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#名刺代わりの漫画10選

Twitterのタグ遊び「#名刺代わりの漫画10選」を最近よく見かけるので、せっかくならと思いnoteにまとめてみることにしました。

私がマンガを読みつけるようになったのは、大学生になってから。所属サークルの部室に大量のマンガ本があったことがきっかけです。それまで自発的にマンガを読むことはなく、図書館にある学習マンガや手塚治虫作品、友人が持っていたコミックスを読ませてもらう程度でした。
社会人になって収入が増えると、少しずつマンガ単行本を買い始めるようになりました。物量を増やしたくないので、基本電子書籍派です。
また外出の機会が減る冬場は0円マンガを読み漁るのが風物詩になってきました。

前置きはこの辺にして、今回は自分が読んできた作品で印象深い10冊(プラスα)を紹介します。(読み返してない作品もあるので若干記憶がおぼろげなところもあります)

1. 同級生シリーズ (中村明日美子)

のっけからシリーズごと紹介するっていうね。男子高校生二人がメインのBLです。
この後、「卒業生」( )とスピンオフの「空と原」が出ています。
BLを初めて読んだのはこれとは別のアイスクリーム擬人化のBLという、入門にしてはややレベルが高い一冊で、以降BLには手を出してませんでした。
これは誰かのおすすめだった気がする。少し絵にクセがあるなあという印象でしたが、エロは少なめで、温めてゆく恋愛感情の心の機微の描写が丁寧でとても好きで、だんだん絵の繊細な線の感じとマッチする感じがあります。(だからシリーズ最後のシーンはちょっと蛇足に思えた)

2. 暗殺教室 (松井優征)

ヌルフフフ。少年マンガは自分が最も読まないジャンルなのですが、これは唯一読破しました(多分)。一年後に地球を破滅させる生命体「殺せんせー」を暗殺すべく、進学校の落ちこぼれ生徒たちが殺せんせーから授業を受けながら彼を暗殺するプロジェクトに巻き込まれていきます。こういうビルドゥングスロマン(主人公が仲間や師を経て成長する物語)めっちゃ好きなんですよね〜。社会のなかでなぜ学ぶのか、敵とどのように戦うのか。そして私はどうしていきたいのか。どん底から夢と希望を取り戻す過程で芽生える、先生と生徒のちょっと変わった絆も最後には涙なくして読めません。これだけだと普通に王道ストーリーに見えますが、パロディやギャグもふんだんなコメディ要素も十分楽しめます。私は20巻ぐらいが限界なので長さもちょうどよかった。

3. 子供はわかってあげない (田島列島)

なんか学生ものが多いな? まあいいや。
こちらは同じ高校の女の子と男の子が夏休み前に知り合い、一風変わった人探しの旅に出かけるボーイミーツガールものです。家族ものでもあります。
たんたんとした絵柄の可愛さ×ストーリーや会話のテンポ良さで、比較的重ためのテーマをあっという間に読ませてくれる。否定すること肯定すること、迷ったり決断したりすることもすべてひっくるめて愛しくなれる作品です。この空気感は言葉にしづらいのでぜひ読んでほしい。

4. 冬のUFO・夏の怪獣 (クリハラタカシ)

こちらは紙書籍のみ。去年加筆修正された新版が出ています(私が持ってるのは旧版のほう)。
「マジック・リアリスム」と呼ぶのはちょっと違う気もするんですが、いわゆる現実世界とファンタジーの共存みたいな感じで、ストーリーや登場人物の視点を通じて得られる「発見」や「情緒」が心地よい作品です。私は短歌を始めてからこの作品を読んでいるのですが、初読のときなんか短歌っぽいなって思ったことを覚えています。読み返していないので記憶違いかもだけど。ずっと手元においておきたい一冊。加筆されてるらしいので新版も買おうかな...。

5. 竜の学校は山の上 (九井諒子)

