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HIGASHI TOKYO RIOT PART16

事実を事実のまま 完全に再現することは
いかにおもしろおかしい
架空の物語を生み出すよりも
はるかに困難である
(アーネスト・ヘミングウェイ)

これは事実談であり……この男(MUNE)は実在するッ!!


マッチョ・ドラゴンのブルゾン

ー今回はファッションについてお聞きします!
MUNE はいはい。
―東京の男の子は自分で服を買い始めるのも早いんですか?
MUNE 小学校5、6年じゃないですか。それまではやっぱり親に買ってもらった服ですよね。はじめて意識して、これが欲しいって買ったのは、阪神のタンクトップ。
―タイガースの(笑)。
MUNE そうそうそう。掛布がアイロンプリントされたTシャツとか。それは欲しがって買いましたね。
―どこで売ってたんですか?
MUNE 近所のヨーカドーとかですね。俺の住んでるところでいちばん洋服売ってたのはヨーカドーでしたから。
―地元の子はそのあたりに買いに行ってたんですね。
MUNE そうじゃないですか。それで小6ぐらいの色気づいてきた頃に、曳舟の駅に「YOU」っていう洋服屋ができたんですよ。そこでおしゃれな子は買うようになりました。当時はパステルカラーが流行ってて、いまで言う藤波のマッチョ・ドラゴンのブルゾン(※1)みたいな(笑)。

MUNE で、中学上がって「YOU」とかで買うようになって。あと、うちは姉ちゃんが1コ上なんで、姉ちゃんのお下がりをもらんですよ。
―おお。
MUNE 女子のほうがおしゃれじゃないですか。姉ちゃんが原宿だ上野だって行ったときに買ってきたもののお下がりをくれるようになったんですよ。このTシャツいらないわとかって。
―もう着ないからってことですかね。
MUNE そうそうそう。それが当時渋谷とかにあったオクトパスアーミーのとか、大中っていう雑貨屋のやつとかで。地元では売ってない、ちょっとおしゃれなのをもらって着るようになって「おしゃれだね」ってみんなに言われるようになって。そこから目覚めた感じですね。
―そういわれると気分いいですよね。
MUNE で、自分も行ってみようって気になって、オクトパスアーミーで買うために連れ立って渋谷とか行きましたね、中1か中2の時。でも上野がいちばん多かったかな。上野にはU2って店があって。そこでいろいろと買ってましたね。
―いちばん近い服を買うスポットは上野になるんですか。
MUNE 曳舟界隈だといちばん近いのは上野かな。浅草とかになっちゃうと洋服を買う場所じゃなくなっちゃうんで。
―上野は男友達と連れ立って行く感じで。
MUNE そうそうそう。中2中3の時は原宿とか行ったりしてたんで、なんとなく上野ダサいなぐらいには思ってて。高校に入ったら、足立区の連中ばかりだったんで、上野でおしゃれぶってるからなんか見下してましたね(笑)。
―上野はもう卒業してるんだけどって。
MUNE そうそう(笑)。俺はもう原宿渋谷なんだけどって。

