帝王切開、卵巣嚢腫、稽留流産、子宮全摘。ある意味プロフィール的散文その2


帝王切開術を受けたら、高校生の時の人生で一番恥ずかしかった出来事が一瞬で上書きされた話。

前話の通り、私の人生、恥ずかしい話は事欠かない。

忘れたくて本当に忘れてしまった話を、ふとした時に思い出して、そこら辺のコンビニの袋を頭からかぶりたくなるような衝動にかられる時もありますよね?
え?
ない?

前述の高校生の時の話は

雨の日に電車に急いで乗り込んだらすべって派手に転んだのだ。
まあよくある話だ。多分。
しかもそういう時に限ってそこに友人知人はいなかったりするわけで、助け舟もありゃしない。

毎朝利用する電車は超田舎のローカル線で、その日のその車両はそんなに沢山の人が乗車していたわけではなかった。

だから、そんなに迷惑はかけてないと思う。
転んだ拍子に私の持っていたワンタッチ傘がパッと開いてしまったけれど、もだ。

列車内がすいてたおかげで、その車両の皆さんの注目の的になってしまった。

ああ気の毒なセブンティーンだったワタクシ。

何事もなかったかのように傘を閉じ、すごすごと隣の車両へ逃げたあの思い出。

しかし、そんな思い出もそんなの全然かわいいもんよとアーニャ顔負けの半目顔で半笑いできる日はやってくる。

傘☂️が列車内で咲いてから数年後、私はどうにか結婚して第一子を身籠る。

いや、嘘は良くないね。

第一子を身籠もって結婚したのだ。
今で言う授かり婚ってやつね。
当時はできちゃった婚って言われてたけど、授かり婚よ!

予定日を過ぎても産まれようとする様子がなく、このままでは四千グラム超えのビッグベイビー爆誕になりそうなので、帝王切開術により夏のある日の指定日に産まれてくることになった。

かなり昔の話しなのでいろいろ朧げだが、
剃毛やら浣腸やら点滴の準備やらをして、看護師さんが私を呼びに来た。
新米の白衣の天使だ。

天使「ハレルヤさん、オペ室向かうので私に着いて来てくださいねー」

私「はい、宜しくお願いします。
お手洗いに行ってから入るんですよね?」

天「どのみちすぐ導尿するので、行かなくても大丈夫ですよ」

私「あ、そうなんですか?(おばちゃんナースがトイレ済ませて来てねって言ってたけど…まあいいか)」

そして点滴のガラガラを押しながら、階下のオペ室へ到着。

担当医師、麻酔の担当医師、さっきの新人ナース、ベテランナースがいたと思う(曖昧)。

術着の下はもちろん何も付けていない。
もうこの時点でどうにでもしてくださいな気持ちでいた。

身体を丸めて、部分麻酔を受け、朦朧としたところで看護師による導尿処置に入ったと思う。

ベテラン看護師「きゃっ」

どうやら私のお小水砲が、派手に出たようだ。
オペ直前までトイレ我慢してたからねえ…
お気の毒です…

多分ベテラン看護師に直撃したのであろう。

ベ看「トイレに連れて行かなかったの!?」

私の心の声 『ヒィィ、、怒られてるう』

新看「すみません、導尿するから大丈夫かと思って…(てなこと言ってたと思う)」

部分麻酔なので聞こえてくるわけで。
しかし朦朧としていて言葉は出てこない。

私『あーあ、、だから聞いたじゃないの…
でも、もっと念押ししとけば良かったかもね、ごめんよ天使…(_ _).。o○』

そうこうしていてもオペは進む。
足を開かれ、両手も水平に開かれいろいろくっつけられ…
カエルの解剖よろしくで、もう、もう、ワタクシはこれからは何も恥ずかしいことなんてなくなりそうですのよ😭

医師「コレ痛み感じますかー?」
叩かれてるんだかつねられてるんだかメス入れてるんだかわからないけど、何回か聞かれた。

私「(喋りたくないのにぃ)か、感じません、、(_ _).。o○」

それから少しして、

ベ看「赤ちゃんが降りてきてないので、少し押しますねー」

グッ グッと押される。
全然少しじゃなーい!
く、苦しい…_:(´ཀ`」 ∠):

それでも苦しさ、恥ずかしさ、粗末な屈辱感と引き換えに新しい命は誕生してくれた。
まだ腹から出たくないのに無理にこっちの世界へ呼んで悪かったけど。

3600gを肥えて、いや超えて、髪の毛黒々色白ふわもちの娘を授かった。
すぐどっか連れて行かれて、会えたのは病室だったけど。

術後は個室で、その日の夜は夫が泊まってくれた。簡易ベッドのようなものを病院側が用意してくれた。
しかし私は不安しかなかった。

そして結果期待通りだった。

夫は全く役に立たなかったのだ_:(´ཀ`」

術後の晩は本当に辛かった。

痛み止めの坐薬を断ったことを激しく後悔した。なんで坐薬なのよ…経口薬なら飲んだのに😢

熱はあるし、傷は痛いし、うまく寝返り打てないし。
少しでも腰をずらせれば痛みも違うのに、声をかけても爆睡中の夫は起きない。

頼むから体を横に向かせて欲しい…

ベッドサイドのボールペンを投げてみる。
簡易ベッドの外側にコツンとむなしく音が響く。

が、
起きない。

母子手帳を投げてみる。足元にヒット!

起きない。

持ち込んだ育児本も、漫画も、ペンケースも、手に届くものは全て投げた。

が、起きない。

泣きそうだった。

「いったい何しにきたんだよ⁇」

最後に力を振り絞ってベッド下のスリッパ掴んだ。このまま横向きに固定…できなーい!仰向けに戻ってしまう(T ^ T)
奴を横目にそのままスリッパをぶん投げて頭にヒット!

「んあ?」間抜けな声を出してやっと起きた。

「腰が痛い〜!体を横に向けておくれー!」

「ん?あぁ、はいはい、、なんだコレ?」
そのミステリーはアンタが引き起こしたんよ!
自分の周りに散らばるいろいろな物を不思議に思いながら体を横にしてくれた。

傷や身体の痛みも辛かったけど、何よりイヤだったのが、導尿。
イヤすぎて、半日早くはずしてもらった。
よく覚えてないけど、からだを動かせる様になったら外しますよ、とか言われて必死にクリア条件をこなした覚えがある。

この導尿処置は、卵巣嚢腫、子宮全摘でも私を苦しめ、無理を言って一日早く外してもらっている。

話は逸れたが帝王切開術後は無事に予定通り退院し、この後ポンコツ夫婦はどうにか娘ちゃんを育てて行くのであった…。

あ、余談ですが第二子は普通分娩です(°▽°)


その3 卵巣嚢腫→稽留流産へと続く(多分)





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