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テディベア創作を無理強いしないでくれという話

待ってますいつまででも待ってますから私のためだけに(または私の子のためだけに)作ってと言われるのが一番つらい

待たれると焦る。よい作品が出来るわけがない 
待つ人にこの気持ちをお話ししても通じない これは致し方ないこと とにかく、待たれても生まれないんです瞳のある創作物は。

自分のためだけのテディベアが欲しいという人は、創作者が24時間夢の中でまであなたのことに縛られるというのをご理解頂けない。今まで100%の人がそうだった。

「今ウチのコを作るためにどんなこと考えてますかー?」「気になって気になって、、楽しみで」なんていう空っぽな連絡を平気で毎日寄越して来たりする。

四六時中あなたのためだけに創作意欲を上げ続けるということがどんなに身体・精神的にキツい状況か。

「あなたの、ため、だけ、に創作原動力を絞り出すところからのスタートである」

という旨を何人に説明しただろう。全く理解できなかったようだけど。


「創作原動力を絞り出すところからのスタート」わたしはそれを絵画や彫刻、日本に限らず海外も含めありとあらゆる美術品に触れて得ることがある。
つまりインスピレーションを頂くのである。

しかし生憎このヘタレテディベア作家は毎日美術館におもむいて英気を養える環境ではないのだ。これを説明しても大抵、文字では理解してもらえるが、急がせる人・ワンオフを求める人は文字は読めても訴えの中身を理解しようとしない。ご依頼者さまに何という言い草…なのだが、現実はだいたいこんなもん。

「お庭で紅茶を飲みながら作っているんでしょう?きっとそうですよね!あんなに可愛いテディベアちゃんを作る人だもん!あたし、先生のうちに行きます!住所分かるし!」
リピーター、かく恐ろしき。


残念ながらこの作家は土のないところに住んでいて、作業机はこんなである


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私自身の中からかってにポン!とテディベアが生まれることも多い。

そういうベアはわたしの思考の中を行ったり来たりして可愛らしい自己顕示をする。早く創って…と。
こちらの体が持たないほどの時期もあった。

国内某誌コンテストで受賞するも二位のためお家に帰ってきたかわい子ちゃん
今思えば帰ってきてくれて嬉しい

私が引っ越したいろいろな事由の一つに、ストーカーまがいのファンがいたことも否めない
アドレスを変えてもブログを引越してもくじけない。webで塩対応するとリアルお手紙攻勢。
ものを作って送ってくる人も1人や2人ではなかった。「私が丹精こめて作ったモノを見て元気を出して」だそうだ。

当時わたしはそれをゴミ箱にダンクシュートする勇気は持ち合わせておらず、律儀に飾ったり身につけたりしてそれをブログに…なんと無駄な時間を喰われてきたことだろう。そして生気を吸い取られていった


「創作をやめる」と宣言することでもなかろうが表明しないと芋蔓はいつまで経っても切れない。
「作るまで(作れと)言い続けますよ」
と何度も、10年程も言われた。もはや脅しだ。


ごくたまにうさぎ(生体)の話題でひょいとうさぎベアを載せたら
「それはウチにくるべき子!!」と、秒で連絡がきてたまげた。


恐ろしくて、泣く泣く手放した。
あのうさぎちゃん…アルパカで作ったつたない素朴なうさぎベア、やはり手放してはいけなかった。

今でも身をちぎられたように思い出すことがある。

どんなに欲しがられても我が子は手放しちゃいけない…

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