シチュエーションボイスNo.20『止まぬ雨』

……最近、さ……ずーっと雨続きだよね……気が滅入っちゃうよ

そんな事を前にも君に言ったよね……私……

そしたら、君は『僕は、雨好きだな……』って返して

私、どうしてそんな事言うのかスッゴイ疑問でさ……思わず、聞き返したよね……

そしたらさ

『いつもより長く君といられるから……雨が降ってて来るのも大変な筈なのに、太陽みたいな笑顔を浮かべて、僕の所に来て、お話してくれて……ああ、僕ってこんなにも君に愛してもらえてるんだって……君をより好きになれるから、雨が好き』って君は答えたんだ……

あの時、もう恥ずかしくて恥ずかしくて……

面と向かってそんな事言うから、スッゴイ焦ったよ私……

絶対、顔……真っ赤になってた

それからかな……私も、少しだけ雨が好きになったんだ……

確かに、雨が降ってると足取りは重いし、気分も落ち込んじゃうけど

ここに来るたびに君が

『あ、来てくれたんだ……ありがとう』って笑ってくれるから……私、好きに、なり始めてたの……

ねぇ、それなのに……どうしてかな……また私、雨が嫌いになりそうだよ……

私、雨の中……頑張ってきたんだよ？

君に会う為に……それなのに、どうして……笑いかけてくれないの？

いつもみたいに、お礼を言ってよ……それで、他愛のないお話して

また明日ね？ってお別れしよう……？

いやだよ……ずっと、雨が降ってるんだよ……

いつかは止むはずなのに、今もずっと流れてるんだよ……

ねぇ、また一緒に……お散歩行こう？

雨上がりの道を、一緒に歩こうよ……

お願いだから……お願いだから……私の涙を止めてよ……

こんな……こんなお別れ、私……嫌だよ……