に置くとするじゃないですか。二色の視線誘導のラインが、交わるのか交わらないかで、二人の人間関係を暗喩できちゃったりするかも!?

人物と重要アイテムの間を何で繋ぐのかで、人とアイテムとの心理的な距離感も変わる気がしませんか? 例えば「目線の先を追う」というのを使うと、目を向けているので心理的距離感は近そうです。一方で、単純にコントラストの強さが人物1位、アイテム2位とするだけで目を向けさせなかったら、目線を向けてるより距離は離れていそうです。

いろんな絵を見ると、私のちょろっとした妄想よりもさらにさらに可能性があるのを感じるので、もうほんと楽しい。

まとめ

途中学びもあったので、改めて「視線誘導で物語のある絵を描く」の工程を整理し直します。

  1.  絵に載せたい物語を決める

  2.  物語を語れるようモノトーンで画面を構成する(明暗、面積、シェイプ、画角など)

  3. イラストに仕立てる

    1. 色の全体的な構成を決める

    2. 画面の奥行きとパースを決める

    3. 大きな要素から全体の整合をとりつつ描く(大きなもの、印象に残したい光、人物とか)

    4. 時々遠くから眺めて全体を確認しつつ、細部を描き込む

  4. 完成!

以上でこの記事は完結です。
視線誘導で物語が作れるんだ!ってこと、視線誘導ってめっちゃ大事なアイテムじゃん!ってこと、ピンと来てくれたかしら? 誰かは来たと信じます。

ぜひいろんな絵を見るときに、自分の視線の流れを気にしたりもしてみてね。本文中では書ききれなかった、視線誘導の可能性を感じてもらいたい。視線誘導の大ファンみたいですね。いやでも絶対構図で作れる心理的な効果って、今想像してるよりもたくさんあるよ!! 私のように、これまでピンときてなかった人ならなおさらです。

それに、今まで描きたいと思ってなかった景観を描く意味をしっかり掴めたのも大きいです。もちろんどれだけ物が描けますか?っていうスキル的な課題はあるんですけど、それでも描いた方が込めたい物語を絵に載せることができて、良い絵になるんだろうなぁ描こう〜〜って思えました。

お絵描きロードはエンドレスですね。

ここまで読んでくれてありがとう!


参考になりそうな本

最後のは色の本。それぞれの画家がどんな人だったかの説明が結構多いんですけど、目で見てパッといろいろわかるので参考になりました。知らない概念もあってよかったです。

推し

私がお絵描きに目覚めることになってしまった、『音楽朗読劇 黑世界』ですが、実は聞くタイプもあるんです(目でみて欲しいけど。とてつもなく歌って踊るので)。Streamingもあるのでどうぞだよ!

鞘師里保ちゃんは2nd EP「Reflection」を発売し、1st ライブ「DAYBREAK」とドキュメンタリー映画「the Middle of Night」の入ったBlu-ray3枚組も先日出したばっかりだからよろしくね!! 5/28にはバースデーファンミーティングもあるよ!! ローチケに走れ!!


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