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閉じ込められた音


昨日、闇を観てきた。


私は普段、ジブリ作品以外、あまり映画は観ない。
興味が持てない。


なぜだかこれは観なきゃいけないと思った映画があった。
本当は5年前に公開されるはずだったものが、なんらかの事情により公開が阻まれ、やっと今公開される経緯を辿っている。


実話をもとにしているからだろうか。
とにかく、観る方にもそれなりの覚悟が必要だなと思った。


私は闇ってなんだよと思っていた。


昔から、この世の違和感を感じて育ち、大人になって社会に出てからは「この世は狂ってる」とさえ思った。


それでも、日々生きていくだけでみんな必死で。
どうにもならないことなんて、山ほどある。

闇という漢字を見ると、音が閉じ込められている。
そこがずっと氣になって考えていた。


“音が門の中で閉ざされている”


真ん中にある“音”がなんなのか。
音=音楽??何かの楽器?とか思ってみたりして、これまで正直よくわからなかった。


この映画を観ていた時に、これだと思った瞬間があった。



音は“楽しいリズム”なんだ。


楽しいと私たちは音が出る。


例えばそれは、笑い声として音が出る。
嬉しさを堪えきれなくなると、やったー!とか何かしら言葉も発する。
身体を動かしたくなるし、手足が動くと手を叩くし、足音も鳴る。
思わず飛び跳ねることだってある。
声が歌になることもある。


もしかしたら、楽しい時は細胞自体が躍動して、見えない音を出してリズムをとっているかもしれない。


私たちは、楽しいという音なんだ。
楽しい時には声が出るのが自然なんだ。



生命の活動は本来楽しいものなのだろう。


だから、心の底から楽しめていない状況は闇だし、楽しめない状況下がそもそもどうしてなのかを見つける必要がある。


周りに閉じ込められた人
自分で閉じ込めている人
閉じ込められずにいる人
閉じ込められていることを知らない人
閉じ込められてもそれでいいと思っている人
閉じ込められていることを気付かせてくれる人
閉じ込められている他者を解放しようとする人
閉じ込められていることに無関心な人


きっとそれぞれなんだろう。



そして、実話はもっと酷いのだろう。
知らないことはたくさんある。


これはただ一つの物語ですというものではなく、実際に起きていることとして私は観ていた。


怒り
悲しみ
残酷
狂気
優しさ
温もり
正義


いろんなものが怒涛のように押し寄せた。
ずっと身体に力が入りっぱなしで、観終わった時はすっかり目が腫れていた。


出来ることなら観ないでいた方が楽だった。


自分さえ良ければ、

自分の周りさえ何もなければ

それでいいとはどうしても思えなかったから、


闇を観ようと思った。
正しく知ろうと思った。


私は誰かを救うことなんてできないと思っているし、そんな方法も行動も思いつかないのだけど、


できれば一人でも多くの人に、この映画を観て欲しい。
そんな気持ちでここに綴ることにした。

一人一人が楽しい音を出せる世の中になって欲しいから。


冥王星山羊座のラストを見届けるつもりで、闇を観て欲しい。
壊れるものは壊れ、崩れ切ってから、本当の水瓶座時代が始まる。


水瓶座時代に求められるもの、それは自らが正しく知ろうとすること、本当のことを知ることだから。





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