HIGASHI TOKIO RIOT PART12

事実を事実のまま 完全に再現することは
いかにおもしろおかしい
架空の物語を生み出すよりも
はるかに困難である
（アーネスト・ヘミングウェイ）

これは事実談であり……この男（MUNE）は実在するッ！！

骨折3回、交通事故4回

―学校は好きだったんですか？
MUNE　学校好きでしたよ。小中高、ほぼ休んだ記憶がないですね。
―ほぼ皆勤賞。
MUNE　カゼひいても行ってましたね。立てないぐらいだと行けないけど（笑）。いない時に何かおもしろいことがあったらいやだなって。
―あーわかります。
MUNE　一日でも話題に遅れるのがいやなんですよ。一日でも勉学に遅れるのはどうでもいいんです。話題に遅れるのは、がまんできなくて。
―勉強はいいんですね（笑）。
MUNE　勉強はどうでもいいです（笑）。

―小学校時代の大きい思い出って何かありますか？
MUNE　大きい思い出……よく骨折してましたね。
―それはまた何が原因なんですか？
MUNE　小学校から中学校にかけて、年に3回骨折したんですよ。小6の2月頃に1回、中学上がって6月か7月頃に1回、10月くらいに1回で年に3回ですね。
―うわー。
MUNE　1回目は雲梯（うんてい）で落ちて腕折って、2回目は「めちゃぶつけ」で。
―何ですかそれは（笑）。
MUNE　「三歩ぶつけ」っていうのもあって、それは三歩だけ歩いて人に（ボールを）ぶつけるんですよ。「めちゃぶつけ」っていうのは、何歩でも歩いてぶつけていいんです。
―追いかけまわしてもOKと。
MUNE　そういう遊びがあって、それでボールを取ろうとしたら「パンッ」て指が欠けちゃったんですよ（笑）。
―おおー。
MUNE　で、3回目は当時はやってたUWFの前田（日明）みたいにプロレスごっこで友だちを蹴ってたんですよ。そしたら蹴り足をつかまれたんで、延髄斬りを繰り出したらポトッっと落ちて（笑）。
―えー！
MUNE　あとは交通事故が4回あったかな。
―交通事故！
MUNE　車にはねられたのが4回（笑）。
―初の事故はおぼえてますか？
MUNE　小2ぐらいでしたね。まだ自転車に補助輪付いてて。結局、信号無視するんですよね。
―自動車の信号無視は本当に危険です！
MUNE　いや、俺が悪いんですよ。こっちが信号無視です（笑）。
―あ、こちらが信号無視（笑）。
MUNE　横断歩道のないところで渡りたがる俺のせいですね。一時停止とかもしませんから。パッと飛び出て、そりゃあはねられますよ。
―わははは！
MUNE　遊びに行ってる途中ではねられて、ちょっと擦りむいたぐらいだからへっちゃらなんですよ。遊びに行く途中だから、早く公園に行きたいんですよ。でも、ひいた運転手がめちゃくちゃビビっちゃって「何かあったら大変だから」って病院連れて行かれるんだけど、赤チン塗ってはい終わりみたいな感じで。だから平気だって言ったじゃないかって（笑）。
―早く遊びに行きたかったのに。
MUNE　そうそうそう。チャリもちょっと曲がったぐらいだったら、平気平気ってそんな感じなんですよ。で、2回目が小学校4年の時でやっぱり飛び出して。
―2年後にまた飛び出し！
MUNE　ぜんぶ飛び出しですね。自分で車を運転するようになって気が付きましたよ。飛び出してくるこどもはいやだったろうなって。
―大けがはしなかったですか？
MUNE　ないんですよ。バーンってぶつかって、コロコロコロってなった時に擦りむくぐらいで。うちの母ちゃんは連絡受けて、「大丈夫か！」って血相かえて来てくれたんだけど、俺はぜんぜんケロッとしてて。「遊び行きたかったんだよ」って。
―わははは！
MUNE　交通事故4回と年に3回骨折って、いま自分の息子がそうだったら、気が気じゃないですよ。
―骨折してても学校は行くわけですよね。おもしろいことが起こってたらいやだから。
MUNE　そうそうそう。プロレスとかも、俺が欠場しちゃうとマッチメイクの流れが止まっちゃうじゃないですか。そういうわけにはいかないから、腕吊りながらで「石膏ラリアート」とかやってましたよ。

ゆかっちょとヤングMUNE代表

とにかく飛び降りる場所をさがすんですよ

―激しい毎日ですね。
MUNE　当時はどっかから飛び降りたりする遊びをよくやってましたね。
―根性だめしみたいな感じですか。
MUNE　そうですね、根性だめしですね。ここから飛び降りれるかっていって、まず身の軽いやつが飛ぶんですよ。そしたらやんなきゃいけない雰囲気になって、みんな飛び降りるという。ただそんな遊びです（笑）。
―どういうところから飛び降りるんですか。河原とかですか。
MUNE　や、ビルですよ、ビル。
―えー！
MUNE　ビルの3階くらいから、ごみ捨て場のトタンの屋根に飛び降りたりとか。デブのやつが飛び降りて、トタン突き抜けたことありますよ。「大丈夫かー」って行ったら、プシューって泣いてて、その泣き顔がおもしろいってみんなで卒業までいじってました（笑）。
―トタン突き破るって、ジャッキー・チェンの映画のNGシーンですよ。
MUNE　やっぱ、ジャッキー・チェンの影響ですよね。プロジェクトAとか見てたら、そりゃあ飛び降りたくなっちゃいますよ（笑）。友だちに「ゆかっちょ」っていう俺よりやんちゃなやつがいたんですけど、そいつがとにかく、飛び降りる場所を探すんですよ。
―わはははは！
MUNE　身体能力がハンパじゃなくて、どこにいっても飛び降りて。その身体能力を違う方向に使おうって、陸上部にスカウトされて大会出たら、走り幅跳びで墨田区で1位になって（笑）。
―飛ぶことが向いてたんですね。
MUNE　そうなんですよ。そいつがいちばんむちゃくちゃでしたね。そのむちゃくちゃにみんな引っ張られたみたいな。
―行く先々で飛び降りるところをなんとか探し出して（笑）。
MUNE　そうそうそう。隣の学校とか行って、普通だったらケンカ強いやつを探してケンカで勝負するじゃないですか。けど、ゆかっちょは「足速いやつ誰だ」って聞き込みして、名前が出たやつを待ち伏せしてから徒競走の勝負するんですよ、線路沿いで。
―うわー！
MUNE　よく審判やりましたよ。「行くよー、よーいスタート！」って。
―ゆかっちょ、勝つんですか。
MUNE　勝つんですよ。勝って満足（笑）。そういうへんな人でしたね。誰が見ても変わり者なんだけど、自分はいっさいそんなこと思ってなくて。自分がいちばんまともだと思ってるくらいで。
―ほんとにやばい人はそうなんですよ（笑）。
MUNE　めちゃくちゃ変わってましたね。俺が言うくらいだから（笑）。

＜HIGASHI TOKIO RIOT PART13 につづく＞

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