シチュエーションボイスNo.21『罪には罰を』
あ~あ、い~けないんだ~
ん?何をビックリしてるのかな、君……?
え、見てたのかって?見てたけど?
何か、怪しいなぁ~って思って、何となく見てたんだけど
まさか本当に盗みを働くとは思わなかったなぁ……
……許してください?
あはは……許すわけないじゃん?
どれだけ幼くても、どれだけやった事が小さくても、罪は罪
ちゃんと裁かないとね?
私、人を捕まえて、取り締まる仕事してるんだけどさ
ずっと、待ってたんだよ、罪を犯す人をさ
何かこう、カッコいいじゃん?
証拠は揃ってる、自首しなさい……みたいなの?
そんなのに憧れて、今の仕事に就いたんだよ
でもねぇ……だ~れも盗みもしないし暴れたりもしない
強盗も来ないし、いやぁこの国は、平和だね?
って諦めてたら、君が犯してくれたんだ……罪を
ありがとう、これで私は私に与えられた権利を存分に使えるよ
じゃあ、捕まろうか大人しく……
抵抗してもいいよ?ただし……私に痛めつけられてもいいなら……だけどね?
ふふふ……いい子だね、ちゃんと言う事聞けて
でもさぁ……何で今は言う事聞けるのに、さっきまでは駄目だったの?
ねぇ、どうして?
お父さん、お母さんに盗みをしてはいけませんって言われなかった?
それとも、大した罪にならないとか、誰かに言われたのかな?
あはは、ないよねそんな事……
そんな目に見えて、駄目って分かってる事をやってる人が言った事をさ
あ、そうなんだ……じゃあ、やろうかな?とか考えるような……そんな頭の悪さはないでしょう?
あれ、どうして泣いてるの?泣くのはまだ早いし、君に泣く権利はないよ?
あるとしたら、後悔する権利と謝る権利ぐらいかな?
ま、もう遅いんだけどね……後悔と謝罪とか
おめでとう、今日から君も犯罪者の仲間入りだ
人生のどん底を這いずりながら、生きるといいよ
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