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クロッキーチャレンジ記録

まあまあの頻度でクロッキーを9か月間してみたら、結構上手になったな!と思ったので経過のまとめと、君もクロッキーしないかい?というお誘いの記事です。

もともとは、しがない文字書きが「推しの絵を描きたい!」とお絵描きチャレンジを始めて三ヶ月目。最初の1-2ヶ月はデッサンだけを行いそれなりに上手になったけれど、これだけじゃ自由なポーズは描けるようにならないな、と思ったことがクロッキーを始めたきっかけです。

詳しく説明すると、

11日目→64日目
実はモデルは同じ人なのである。

上が最初の二ヶ月の進歩。見てわかる通り相当描けるようになったんですけど、「脚を抱えて座るとか、体をひねるとか複雑なポーズになると画面にマスを引いてそれを参考にしながら描く」、という風にしないと上手く描けませんでした。

マスに頼る姿
マスを描いて部分ごとに比較すれば、結構描ける能力は手に入れた

マスに頼っていては、モデルの写真通りに描くことはできるけれど、自由なポーズを描いたりはできるようにならない。それを解決するには、「クロッキーをやってパッと見で全体を把握する力をつけたらいいよ」とアドバイスをもらったので、クロッキーを始めました。

最初マジでやばくて画面を突き抜けるわ化け物を生み出すわしたんですけど、どんどん良くなっていって学びもたくさんあったのでまとめてみました。クロッキーってハァン?な人が楽しくなったり、後で見返して自分が面白いなって思えればいいな。

クロッキーの心得や目的

  • デッサン自体の訓練で素早く全体形状を把握したり、動きを把握したり、重心を取ったり構図を決めたり、ポーズの魅力を汲み取ったりするためのもの。筋トレ。

  • 線をたくさん引く練習でもあるから見た目は気にせず、デッサンで凝り固まった頭と腕を解放するくらいのつもりでガンガン線を引こう。何度も何度も繰り返していくうちに色んなことの取捨選択ができるようになる。

  • 先に薄く線を引いてこんな感じってしておくと良い。

  • 消しゴムもなるべく使わない。

  • 速写の一種だから時間を空けて描かないで一気にやる。

  • 最初は30分くらいかけて、それで結構描けるなら15分で、最終的には5分で描けるといい。

  • クロッキーの目的は、次のページのベストアンサーも良い内容:

上記の心得を教えてもらい、クロッキーを始めました。参考にしたモデルの画像などは、記事の最後にまとめています。

はじめてのクロッキー

2021年9月13日あたりに始めたようです。特に記録がありませんが、多分20分くらいで描いてますね。

iPad使用(20-30分)

この頃、わたくしは画面の中に全身を入れることもできぬのであった。頭が多少紙面から出るのは構図としてありな部類らしいですが、それにしても突き抜けすぎ&もう少し時間を掛けた方がいいよ、と友達からコメントもらいました。

またiPadでモデルとお絵描きツールを同時に開いて描いていたんですけど、モデルの写真も小さいしキャンパスも小さいしということで、翌日からiPadにモデルを表示しクロッキー帳に描くことにしました。「大きいキャンバスに大きく描くのが早く上達する」そうです。いわく、小さく描くと細かいところ見えないから上手そうに見えるけれど、大きいと誤魔化されないからしっかり力がつく、とのこと。

以下、作例を抜粋して掲載。

鉛筆で20-30分
画面には入ったけどヒョロヒョロ!
紙面に入ってて縦の比率もいいけど、肩周りを理解してなくて蟹のお腹みたい
腰から下は良さげだけど上半身さん!
妙に良い
脚、腰、胸、頭、腕のサイズがばらついてる
メタモンかな?

繰り返される希望と面白。絵って上手くいかなくても面白くなっちゃうのすごいですよね。

この時期のクロッキーの傾向をまとめると

  • モデルの写真に指を当てて上半身と下半身の比を測ったり、うっすら胴体や手足の中心あたりに線を引いてから描いてる

  • 輪郭とわかりやすいライン状の影をとって描いてる

  • 全身が紙面に入れられるようになり、バランスが取れてる時は取れてる

  • どうしようもない時は上半身が特にはちゃめちゃになりがち


鉛筆の持ち方や時間の使い方が変わった

会場開催のクロッキー&デッサン勉強会に行き、美大で講師されてる方に基礎的なことを教えてもらいました。以下はその抜粋とちょっと自分なりの解釈混ぜた取り組み変更ポイント。

