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矢部

矢部を知ってるかい?
矢部といったら俺がよく行く地獄であり、まさしく地獄なのだ
こないだなんて毎日毎日同じおじちゃんがレコード運んでくるもんだから、溜まりに溜まった4000枚のレコードを査定するのも店員は怠くなり結局近場の地獄へと移動になった
そう
GO TO HELL TO HELL
って事になるかな

そんななかいつも新譜は入り口近辺にドバァァーって黄色い箱やらスーパーのカゴやらに入れられ鎮座してるんだけど、まずそこをCHECKするわけですよ
今回はLD合わせて100枚ないくらいだったかな?
すでに何万年とそこに鎮座してるんじゃないかと思わせる存在感のオフコースとサムテイラーは勿論のこと、指を汚しながら掘ってたわけですよ
ほぼ入り口なので人の出入りは多少あったんだけど、そんなの関係ねーと掘ってたら、異臭とともに俺に語りかけてくる女性が現れたんだ
「レコードは永遠よね」
その時掘ってたのがマッチではなかったが、俺はハっとしたよ
視線をカゴから女性の方に向けたら、そこには春なのに黒いダウンにズタボロのロングスカートで異臭を放つ女性が立って俺を見下していた
顔はフレンチ・エンジェルだった
女性は矢継ぎ早に語りかけてきた
旦那が昔のレコードを大量に持っていることや、その昔のレコードは明治から江戸時代のものもあること、旦那が大きなスピーカーを所有していることなど、はっきりと大きな声で異臭を撒き散らしながら俺に語りかけてきた
俺も出会いにはほとほと縁遠い生活を送っており、初対面の異性と仕事以外で話すことなんてほとんどないから浮足たっていたこともあり、旦那の職業を聞いてみたが、回答はボブディランの"フォーエバーヤング"は素晴らしいとの回答だった
その後も色々と語りかけてきたが、こちらとコミットする気がなかったらしく俺はプイっとその場を離れレギュラーレコード売り場のとこへ移動した
矢部はレギュラーレコード売り場の隣が中古CD売り場なんだけど、しばらくすると女性が中古CD売り場とこにやってきてボブディランのフォーエバーヤングはどこかといいながらAKBのCDを見てたいたのが印象的だった

俺は大沢誉志幸のLP二枚となんかの12インチを二枚購入し地獄を後にした

それが今週月曜の話だ

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