全然堂歳時記 夏 【毛虫】20句

葉書俳句：

全然堂歳時記 夏 【毛虫】

テキスト：

神の意の天然色の毛虫かな　ハードエッジ
花よりも葉つぱ好みの毛虫なり　ハードエッジ
重たしよ葉に群がりし毛虫ども　ハードエッジ
毛虫にも赤子がありてそも毛虫　ハードエッジ
見開きの毛虫図鑑と見比べて　ハードエッジ

毛虫にも黒毛・栗毛の血筋あり　ハードエッジ
地を這へる煙の如き毛虫かな　ハードエッジ
芋虫に毛嫌ひされし毛虫なり　ハードエッジ
派手派手の毛虫どこまでおぞましき　ハードエッジ
あのころはたかが毛虫と侮りし　ハードエッジ

庭木叩けば時雨の如く毛虫落つ　ハードエッジ
割箸で毛虫の背ナを撫でてやる　ハードエッジ
割箸の先に毛虫がくねくねと　ハードエッジ
咥へられいまはの空を行く毛虫　ハードエッジ
ねつとりと踏み潰されし毛虫かな　ハードエッジ

病める木に灸のごとく毛虫の火　ハードエッジ
人類にプロメテウスや毛虫焼く　ハードエッジ
沸騰の毛虫や遂に燃えあがる　ハードエッジ
亡者には飯もおさいも毛虫なり　ハードエッジ
毛虫とは似ても似つかぬものとなる　ハードエッジ

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以上です