  • 鉛筆の持ち方と濃淡の付け方

    • 文字を書くように鉛筆を握るのではなく、寝かして黒鉛の側面で描けるように持つのが良い。基本的な筆圧が下がるため、強弱がつけやすくなり、うっすら形をとってから力を込めてキメの線を描く、と言う風に使えるからだそうです。

  • モデルとキャンパスの並べ方

    • 教科書とノートのようにテーブルの上に並べるのではなく、ブックスタンドなどをイーゼルがわりに使って立ててキャンパスを置き、真横に並べるようにモデル画像を置く。そうすると、モデルとキャンパスを左右で見比べやすくなり、またテーブルを上から覗き込むよりも距離が出るのでキャンパス全体が見えるようになるのが良いところ。

  • 時間設定

    • これまで特に時間を測らず、必要なだけ時間を掛けて一枚ずつ描いていました。でも10分、5分、2分と予め時間を区切って取り組むことで、それぞれ目的を分けてクロッキーができて効果的。10分はきっちり細かく描く、2分は全体感を素早く把握する、描きたいとこだけ描く、とか。

    • 人間は全体と細部を同時に見られるようにはできていない、と別のクロッキーの実演会動画で聞いたんですけど、短時間のもので半分強制的に全体のみを見るパートを取り入れることで、10分など時間を掛けて細部まで描く時に良いフィードバックが働いた気がする。

  • 全体の取り方

    • いろいろ教わったんですけど、「正中線を序盤に取るといいよ」と言うのがポイント高かったです。輪郭を追っていると、胸から鎖骨はジャンプがあるし、かといってつながっている腕の形はかなり自由度高くて難度が高いので。正中線という概念はありがたかったです。

鉛筆の持ち方とか基礎すぎるやろ…って感じですけど、素人って何も知らないですからね。助かります。講師の方が、「自分も下手な絵をものすごくたくさん描いて来たので、君も下手絵をものすごくたくさん描いて上達してね」ということを仰ってくださったのが印象的でした。

上半身苦手だったのにかなりいい。
革命か!?
昨日の革命の予感は気のせいだった。
上半身がヤバい。
化け物を生み出してしまった
腰から上へ絵を積み上げてたけど、胸から鎖骨で描く時に飛んだのがいけなかったんだと思う
いい。化け物を産んだ三日後とは思えぬ。
5分で描けてるのもポイント高い。
捻るとダメっぽい
すげー良い。上半身のひねりと肩の引け方とか。
頭の形も高ポイント。
この記事の2枚目クロッキーと同じモデル。
成長してる。
2分でざっくり大きな印象が捉える練習。
いいよね。
胴体ちょっとアレだけど雰囲気はいい

この時期のクロッキーは

  • 全身の均整が取れることが増えてきた

  • 上半身も結構まとまることが出てきた

  • 体をひねると苦手

って感じですかね。

木炭を取り入れる

木炭という画材は、発色がエンビツより強く、紙面へくっつく力は弱いので、濃い色で素早くボリュームを出せて、手で擦ったり練り消しでシュッとやると色が抜けるため陰影がつけやすいです。
デッサン勉強会で使ってる人を見て、「木炭かっけーー!!!」って使いたくなっちゃったのが理由です。あと講師にクロッキーを見てもらったら、もっと大胆に影の面をとったほうが良いとコメントもらったので、なら木炭ぴったりじゃん!てことで。

木炭ね、すげー楽しいです。指でシュッて擦って反射光とか入れるたりするのテンション上がります。鉛筆とは違ったアプローチができて学びの幅が増えました。

はじめての木炭クロッキー。
影の中に濃淡が現れていい。
木炭でも捻れないものは捻れない
クロッキーはポーズが分かればまずいいらしいですが、1分でもできるように。
結構いい。

鉛筆だけの時よりも、ダイナミックにお仕事していますね。楽しそう。質感も違って楽しい。

クロッキー帳を大きくしました

大判のノートくらいの大きめのクロッキー帳にしました。絵は大きく描いた方が上手くなるらしいので。それ以外の取り組みは特に変わらず、胸や肩が上手く行かないなぁとか言いながら描いてた感じ。

