角川俳句賞2022 落選作 プランＢ「ベンゼン環」
※プランＡは、こちらです
葉書俳句：
テキスト：
メリーゴーラウンド春光を紡ぎ出す ハードエッジ
日めくりのまだ分厚くて春の雪 ハードエッジ
春雪の仮りそめに組む花筏 ハードエッジ
ひんがしの山の雪解け日本海 ハードエッジ
ふらここや靴を飛ばして足長き ハードエッジ
春燈の消えて闇夜の影法師 ハードエッジ
何の菜か宿の菜飯の色違ひ ハードエッジ
切先の鋭きを地に挿木かな ハードエッジ
妻に子に我に臍あり万愚節 ハードエッジ
名札は胸に苗札は赤土に ハードエッジ
古株に日の目を見せて根分かな ハードエッジ
遠足の園児と聞けばそれだけで ハードエッジ
復活のなき安らぎの涅槃像 ハードエッジ
蝶になる夢を忘れし蜆やも ハードエッジ
辞書に並ぶ「ミサ」と「ミサイル」恋の猫 ハードエッジ
あくびなら子猫も負けてをらざりし ハードエッジ
切つてあるハムやチーズや朝桜 ハードエッジ
ゴジラいま地球の味方花吹雪 ハードエッジ
花吹雪本気を出して来りけり ハードエッジ
若草に厩出しといふ一大事 ハードエッジ
六月の朝の六時の空の青 ハードエッジ
右の頬に左の頬に梅雨の髯 ハードエッジ
片陰が道の右から左へと ハードエッジ
シャワー「弱」さへ日焼の肩に噛み付きぬ ハードエッジ
装束で買ひし麦酒のハズレかな ハードエッジ
豆飯に莢豌豆のおみおつけ ハードエッジ
羅を鋼仕立に甲羅かな ハードエッジ
蛞蝓の百の重さの蟇 ハードエッジ
茄子、胡瓜、牛蒡、大蒜、萵苣も咲き ハードエッジ
甘藍の外葉大いに反り返る ハードエッジ
水たまり秋の欠片を浮べたる ハードエッジ
爽やかに引きし補助線仮説成る ハードエッジ
空缶に鉄やアルミや秋の風 ハードエッジ
天の川より一滴の耳かざり ハードエッジ
かつかつ書くベンゼン環の夜学かな ハードエッジ
休暇明け包帯の子がもう一人 ハードエッジ
菊の香に乾けば消ゆる水たまり ハードエッジ
瓢箪になれず糸瓜のぶら下る ハードエッジ
みしみしと土龍に響く霜柱 ハードエッジ
白狐撃たれて倒る白きまま ハードエッジ
進むレジ進まぬレジや葱を手に ハードエッジ
数へ日にドプラー効果あるやうな ハードエッジ
年の瀬の火事場帰りの消防車 ハードエッジ
厨には油の跳ねし古暦 ハードエッジ
飛行機の操縦室の初御空 ハードエッジ
買初の銀座京橋日本晴 ハードエッジ
幼子の首筋寒き春著かな ハードエッジ
雪山に取り囲まれて弓始 ハードエッジ
大寒の海の魚や食べごろの ハードエッジ
ティアラして雪のディズニーランドかな ハードエッジ
全然堂本店：
以上です
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