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悴んで少し冷血動物に ハードエッジ 悴むと鱗が生えてきて困る ハードエッジ
ころころに磨きし米を寒造 ハードエッジ ステンレススチールタンク寒造 ハードエッジ 月の夜も雪の夜もこれ寒造 ハードエッジ 計器見る娘杜氏や寒造 ハードエッジ 密やかに米食ふ糀寒造 ハードエッジ 以上です
氷点を突かれし水の氷るなり ハードエッジ 水もまた深き眠りに厚氷 ハードエッジ 厚氷バケツも重くなりにけり ハードエッジ 日に敗れ夜に蘇る氷なり ハードエッジ 以上です
日々の雪時々は雷鰤の海 ハードエッジ 鰤切つて観光客を相手かな ハードエッジ 切り落とす大根の頭鰤の首 ハードエッジ 定置網の中をぐるりと鰤泳ぐ ハードエッジ 天然の生簀は広し能登の鰤 ハードエッジ 以上です
トルストイよツルゲーネフよ暖炉燃ゆ ハードエッジ ストーブの内側を火が舐め廻す ハードエッジ 達磨ストーブその憧れの溶鉱炉 ハードエッジ ストーブの温顔に吐く弱音かな ハードエッジ ストーブの空腹の灰かかれをる ハードエッジ 以上です
好きなもの母の手袋父の下駄 ハードエッジ 手袋をした手でもう片方をかな ハードエッジ 手を入れて手袋の手となりにけり ハードエッジ 手袋を知らぬ紫式部の手 ハードエッジ ※全然堂歳時記 冬【手袋】にもお立ち寄りください →こちらです 以上です
馬鹿の区別もならず薬喰 ハードエッジ 四つ足のその一本を薬喰 ハードエッジ 葱入れよ白滝増やせ薬喰 ハードエッジ 土砂降りのいよよ激しき薬喰 ハードエッジ 吐く息におのれ驚く薬喰 ハードエッジ 山奥に猪の母泣く薬喰 ハードエッジ 以上です
おでん屋の今日は出戻り娘とよ ハードエッジ 主役にはなれぬ白滝おでん酒 ハードエッジ おでん屋の壁の達筆ゆでたまご ハードエッジ 今年あと残すところのおでんの灯 ハードエッジ 以上です
息白く若紫を書き写す ハードエッジ 白息や香炉峰の雪いかならむと ハードエッジ 作業着も作務衣も励む息白く ハードエッジ ある夜子は白息を吐く怪獣に ハードエッジ 白息の生臭きかな火星人 ハードエッジ 以上です
初落葉とはいつ頃のことなのか ハードエッジ 落葉掻く石段広く手摺なく ハードエッジ 落葉食ふ虫が落葉を少し食ふ ハードエッジ 一トンの落葉百本の竹箒 ハードエッジ 落葉噛む顕微鏡下の虫の顔 ハードエッジ 教科書は虚数の頁落葉舞ふ ハードエッジ 以上です
学問やネコ目イヌ科キツネ属 ハードエッジ 雪原に狐遊びし跡らしき ハードエッジ 神社荒れ狐は山に帰りけり ハードエッジ 以上です
先づはその心構や冬構 ハードエッジ 冬構重たきものも手配して ハードエッジ 冬構触れたる釘のほろと折れ ハードエッジ フィルターは居間に厨に冬構 ハードエッジ 冬構済んでいつもと違ふ鳥 ハードエッジ 以上です
七五三当日の歯を磨きをる ハードエッジ ひんやりと神のまします七五三 ハードエッジ 幾重にも巻かれて七五三重し ハードエッジ 一段の高き石段七五三 ハードエッジ 以上です
幾度も湯ざめするよと言はれつつ ハードエッジ 戸締りを忘れし如く湯ざめせり ハードエッジ 湯ざめして悲観絶望自暴自棄 ハードエッジ 以上です