ダンジョン飯』が顕著だと思いますが、九井さんはがっつり人間世界とファンタジーを共存させる名手だと思います。紹介作品と「竜のかわいい七つの子」を私は勝手に「竜の子シリーズ」と呼んでいる。
表題は竜なわけですが、個人的に一番好きなのはケンタウロスと人間の夫婦がメインキャラクターの社会生活を描いた作品。属性の違いを楽しみながら、でも属性なんて関係ないよなとも思わせてくれる不思議で和めるところが好きです。印象に残っているのは、天使の進路と竜の大学のやつ。

6. 違国日記 (ヤマシタトモコ)

今連載している中で、というかこれまで読んできた中で一番読み返している作品。ヤマシタトモコ作品は基本ドストライクなんですが、これはもう刺さりまくってやばい。両親をを亡くした高校生の姪とジュブナイル作家の叔母の共同生活なんだけど、学校生活や生活、それらに付随する様々な人間関係や生き方が描かれるそれだけなのにグッとくる。セリフ一つひとつが本当に信頼できるというか、言葉の力というかスピリットを感じる。ちなみに友人には「登場人物にキャラ萌えできるかどうかってのは大きいよね」って言われて、結構びっくりした。これ刺さらないとかある??

最近学生の頃に読んだ作者の『ドンドクライ、ガール』を再入手して読んだんだけど、読み返すと結構設定が似ててそこにウケました。

7. BLUE GIANT (石塚真一)

これもビルドゥングスロマンの要素がある音楽マンガ。ジャズサックスプレイヤーを目指す男の子が仲間を得て、ライブ経験を積み、技術を磨くなかでひとりの音楽家として成長していきます。セリフは少ないけど、そんな印象はあんまりなかった。主人公はもともと技術的な才能にずば抜けていたって感じではないのですが、「ジャズすげぇ、沸かせたい!」というブレない折れない熱意で、周りの人を巻き込んでいく感じです。直接語られないんだけど熱い。ちなみにシーズン2が終わって3に突入した模様です。なかなか長いな。

8. 10DANCE (井上佐藤)

こちらもBLです。社交ダンスがテーマ。井上佐藤作品は絵がまず好みです。最初は導入ということもあり社交ダンスそのものが前に出てる感じでした。トップクラスのダンサーとしての矜恃とか踊る楽しさとか。なので知識を得る意味合いの面白さが強かったんですが、巻数が進むにつれ恋愛色が強まってきました。
BLはいわゆる「攻めと受け」という組み合わせがあって、メインの二人はどっちも「攻め」の人なんですよね。だからカップリングとしては必然的にポジションの取り合いになるわけで、そういう葛藤が読めるのが面白いなと思います。

9. セトウツミ (此元和津也)

男子高校生の会話ギャグコメディ。キャラの違う二人の男子高校生が、放課後の川べりでひょんなことから毎日のようにダベってしゃべってるだけの話です。会話劇好き〜。仲は別にいいわけじゃないけど相性がいい空気感が程よいです。最後のほうちょっと謎のシリアス回がありました。友人(さっき出てきた友人と同一人物)に「これ好きなら『おそ松さん』好きだと思う」って言われたので、おそ松さん好きな人は好きかもしれません。私はいまだに『おそ松さん』1話以外見てないのですが。

10. レタス2個分のステキ (田中光)

少年マンガ以上に読まないのがギャグマンガなんだけど、これはなんかやたらと刺さりました。発想が突飛すぎてもはや不条理ギャグ。そのはちゃめちゃさが心地いいというか。これも何かですすめられてたと思うんやけどなあ。クセが強すぎて、以前別の友人にすすめたけど、よくわからなかったという反応をもらったのでいろんな人に読んでもらって話を聞きたいです。

+α

東京心中 (トウテムポール)

BLですが、クリエイティブものとしても楽しめます。テレビ制作会社が舞台。創り手だったらガツンとくるセリフたくさん。なかなか続きが出ない。

働けケンタウロス(えすとえむ)

すでに紹介した「竜の学校は山の上」と同時期に読んだのですが、こちらもケンタウロスと人間社会の共存が描かれてて面白かった。短編集ですが全編通してケンタウロスのお話になっています。ドラマって感じなのが良い。

以上、長くなりましたが紹介でした!
一応タグを漁ってみたけどなかなか同じ作品挙げてる人いなかったので、読んだ人には感想聞いてみたいな〜という気持ちです。

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