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メイン顧客層60歳以上の和太鼓スクールが、オンラインレッスンをやってみた

やってみて見えた、オンラインでグループレッスンを行う際のポイント

千葉県内にて和太鼓スクールを3店舗経営している。2013年に1店舗目をオープンしてから約8年。当然、ピンチの時もあったけれど、多くの方に支えられ、おかげさまで順調に推移し、現在は500名を超える会員様に愛されるスクールに成長してきた。

が、2020年。コロナウィルス 感染拡大。
はっきり言って、未曾有の危機である。
4月は、ほぼ全てのレッスンを休講した。現在4/18だが、5月以降、通常通りレッスンを開講できるのかどうか、目処は全く立っていない。

というわけで、4月より「オンラインレッスン」を開始した。

千葉店のスタジオ1室を、丸っとオンライン配信専用スタジオに急きょ模様替え。web会議アプリ「zoom」の使い方を覚え、お客様向けに使い方動画をこさえ、予約体制を整え、LINE、電話、メール…あらゆる連絡手段を使って全会員に告知した。(ここまで所要日数3日。ゼーゼー)

そして1週間経過。オンラインレッスンは概ね好評だし、私たち運営側には色々と知見が貯まってきたので、こちらに共有したいと思う。あと、最後に少しだけ宣伝。

① 買い揃える物が割と多い

「zoom」は無料だし、撮影機材は自分のスマホでいいよねーという考えは、グループレッスンにおいては甘い。(私たちが運営する和太鼓スクールはグループレッスンだ。)
マンツーマンレッスンであれば、なんとかなるかもしれないが、それでも厳しいのではないかと私は思う。色々と試行錯誤した結果、私たちは結果的に以下のものを買い揃えた。
・ 大画面モニタ(42インチ)
   講師が生徒一人一人の顔を見るために大画面は必須
・ビデオカメラ 2台
   ズームしたり引いたり、やっぱり必要
・ワイヤレスイヤホン
   スタジオ内にスピーカーで音声を流すとハウリングを起こすなどリスク多々。講師はイヤホンで音声を聞くのがベター。
・延長コード
   とにかく電源をめっちゃ使うんで。

その他、新たに購入したわけではないが、使用しているものがこちら。
もしもなければ、これらも購入する必要があった。
・パソコン3台
・iPhone , iPad , Android

パソコン3台は必ずしも必要ではないが、最低1台は必要だ。レッスン動画を保存して後ほど販売したい場合で、参加者の顔は写さないように収録したい、などやりたいことが増えれば、それだけ必要台数が増える。
最後のデバイス3点は、お客様にzoomの利用方法を説明する際に使用している。ITリテラシーが低い高齢者などに説明する際には、自身もなるべく同じ画面を手元で開きながら1つ1つ説明する必要があるためだ。

② スムーズな利用には、サポート体制の整備が重要

当スクール会員のメイン層は60代以上の方々だ。「オンラインレッスン」を始めるにあたり、一番の不安要素は「お客様は、果たしてzoomを使えるのか?」だった。結論から言ってしまうと、現在、IT機器に慣れていない方でも滞りなくzoomにアクセスし、レッスンを受けることができている。が、そのためには運営側がきちんとアテンドすることが必須だ。お客様の中には、スマホにアプリをインストールしたことがない方もいる。そういった方々が迷わないよう、次のような点を心がけた。
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・zoomインストール方法は、事前に動画で説明
・予約受付メールで、zoomについて再度説明
・それでもわからない方には電話で説明
・説明時には、説明者も同じ画面を見ながら話す
・初回レッスン時は招待メールが届いたかどうか、別の連絡手段で確認
・招待メールの文面は、zoomのデフォルトは使用せず分かりやすい物に変更
・スタート時間になっても入室しない方にはお電話で確認
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③ グループレッスンなら、講師 + オペレーター1名が必須!