クロッキー帳を大きくして一発目
紙面大きくなっただけで突然乱れるじゃん
雰囲気いい
もう少し大きく描いても良かったね
なかなかいい。

ジェスチャードローイングを取り入れる

ジェスチャードローイングって知ってます?
私はよく知らなかったんですけど、この時期にちょうどこの記事を見たんですね。

アニメの技法なのかな? 分かりませんけど、何でも試してみるのは価値があるよと後押しもらったので、時々やるようになりました。

推しのダンスプラクティス動画見ながら描いてた
いやなかなかあのかっこよさ出ないわね
従来路線のクロッキーもしている
未だに捻れないらしい
全身を見たときに気持ちのいい流れはどこにあるかな?
と探すようになったのが、後々までのいい影響になった気がする
良いじゃん
特に胸と背中。奥行きも出てていい。
人体の流れのメリハリがいいよね
1分のレベルも上がっている
肩がけっこういい時が出てきた
モーニング娘。エース、NY留学、BABYMETAL、そしてソロをしている推しのダンスはいつ一時停止してもかっこいいのである。ぜんぜん表現できない。
めっちゃ良くない???えっ、これで6分!?

ちなみに4月は全くクロッキーをやりませんでした。代わりに?イラストを描いていましたが、できることできないこと、やれるようになりたいことが見えてくるので、イラストに集中する時期があるのもいいわね、と思います。

いい。
左足のつま先の形は良くない。
パステル画
均整が取れててこの時期1番いいものの一つ


トーンの濃淡をデリケートにする仕事へ

5月半ば、クロッキーを始めて八ヶ月目?、久しぶりに会場開催のデッサン勉強会に行き、コメントを講師の方にいただきました。

そこでもらったアドバイス抜粋です

  • 全体をもっと見てほしい、描けるところは描けてるから変なところで損をして欲しくない

  • トーンの濃淡をデリケートにする

  • しっかり描いて見せるところと、少ない手数で見せるところを分ける

  • 輪郭にこだわりすぎない、もっと中身から描く

たまに見てるデッサン実演動画で解説の方が、初心者は輪郭ばっかり追ってしまう。輪郭ではなく中身を捉えられるようになるかが成長のためのポイント、と仰っているのをみたこともあります。それを覚えていたので、なるべく中身を描こうと思っていたつもりなんですけど、いざ、輪郭を後回しに体の中身から描こうとするとまぁ〜〜難しいし、これまでそうしてるつもりとだっただけで、実際にはできてなかったことを知りました。

だけどやってみたら、絵の質感が変わって、これまでできないかもって思っていた雰囲気が出せるようになってので、すごい楽しいです。これをもっと極めたら、息遣いを感じられる絵とか描けそう!

デリケート仕事一作目。
狙いはわかるよ!って友達に言ってもらえたわ。
ボリュームの表現が以前よりもゆったりしている
前にはなかった質感
すごい良い
ポーズの中の動きが感じられる、って言ってもらえた
お尻とかのプリも面白いし、足の絶妙なトーンが結構好き
頭はもっと頑張れた
顔が急に描けるようになった
良い
背中とか動きを感じませんか
全体の感じはいい
足の甲とか向きとかがもっとグッと決まるといいな
胴体の捻りが出た。ここまで複雑だと全身描くには30分くらい必要かな。

デリケートなお仕事が手につき始めてから、これまでとすごく変わりました。

  • 肩や腕が上手く描けなかったのが急に描けるようになった

  • 太ももとかふくらはぎとかがパツパツっとしてて質感微妙だなって思ってたのが柔らかそうになった

  • これまで彫像っぽい印象があったけど、ポーズの中に動きが感じられるようになった(by友達)

捻りとか重心とかたわみとか全身のリズムをドーンと取ったあとで、関節とかの特徴的な形を抑えつつディティールを作る、ていうのが良さそうな戦略感だな、と思っています。デッサン会で講師の方にご意見を求めつつ、この道をもっと走ってみるつもりです。

生きてそうな、呼吸が感じられそうな絵にできたら良いよね。楽しみ。

まとめ

クロッキー楽しい!
最初の頃の気持ちはぶっちゃけ忘れましたが、楽しさが右肩上がりしているのは感じます。これからも色々描きたいな。

参考

推し

ダンスが素晴らしすぎる推しの鞘師里保ちゃん。ソウルフルな歌声とダンスでめちゃくちゃにされてしまう。一時停止どこでしても姿勢が美しいので、ジェスチャードローイングにもぴったり! 見栄えのするポーズも学べます。

https://youtu.be/lktaaCsog24

役立つサイト

時々みていたクロッキーのデモンストレーション。

モデルの写真とか買えたり参照できたりするサイト達

これまでのお絵描きチャレンジの記録

推しを描きたいから絵を練習するわ、と始めたのに、いつの間にかお絵描きに目覚め、永遠に絵を描いていられるようになって行った記録。


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