デ・ニーロのブートばっかりある店

―80年代後半の原宿渋谷はどんな感じだったんですか?
MUNE もうタレントショップ全盛期。バレンタインハウスとかMARCY'Sとか。セーラーズももちろんあって、その時代ですよね。
―行きました?
MUNE タレントショップは混んでるんで、眺めただけですね。入れないんですよ。
―やっぱりそうなんですね。
MUNE それよりテント村みたいなところで、金もないから、そこでニセもんのTシャツとか買ってましたよ。知らなくてシャネルのニセもんとか着てましたね。シャネルN°5って書いてあって(笑)。
―あはははは!
MUNE あとはBOOWYとかのロゴの入ったやつをみんな買ってましたよ、中学の時は。
―そのときのイメージや記憶が、いまにつながったりしてるんですか?
MUNE いや、その時は今への影響ってほとんどないけど、そこから古着っていうか映画のTシャツとかを発見するようになってきて、高校ぐらいでそれが加速して、それが着たいってなったんですよね。
―映画のTシャツも原宿とか渋谷で最初は見つけたんですか?
MUNE シカゴみたいな店舗型のちゃんとした古着屋も行くけど、表にバーッと出してる露店みたいなのをかたっぱしから見て、映画と名のつくものをすごい探してたんですよ。当時はスター・ウォーズとかしかなくて。アメコミっていっても、スーパーマンとかフラッシュ・ゴードンとかああいうのしかないんですけど、それでもがんばって探してた気がするなあ。
―映画のTシャツに惹かれたんですね。
MUNE 雑誌にビデオやポスターがどこに売ってるとか、そういう広告が出てるんですよ。で、渋谷の東急ハンズのそばのでかいビルの横にちいさいプレハブみたいなのがあって、そこで映画のTシャツを売ってたんです。
―えーそんなところで。
MUNE 絶対、ブートなんですよ(笑)。そこ行ったらゴッドファーザーとかディア・ハンターとか、なぜかデ・ニーロばっかりあって。そこでタクシードライバー買ったんですよ。それが高2高3ぐらいかな。ああ、やっとこういうの売ってるの発見してたなって。で、ダブルデッカーっていうロックショップがあったんですよ。原宿とかだとBLACKっていう店があって、パンクグッズとか、ヴィジュアル系と呼ばれる人たちのステージ衣装っていうか、そういうのがいっぱい売ってる店があって。そこにもメタルのバンドのTシャツに混じって、映画Tシャツがたまにあったりするのを、それも高校のときに発見して。13日の金曜日とか。
―当時は、実際現場に足を運んでみるしかないですよね。
MUNE そうそうそう。当時はまたそういう友だちがいないから。
―え、単独行動だったんですか?
MUNE そういう情報ってライブハウスで知り合った先輩とかから仕入れるじゃないですか。そういう友だちがいないんですよ。学校行ったら俺が最先端で(笑)。俺が開拓するしかなかったんですよ。
―開拓者の悲しみですね。俺がやるしかないと(笑)。
MUNE そうそうそう。さすがにまだ中学生くらいだと、下北とか高円寺に行くっていうのはなかったですね。
―やっぱりちょっと遠く感じるんですか。
MUNE 遠いですね。第1段階が上野だとしたら、第2段階が渋谷原宿、下北とか高円寺は第3段階でしたね。
―下北沢や高円寺には何かあるぞっていうのは分かってはいたんですか?
MUNE そうですね。宝島とか読み始めるんで。でも宝島見てると、高円寺はファッションというよりはインドの街って感じでその時は思ってたし。下北は高3のときにみんなで行ってみたのかな。でも行ってみたらなんてことはなかったんですけど、新宿から小田急に乗るっていうのがすごい新鮮だったんですよ。
―わーそうなんですか。
MUNE で、小田急って普通とか急行とかいろいろあって、どれ乗っていいのか分かんなくて。で各駅乗ったらいいだろって乗ったら、当時BELL'S(ベルズ)(※2)っていうバンドがいたんですけど、ギターの野山さんがいたんですよ。電車の中に。俺たちとってはヒーローだから、もうすぐ声かけて。
―わー。
MUNE ブレザー姿の5、6人組が取り囲んで「野山さんですよね」って(笑)。やっぱり下北まで行くとロッカーに会えるんだなって分かりましたね。
―墨田区にはいなかったですか(笑)。
MUNE いないいない。
―野山さんはブレザー姿のグループに声かけられて驚いてませんでした?
MUNE いやー喜んでましたよ。俺らガチファンで、BELL'Sがドッグタグをつけてたのをマネしてみんなつけてたから、「これマネしたんですよ」とか言ったらすごい喜んでくれて。

<HIGASHI TOKIO RIOT PART17 につづく>

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【本文脚注】
マッチョ・ドラゴンのブルゾン(※1)

BELL'S(ベルズ)(※2)

The Bell's " Meridian High School " and " Shop Lifter “A” 
https://www.youtube.com/watch?v=PKD9X6INTuA

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