②で述べたとおり、お客様にストレスなくスムーズにレッスンを楽しんでいただくためには、丁寧なサポートが必須である。そのため、講師1名で対応するのは難しい。
まず入室。ここでつまづく方は多い。「画面が映りません」「画面は映るけど声が聞こえません」「あ、声は聞こえるようになったけど今度は画面が(以下略)」等々。ここで講師が対応してしまうと、すでに入室できている他の生徒さんをお待たせすることになってしまう。それはまずい。そのため私たちは、オペレーター1名が必須という結論にたどり着いた。レッスン中も、内容に応じてカメラアングルを調整する必要がある。これも講師一人では不可能だ。
※ 講師とスタッフの間は2m以上離れた環境を実現してます

④ 通信環境によって生じる時差は、思ったより気にならない

各所で指摘されている通り、zoomには時差がある。講師の映像が生徒の元に届くまで、そして生徒の映像が講師に届くまで、どちらも時差が生じるので、完璧に音が合うことはほぼない。しかも、実際にやってみて分かったが、各々の通信環境によって時差にはバラツキがある。
じゃあバラけた音が不愉快でレッスンにならないか?というと、そんなことはない。生徒は主に講師の姿・音を見聞きするので、思ったより戸惑いは少ないようだ。最近では、複数回受講したベテラン生徒さんが集まると、たまにピタリと音が合う時がある。

⑤ 内容は、リアルのレッスンとは違った工夫が必要

リアルなレッスンをそのままオンラインレッスンに持ち込むと、うまくいかない。次のような点に留意してレッスンを作る必要がある。
・講師はゆっくりと大きな声で話す
小さな声でババッと話されると、聞き取りづらい。口を大きく開け
て、ボディランゲージも用いながら話す必要がある。全身で話すイメージ。
・生徒さんに喋らせるときは、指名する
zoomは、大勢が一斉に話すと一気に聞き取りづらくなるし、声が大きい人が権利を獲得し、小さい人の声はカットされる傾向がある。それを防ぐために講師は、発言したそうな生徒さんがいたら「●●さん、なに?」と話を振ったり、雑談するときも「●●さんは最近どう?」というように、喋る人を指名した方がいい。こうすることで、円滑なコミュニケーションが成立する。
・オンラインではできない練習もある
どうしてもオンラインでは難しい練習方法も、そりゃあある。それは許容した上で、講師は生徒を飽きさせないメニューを考える必要がある。

⑥ 明るい照明、マスト!

照明が暗いと、画面が一気に辛気臭くなる。きちんと講師に照明が向いていることはもちろん、照明の色も重要だ。黄色がかった暖色系の照明は、画面全体がセピアがかって見えづらい。いわゆる蛍光灯の色。青白い色の方が画面に清潔感がでる。

結論

とまぁ、こんな感じで和太鼓スクールのオンラインレッスン は始まった。きっかけはコロナウィルス だが、コロナ対策だけに終わらない手応えを、私たちは感じている。コロナ問題が収束した後も継続していこうと思っているし、色々と新たなアイデアも浮かんできている。

きっと今後は、同じようにオンラインを使ったスクールがますます増えていくだろう。そして、その中での競争が激化していくだろう。そうなったとき、レッスンのクオリティ差が、そのまま生き残れるか否かに繋がっていくと思う。

しかし、ある程度の環境を用意するためには、そこそこの投資と手間が必要であることも見えてきた。

そこでこのたび私たちは、当初自分たちのために設けた「オンラインレッスン 専用スタジオ(オペレータ1名付)」を、レンタル提供することにした。ご要望に応じて、生徒さんへの招待メール送付などの事務面もサポートいたします。当スタジオは完全防音なので、楽器演奏・ダンスもOKです。

以下のようなお悩みを抱えている方は、是非ご連絡ください。
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オンラインレッスンをやってみたいけれど…
・どこから手をつけたらいいかわからない方
・準備にかけるリソースがない方
・どんな機材が必要か分からない方

オンラインレッスン をやってみたが…
・講師一人で実施するのに限界を感じている方
・画質やアングルなど、もう少しクオリティを上げたい方
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スクール業・講師業を営んでいる方々は、多かれ少なかれ、コロナウィルスによる打撃を受けているのではないかと思う。
せっかく用意した環境を、困っている方々、必要としている方々に使っていただき、皆様の助けになれば幸いだし、ぶっちゃけ、私たちもお金を稼がなくてはいけない身だ。レンタル事業で売上がたてば、とても助かる。

ご興味をお持ちの方は、是非ご連絡ください。
株式会社ハーレー
TEL:043-215-8100
Mail:info@taikolab-chiba.com
スタジオ住所:
〒260-0015
千葉県千葉市中央区富士見1-14-11常盤ビルB1階


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